2012年5月9日
イーソル株式会社

富士通テンが開発した、車両全周囲を立体的な俯瞰映像で表示する「マルチアングルビジョン(TM)」 に、イーソルのリアルタイムOSベースソフトウェアプラットフォーム 「eCROS」 が採用



マルチアングルビジョン


イーソル株式会社 (本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル) は、富士通テン株式会社 (本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:重松 崇、以下富士通テン) が開発した、車両の周囲を様々な視点から立体的な俯瞰映像で表示する周辺監視システム 「マルチアングルビジョン(TM) (注1)」 に、イーソルの T-Kernel ベースソフトウェアプラットフォーム 「eCROS」 が採用されたことを発表します。マルチアングルビジョンは、トヨタ車の 「プリウス」 などのディーラーオプション製品 「マルチアングル全周囲モニター」 に採用されています。イーソルは、リアルタイムOS 「eT-Kernel」 を中心とする eCROS の提供を通じ、マルチアングルビジョンに求められる高いリアルタイム性と信頼性の実現と、効率的なソフトウェア開発に貢献しました。

マルチアングルビジョンは、車両の前後および左右のミラーに装着された4つのカメラで撮影した周辺の映像を、リアルタイムに高速演算処理して立体的に合成し、周囲の風景も含めた様々な視点や角度からの俯瞰映像を生成するシステムです。カーナビゲーションシステムのディスプレイに表示することで、ドライバーの視界を補助し、安全運転を支援します。マルチアングルビジョンには、富士通セミコンダクター株式会社 (本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:岡田晴基、以下、富士通セミコンダクター) の車載機器向け画像表示 LSI が採用されています。eT-Kernel と eCROS の開発ツール 「eBinder」 は、富士通セミコンダクターが開発・提供する車載機器用画像表示 LSI 向けソフトウェア開発キットに標準採用されています (注2)。

eCROS は、T-Kernel 拡張版リアルタイムOS 「eT-Kernel」 を中心に、開発ツール 「eBinder」、各種ミドルウェア、プロフェショナルサービスで構成されるソフトウェアプラットフォームです。eT-Kernel の優れたリアルタイム性と高い信頼性により、カーナビやカーオーディオなどの車載機器への採用実績が多数あります。また eT-Kernel に特化した eBinder は、リアルタイムOSを使うシステム開発のためにゼロから設計された開発ツールです。リアルタイムシステム特有の問題を容易に解決できるため、開発者の負担を軽減し、開発効率を向上させることができます。

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注1) 「マルチアングルビジョン」詳細 : http://www.fujitsu-ten.co.jp/product/automotive/mav/

注2) 【プレスリリース】 イーソルのリアルタイムOS 「eT-Kernel」 と開発ツールが、富士通セミコンダクター社の車載機器向け画像表示LSIのソフトウェア開発キットに標準採用 (2011年4月5日発表)
http://www.esol.co.jp/company/press/emb_press110405.html
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<補足資料>

■ eCROS について
eCROS は、イーソルのコア技術を注入したリアルタイムOSをベースとするソフトウェアプラットフォームです。eCROS により、ソフトウェア共通化によるコスト削減および開発期間短縮と、システムの信頼性確保を支援します。マルチコアプロセッサもサポートする T-Kernel 拡張版 「eT-Kernel」 と μITRON4.0 仕様準拠 「PrKERNELv4」 を中心に、開発ツール 「eBinder」、ネットワーク/ファイルシステム/USB/グラフィックスなどの豊富なミドルウェアに加え、製品サポートや受託開発などを含むプロフェッショナルサービスで構成されています。動作検証があらかじめ済んでいるので、チューニングやカスタマイズなどの必要なく、すぐに動作します。ソフトウェアだけでなく、ニーズに合わせたプロフェッショナルサービスをあわせてご提供することで、開発者がアプリケーション開発に専念できる環境を作ります。eCROS は、カーナビやデジタル家電に加え、航空・宇宙分野、FA機器、OA機器など幅広い分野で多くの採用実績があります。

「eCROS」 詳細



■ eT-Kernel について
eT-Kernelは、リアルタイムOSベンダであるイーソルがこれまで μITRON で培ってきたノウハウと技術をもとにして、T-Engine フォーラムが配布するオープンソースの T-Kernel に性能面・機能面で改良・拡張を加えた T-Kernel の拡張版です。システムの高速起動を可能にする 「高速ブート」、複数ファイルシステムの透過アクセスを可能にする論理ファイルシステム (LFS)、システム稼動中の問題解析を支援する 「例外マネージャ」 などの多くの拡張機能を実装しています。マルチコア対応版 「eT-Kernel Multi-Core Edition」 では、独自のスケジューリング技術 「ブレンドスケジューリング」 により、ひとつのシステム内でSMP型プログラムとAMP型プログラムを混在させられるほか、メモリ保護技術 「メモリパーティショニング」 により、マルチコアシステムの信頼性と品質確保を支援します。eT-Kernel には、さまざまなシステム規模と用途をカバーするスケーラブルな4つのプロファイルがあります。μITRON と近い構成を持つ μITRON からの移行に最適な 「eT-Kernel/Compact」、eT-Kernel/Compact をベースに T-Engine 標準のデバイスドライバが付属した 「eT-Kernel/Standard」、メモリ保護機能とプロセスモデルをサポートする大規模開発に最適な
eT-Kernel/Extended」、および POSIX に準拠した 「eT-Kernel/POSIX」です。それぞれのプロファイル上で構築したソフトウェアを共通化したプロダクトライン型ソフトウェア開発も容易です。eT-Kernel/POSIX は仕様で規定されているほとんどの800個近い POSIX API を実装しており、UNIX プログラミングでよく利用される fork、pthread、シグナルなどの機能も含みます。このため、Linux などの UNIX 系OSの市販/オープンソースの豊富なソフトウェア資産に加え、国内外の UNIX 系エンジニアリソースを容易に活用できます。また eT-Kernel/POSIX 上で、T-Kernel ベースのアプリケーションも同時に動作させることができます。

「eT-Kernel」 詳細



■ eBinder について
eBinder は、T-Kernel、μITRON をコアとするシステム向けの開発スイートです。従来の T-Kernel/μITRON ソフトウェア開発に不足していた、優れた開発環境を提供します。リアルタイムOS を使ったシステム開発のためにゼロから設計された開発ツール・機能群を使うことで、リアルタイムシステム特有の問題を容易に解決でき、リアルタイムOS を最大限に活用できます。eBinder は、C/C++コンパイラを含む各種開発ツール群と、あらゆる組込みソフトウェアのベースとなるターゲットプラットフォームを構成するモジュール群があわせて提供されます。

「eBinder」 詳細



■ イーソル株式会社について
イーソル株式会社は 「Inside Solution」 をブランドスローガンに、1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、および流通・物流業界で実績を重ねて参りました。ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、そしてトータルソリューションを提供しております。弊社は創業直後より30年以上にわたって、高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各種ミドルウェアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品から車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに採用いただいています。さらに、顧客様のシステムに特化した組込みアプリケーション開発やコンサルテーションも創業時より行っており、これら様々な規模のシステム開発実績による技術とノウハウの蓄積を背景としたサービスは、多くの顧客企業様より高いご信頼をいただいております。また、組込み技術の応用市場としての流通・物流業界においても、指定伝票発行用車載プリンタ、耐環境ハンディターミナル、冷凍庫ハンディターミナルなどの製品企画および販売を行い、高い評価をいただいております。

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