概要
eT-Kernel Compactは、フットプリントが小さく優れたリアルタイム性能をもつリアルタイムOSです。
・リングプロテクション機能でタスク/スレッドモデルのシステムでもメモリ保護を実現
・高解像度、高速な物理タイマをシステムコールで使用可能
・ワンリンクの実行イメージによる段階ブートが可能
・OSのシステムコールでμsecオーダの時間単位が使用可能
・μITRONのアーキテクチャを踏襲しているので、過去の資産の活用が容易
ISO 26262 ASIL D/IEC 61508 SIL 4認証取得、IEC 62304準拠
eT-Kernel Compactは、2015年4月に機能安全規格の第三者認証機関であるドイツのSGS-TÜV Saar
GmbH社より、機能安全規格ISO 26262(自動車)およびIEC 61508
(産業機器)ともに最高の安全度水準(ASIL D, SIL 4)の認証を、国産OSとして初めて取得しました。
イーソルは、eT-Kernelに関するセーフティ・マニュアルとセーフティ・レポートなどのドキュメントを、eT-Kernel Safety Packageとして提供します。eT-Kernel Safety Packageの活用により、非認証OSを採用する場合と比べて、テストユースケースの作成、テスト、テストに基づくエビデンスの作成や、OSに関わる安全性の説明作業を省力化でき、ユーザの最終製品の規格適合にかかるコストを低減できます。
また、イーソルのリアルタイムOS製品の開発プロセスは、医療機器向け安全規格
IEC 62304に準拠していることが認証されています。
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eT-Kernel Compactは、以下の機能安全規格の第三者認証の取得実績を有します。
・自動車向け ISO 26262 ASIL D
・産業機器向け IEC 61508 SIL 4 |
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SGS-TÜV Saar認証 適合証明書 ※クリックすると拡大表示します。 |
メモリ保護機能
eT-Kernelを使ったタスク/スレッドモデルのシステムでも、独自に搭載したリングプロテクション機能、メモリ保護機能を実現しています。
eT-Kernel programs and protection level definition
Protection level |
CPU mode |
Programs |
RING0 |
Privileged |
Kernel Interrupt handlers Device drivers Sub-systems |
RING1 |
Privileged |
Privileged tasks |
RING2 |
Unprivileged |
Unprivileged tasks |
RING3 |
Unprivileged |
Unprivileged tasks |

eT-Kernel Compactの機能
eT-Kernel Compactは、下記の機能を提供します。
eT-Kernel Compactの提供機能 |
T-Kernel/OS (Operating System) |
T-Kernel/SM (System Manager) |
T-Kernel/DS (Debugger Support) |
- タスク制御機能
- タスク間同期通信機能
- メモリ管理機能
- 例外/割込み制御機能
- 時間管理機能
- サブシステム管理機能
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- システムメモリ管理機能
- アドレス空間管理機能
- デバイス管理機能
- 割込み管理機能
- I/Oポートアクセス サポート機能
- 省電力管理機能
- システム構成情報管理 機能
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- カーネル内部状態の 参照
- 実行のトレース
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μITRONからの移行に最適
eT-Kernel Compactは、MMUを使用せずフラットなメモリ空間を使用するところや、提供しているサービス内容、OS内部の構成などがμITRONと似ています。このため、μITRONからの移行時に最適です。
システムコール呼び出しに、関数の直接呼出しをサポート
eT-Kernel Compactは、カーネルAPIを呼び出す際に、T-Kernel仕様で定義されているソフトウェア例外モデルではなく、μITRONと同じ直接の関数呼び出しを選択できるコンフィギュレーションスイッチを装備しています。関数呼び出しを選択することで、
eT-Kernelの動作を高速化することができます。
T-Kernel/SMや使わないカーネルオブジェクトの取り外しが可能
eT-Kernel Compactでは、T-Kernel/SMや使わないカーネルオブジェクトの取り外しが可能で、必要なメモリ容量を最低限に抑えられます。たとえば、ユーザのシステムに、
I/Oポートへの入出力管理機能などT-Kernel/SMが提供する機能が必要ない場合、コンフィギュレーションによって、T-Kernel/SMを含まない構成をとることができます。
T-Kernel/SMを取り除くことで、メモリのフットプリントが減るほか、T-Kernel/SMの初期化の必要がなくなり、システムの起動を早くすることができます。
T-Kernelシステム開発に最適な開発環境eBinderを用意
T-Kernelベースの組込みシステム向けの開発環境として、eBinderを提供しています。
関連資料
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