2012年5月7日
イーソル株式会社

Xilinx(R) Zynq(TM)-7000 EPP をイーソルのマルチコア対応OS「eT-Kernel Multi-Core Edition」 がサポート

~ Zynq-7000 EPP 搭載の ARM Cortex(TM)-A9 MPCore(TM) マルチコアプロセッサ上で
TRON 資産の再利用と、リアルタイム性と信頼性が高いソフトウェアの開発が容易に ~

イーソル株式会社 (本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル) は、イーソルが開発したマルチコアプロセッサ対応リアルタイムOS 「eT-Kernel Multi-Core Edition」 をコアとし、専用の開発ツールと各種ミドルウェア、プロフェッショナルサービスを統合したソフトウェアプラットフォーム 「eCROS」 が、ザイリンクス社の Zynq-7000 エクステンシブル プロセッシング プラットフォーム (以下、Zynq-7000 EPP) に対応したことを発表します。μITRON、T-Kernel および Linux ベースのソフトウェア資産を容易に再利用できるため、低コスト、短期間でシステムを構築できます。また、イーソル独自の 「ブレンドスケジューリング」 技術により、Zynq-7000 EPP に搭載された ARM Cortex-A9 MPCore マルチコアプロセッサを最大限に活用し、対称型マルチプロセッシング (SMP) と非対称型マルチプロセッシング (AMP) を混在した柔軟なシステム設計ができるようになります。eT-Kernel Multi-Core Edition を選択することにより、Zynq-7000 EPP の高い性能と拡張性を生かし、グラフィックス機能やネットワーク機能などの高度な機能を搭載する車載機器、産業機器、医療機器などの幅広い組込みシステム開発で、高いリアルタイム性と信頼性を実現できます。

2012年5月9日(水)~11日(金)、東京ビッグサイト (東京都江東区) で開催される 「第15回組込みシステム開発技術展(ESEC)」 のイーソルブース (ブースNo.西6-14) にて、Zynq-7000 EPP 対応 eCROS のデモ実演を行います。

イーソルは、ザイリンクス社が運営するパートナープログラム 「ザイリンクス アライアンス プログラム」 のメンバーです。また、これまでに複数の ARM11/ARM Cortex-A9 MPCore マルチコアプロセッサをサポートした実績と経験より、ARM MPCore の機能や特性を深く理解しています。イーソルは、ザイリンクス社との連携のもと、ARM MPCore に関する知識やノウハウと、イーソル独自のマルチコア向けリアルタイムOS技術を組み合わせて、Zynq-7000 EPP 向けの本製品を開発しました。

今回 eCROS がサポートしたのは、XC7Z020 CS484 -1 EPP 搭載の ZC702 評価ボードです。今後イーソルは、XC7Z020 CS484 -1 EPP に実装された周辺デバイスをサポートする、USBホスト/デバイススタック、SDメモリカードドライバ、イーサネットドライバを開発して eCROS に統合し、Zynq-7000 EPP を利用するソフトウェア開発者をさらに強力に支援します。

eT-Kernel Multi-Core Edition は、2006年のリリース以来、カーナビゲーションシステムをはじめとするさまざまな組込みシステムで採用実績をもつ、マルチコア対応 SMP 型リアルタイムOSです。独自の 「ブレンドスケジューリング」 技術により、ひとつのシステム/OS上で、高いスループットを達成する SMP のメリットと、シングルコア向けソフト資産の再利用やリアルタイム性の保証を可能にする AMP のメリットの両方を実現できます。さらに、メモリ保護技術 「eT-Kernel Multi-Core Edition Memory Partitioning」 と時間保護技術 「eT-Kernel Temporal Partitioning」 をあわせて使うことで、マルチコアシステムの高い信頼性を確保できます。また eT-Kernel Multi-Core Edition は2つのオープン仕様をサポートしており、T-Kernel および T-Kernel/Standard Extension が提供する標準 API と、POSIX 仕様準拠の API を提供しています。eT-Kernel Multi-Core Edition と緊密に統合された eBinder は、マルチコア向けソフトウェア開発で重要なマルチプログラミングと、複雑なマルチコアシステムのデバッグや解析を強力にサポートする様々なツールを提供します。eBinder の利用により、高品質なマルチコア向けソフトウェアを効率的に開発できます。

ザイリンクス社 プロセッシング プラットフォーム マーケティング マーク ジェンセン 様のコメント
「特に日本やアジア各国の組込み市場で最も高いシェアをもつ μITRON による Zynq-7000 EPP のサポートは、非常に高いニーズがあります。ARM Cortex-A9 MPCore マルチコアプロセッサのサポート実績をもつイーソルの eT-Kernel Multi-Core Edition が今回 Zynq-7000 EPP に対応したことにより、μITRON と T-Kernel 資産を再利用しながら、ARM Cortex-A9 MPCore マルチコアプロセッサのメリットを引き出したシステム開発が容易になります。さらに、eT-Kernel Multi-Core Edition と緊密に統合された開発ツールが用意されているので、ソフトウェア開発者は、複雑なマルチコアシステム開発を効率的に開発できるようになります。」

イーソル株式会社 常務取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント
「ARM Cortex-A9 MPCore マルチコアプロセッサとザイリンクス社の FPGA を融合した Zynq-7000 EPP は、これまでになかった新しいプラットフォームです。イーソルは、ARM MPCore マルチコアプロセッサが登場した当初よりその特性を引き出すリアルタイムOSを開発した技術と、eT-Kernel Multi-Core Edition をコアとするイーソルのソフトウェアプラットフォームの提供を通じ、Zynq-7000 EPP の高い性能や低消費電力、柔軟性と拡張性を最大限に活用した、リアルタイム性と信頼性の高いマルチコアシステムの開発を強力に支援します。」


<補足資料>

■ eT-Kernel Multi-Core Edition について
eT-Kernel Multi-Core Edition は、マルチコアプロセッサを使う組込みシステムのためのSMP型リアルタイムOSです。独自の 「ブレンドスケジューリング」 技術により、ひとつのシステム内で、SMP型/AMP型が混ざった複数個のプログラムを混在させることができます。これにより開発者は、シングルコアプロセッサ利用時の資産やノウハウをそのまま再利用しながら、マルチコアプロセッサの性能を最大限に生かしたプログラムを開発することができます。「Single Processor Mode(SPM)」 と 「True SMP Mode(TSM)」 をベースとする4つのスケジューリングモードを用意しています。プログラムによって適切なモードを選択することで、高いスループットの実現などのSMP型プログラムのメリットと、リアルタイム性の確実な保証やソフトウェア資産の再利用性といったAMP型プログラムが持つメリットの、両方をひとつのシステム内で実現できます。オプションの 「eT-Kernel Multi-Core Edition Memory Partitioning」 は、マルチコアシステムの信頼性確保のためのシステム保護機能です。信頼性のレベルが異なる複数のシステムをひとつのマルチコアプロセッサに統合する際などに、それぞれをパーティションとして分離することで、予期せぬ挙動などによる相互のメモリ破壊やカーネルのメモリ破壊を防止し、マルチコアシステムの信頼性を確保できます。

「eT-Kernel Multi-Core Edition」 詳細



■ eCROS について
eCROS は、イーソルのコア技術を注入したリアルタイムOSをベースとするソフトウェアプラットフォームです。eCROS により、ソフトウェア共通化によるコスト削減および開発期間短縮と、システムの信頼性確保を支援します。マルチコアプロセッサもサポートする T-Kernel 拡張版 「eT-Kernel」 と μITRON4.0 仕様準拠 「PrKERNELv4」 を中心に、開発ツール 「eBinder」、ネットワーク/ファイルシステム/USB/グラフィックスなどの豊富なミドルウェアに加え、製品サポートや受託開発などを含むプロフェッショナルサービスで構成されています。動作検証があらかじめ済んでいるので、チューニングやカスタマイズなどの必要なく、すぐに動作します。ソフトウェアだけでなく、ニーズに合わせたプロフェッショナルサービスをあわせてご提供することで、開発者がアプリケーション開発に専念できる環境を作ります。eCROS は、カーナビやデジタル家電に加え、航空・宇宙分野、FA機器、OA機器など幅広い分野で多くの採用実績があります。

「eCROS」 詳細



■ イーソル株式会社について
イーソル株式会社は 「Inside Solution」 をブランドスローガンに、1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、および流通・物流業界で実績を重ねて参りました。ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、そしてトータルソリューションを提供しております。弊社は創業直後より30年以上にわたって、高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各種ミドルウェアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品から車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに採用いただいています。さらに、顧客様のシステムに特化した組込みアプリケーション開発やコンサルテーションも創業時より行っており、これら様々な規模のシステム開発実績による技術とノウハウの蓄積を背景としたサービスは、多くの顧客企業様より高いご信頼をいただいております。また、組込み技術の応用市場としての流通・物流業界においても、指定伝票発行用車載プリンタ、耐環境ハンディターミナル、冷凍庫ハンディターミナルなどの製品企画および販売を行い、高い評価をいただいております。

イーソル会社情報へ


 

* eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirect
はイーソル株式会社の登録商標です。
* eCROS、eT-Kernel、PrCONNECT、PrFILE、PrUSB、PrMTP はイーソル株式会社の商標です。
* TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
* ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
* μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
* TRON、ITRON、T-Engine、T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、
特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
* 記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。




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