イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、Windows Media Playerとの接続ができる音楽/動画/静止画ファイル転送プロトコル「PrMTP」とUSBプロトコルスタック「PrUSB」が、セイコーエプソン株式会社(以下エプソン)のUSBコントローラをサポートしたことを発表します。これらを合わせて使うことで、MTP(Media Transfer Protocol)をサポートしたポータブルオーディオ/メディアプレーヤーなどのポータブル機器を、容易に開発することができます。
PrMTPは、ポータブルオーディオ/メディアプレーヤー、携帯電話、デジタルカメラといったポータブル機器とWindows PC間で、音楽/動画/静止画などのさまざまなメディアデータを双方向に転送するためのプロトコルです。MTPは、Windows Media Player 10が利用できるWindows XPおよびそれ以降のWindows OSにて標準でサポートされています。そのためPrMTPを搭載したポータブル機器のユーザは、従来必要であった専用ソフトウェアやドライバをPCにインストールしなくても、Windows Media Playerを代わりに利用することができます。CDからの音楽の取り込みやオンラインストアからのコンテンツの購入、プレイリストの管理、これらのデータのポータブル機器への転送、ポータブル機器内のコンテンツ管理などのさまざまな作業が、使い慣れたWindows Media Playerだけで容易にできます。また、多くのオンラインミュージック/ビデオストアで採用されている「Windows Media DRM 10」を対応するにはMTPが必須ですが、PrMTPを搭載することで「Windows Media DRM 10」を容易に組み込むことができます。PrMTPは、Windows Media Player 10との相互接続性を検証済みで、下位層の通信方法としてUSBをサポートしています。
PrUSBは、USBホスト機能を提供するUSBホスト側スタック「PrUSB/Host」と、USBデバイス機能を提供するUSBデバイス側スタック「PrUSB/Device」の2つのラインアップがあります。どちらもUSB2.0および1.1仕様に準拠しています。
このたびPrMTPとPrUSBが対応したエプソンのUSBコントローラは、HDDとの接続が可能なIDEインタフェースを備えた、USB2.0ホスト/デバイスコントローラ「S1R72V05」とUSB2.0デバイスコントローラ「S1R72V03」です。「S1R72V05」は、最速480Mbps(※理論値)のスピードを実現するハイスピードモードに対応しています。ホストとデバイスの両機能を搭載しているのでPCを介さない機器同士の相互接続ができるほか、110℃までの動作温度に対応しているので車載機器にも最適です。また「S1R72V03」は、「S1R72V05」と同様、最速480Mbps(※理論値)のスピードを実現するハイスピードに対応した、USBデバイスコントローラです。CPU間との高速なデータ転送や低消費電力を実現しています。今後、「S1R72V17」への対応を予定しています。
イーソルは、「S1R72V05」「S1R72V03」をサポートしたPrMTPおよびPrUSBのほか、ファイルシステムやリアルタイムOSをはじめ、MTP対応機器に必要なソフトウェアをパッケージにして提供します。またソフトウェアのライセンス販売に加え、個別のニーズにあわせたカスタマイズや受託開発、製品サポートなど充実したサービスを提供します。このため開発エンジニアは、製品の差別化を図れる上位のアプリケーション開発に安心して注力できます。
セイコーエプソン株式会社 半導体事業部 IC企画設計部 部長 浅田 達夫 様 のコメント 「セイコーエプソンはポータブル機器や車載等の組込み機器向けにUSBコントローラをラインナップしています。最初はPCおよびPC周辺機器へ搭載から始まったUSBですが、近年においては組み込み機器への普及が広がっています。特にポータブルオーディオ、ポータブルメディアプレーヤー、携帯電話等において音楽データ、映像データ等マルチメディアデータの転送手段としてUSBの普及が加速しています。 今回イーソル様のPrMTP、PrUSBがセイコーエプソンのUSBコントローラをサポートしたことにより、USBインタフェースを介したマルチメディアデータの転送が簡単に実現できます。特に今後一気に普及が進むと予想されるMTP機能の搭載が非常に簡単に実現できることの意義は非常に大きいと考えます。」
イーソル株式会社 取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント 「HDDとのインタフェースを備え、ポータブル機器開発に有利な特長を備えたエプソン様のUSBコントローラと、イーソルのPrMTP、PrUSBなどのソフトウェアパッケージをあわせて使うことで、MTPをサポートしたポータブル機器の開発効率を大きく向上できます。MTPはWindows OSにて標準でサポートされているため、MTP対応ポータブル機器とWindows OS搭載PC間の連携が容易にできることが、MTPを採用する最大のメリットです。MTP対応ポータブル機器のユーザは、オンラインストアなどで購入した音楽や動画コンテンツやCDから取り出した音楽データを、Windows Media Playerひとつで、手軽にポータブル機器に取り込むことができます。また、MTP対応ポータブル機器の開発エンジニアは、音楽や動画などデータの取り扱いや機器の設定などを行うための専用ソフトウェアやデバイスドライバを新たに開発する必要がないため、開発コストの削減および開発期間の短縮を実現できます。
■補足資料 イーソル株式会社 について イーソル株式会社は1975年の創業以来、「コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する」、という理念のもと、 組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一 貫したサービス、トータルソリューションを提供します。 イーソルはT-Engineフォーラムの幹事会員として、T-EngineおよびT-Kernel関連の技術開発、サービス提供を強力に進めています。取り扱っている組込みソフトウェア製品には、T-Kernel/μITRONベースシステム開発スイート「eBinder」のほか、T-Kernel の拡張版「eT-Kernel」、μITRON4.0仕様準拠「PrKERNELv4」のリアルタイムOSをはじめとするRTOS/ミドルウェア製品群「eParts」 のラインナップがあります。 2004年1月に米国オレゴン州に子会社 eSOL, Inc. を設立し、日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに 「eBinder」、「eParts」の販売活動を広げています。
* eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectは イーソル株式会社の登録商標です。 * eT-Kernel、PrHTTPD、PrMAIL、PrSNMP、PrUSB、PrPCCARDはイーソル株式会社の商標です。 * Microsoft、Windowsは、米国Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。 * Windowsの正式名称は、Microsoft Windows Operating Systemです。 * TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。 * ITRON は "Industrial TRON" の略称です。 * μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。 * TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、 特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。 *記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。
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