イーソルのTRONベースプラットフォームがルネサス社MPU「RZ/A1H」および「RZ/T1」搭載 スタータキットをサポート
報道関係者各位
イーソルは「組込み総合技術展/Embedded Technology 2017」(会期:2017年11月15日(水)~17日(金)、会場:パシフィコ横浜)のアーム社ブース(ブースNo.C-47)にて、RZ/A1HとRZ/T1を含むRZファミリや、R-Car H3などルネサスの各種CPUに対応したイーソルのリアルタイムOSベースプラットフォームのデモを実演します。
高性能で低消費電力のArm® Cortex®-A9を搭載したRZ/A1Hは、大容量RAMを内蔵することで、メモリアクセスの高速化に加えてシステムコストの低減を実現しています。カメラ入力、グラフィックス出力、オーディオ機能を搭載しているため、監視カメラ、産業/医療用パネル、ディスプレイオーディオなどのグラフィック表示機器に最適です。
RZ/T1は、リアルタイム制御システム用Arm Cortex-R4Fを搭載し、キャッシュを経由しないアクセスが可能な密結合メモリにより、高いリアルタイム性を実現しています。また、産業イーサネット通信用アクセラレータ「R-INエンジン」を搭載しており、厳しいリアルタイム性が求められる産業機器システムにおいて、高いリアルタイム性の確保とネットワーク処理の高速化が容易です。
eT-Kernelベースプラットフォームは、μITRONのアーキテクチャと性能を引き継ぐリアルタイムOS「eT-Kernel」をコアに、Arm純正コンパイラをバンドルした統合開発環境「eBinder」、ネットワークプロトコルスタック、ファイルシステム、USBホスト/デバイススタックなどの各種ミドルウェアに加え、製品サポートや受託開発を含むプロフェッショナルサービスが統合されています。eT-Kernelは、μITRONに似た構成を持つコンパクトでリアルタイム性の高いリアルタイムOS、Linuxとの高い互換性を持つPOSIX仕様準拠リアルタイムOSを含む、3つのスケーラブルなプロファイルで構成されており、システムの規模や用途に合わせて最適なものを選択できます。また、ソフトウェア開発には、eT-Kernelを使ったソフトウェア開発に特化したeBinderを利用することで、高品質なアプリケーションを効率的に開発できます。
eT-Kernelは、機能安全規格 IEC 61508(産業機器)およびISO 26262(自動車)ともに最高の安全度水準(SIL 4、ASIL D)のプロダクト認証を取得しています。また、イーソルのリアルタイムOS製品の開発プロセスは、医療機器向け安全規格IEC 62304に準拠していることが認証されています。RZ/A1HとRZ/T1が対象とする産業機器や車載機器向けのソフトウェア開発において、機能安全規格の適合を目指すユーザを対象に、コストの削減と製品の市場投入期間の短縮に貢献します。
イーソル株式会社 常務取締役 上山 伸幸 のコメント
「eT-KernelベースプラットフォームがRZ/A1HおよびRZ/T1のスタータキットに対応したことにより、産業機器や車載機器、グラフィック表示機器の分野のソフトウェア開発において、高いリアルタイム性と信頼性を持つシステム開発を効率的に行うことが容易になりました。車載機器や産業機器などのミッションクリティカルな分野での豊富な実績や機能安全規格への取り組みの経験を活かし、RZファミリを使ったソフトウェア開発を包括的に支援します。」
■補足資料
eT-Kernelについて
eT-Kernelは、トロンフォーラム配布のT-Kernelに性能面・機能面で改良・拡張を加えたT-Kernelの拡張版です。リアルタイムOSベンダーとしてのイーソルがμITRONで培った技術やノウハウを注ぎ込み、システム起動時間の大幅短縮、高速な割込み応答性、タスク切り替えの高速化、コンフィギュレーションによるメモリフットプリント調整機能、ハードウェア依存部のレイヤー化、モジュール化による移植性の向上などを実現しました。トロンフォーラム配布のT-Kernelとの完全な互換性を保持しています。eT-Kernelには、システム規模と用途にあわせて選択できる、「eT-Kernel Compact」、「eT-Kernel Extended」、「eT-Kernel POSIX」の3つのプロファイルがあります。さらにマルチコアプロセッサに対応した「eT-Kernel MCE(Multi-Core Edition)」があります。
eT-Kernel 詳細
イーソル株式会社について
イーソルは、革新的なコンピュータテクノロジーで豊かなIoT社会を創造する、1975年創業のリーディング企業です。リアルタイムOS技術を核とするソフトウェアプラットフォーム製品とプロフェッショナルサービスは、厳しい品質基準が求められる車載システムを筆頭に、FA、人工衛星、デジタル家電を含むあらゆる分野で、世界中で採用されています。最先端の自社製品の研究・開発や、主要メーカーや大学機関との共同研究に加え、AUTOSAR、マルチ・メニーコア技術の標準化活動を積極的に進めています。
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