イーソルのRTOSベースプラットフォームがArm社純正IPモデル「Arm® Fast Models」をサポート
Arm Fast Modelsは、Arm社が開発・提供する高速で信頼性の高いIPモデルです。インストラクションセットをシミュレーションする各種Arm Cortex®-A、Cortex-R、Cortex-Mコアモデルと、入出力(I/O)デバイスやメモリ、セキュリティ機構「Arm® TrustZone」、割り込みコントローラなどの各種ペリフェラルモデルのラインアップがあります。IP開発元のArm社自らが開発するこれらのモデルは、実デバイスと同じ機能をもつ高い信頼性に加え、新たなIPリリースと同時にモデルを入手できる利点があります。また、Arm Fast Modelsの各種IPモデルを使って実ボードと同等の環境があらかじめ構築されている低価格な「FVP(Fixed Virtual Platform)」を利用することにより、ユーザは、仮想プラットフォームを独自に構築するコストを削減できます。こうしたシミュレーション環境を利用する大きなメリットのひとつとして、実デバイスでは実施が困難なフォールトインジェクションを容易に実装できることが挙げられます。
eBinderは、eMCOSおよびeT-Kernelを使うソフトウェア開発に特化したEclipseベースの統合開発環境です。リアルタイムシステム特有の課題を容易に解決する高機能な開発ツール・機能群を提供します。Eclipseの各種プラグインによる機能拡張が容易です。eBinderの開発プロセスは、ISO 26262およびIEC 61508で規定されている最高レベルの安全要件を満たしていることが認証機関により確認されています。機能安全規格への適合が求められる自動車や産業機器、医療機器などに加えて、高い品質が求められるソフトウェア開発に最適です。
Arm Fast Modelsを使ったシミュレーション環境とeBinderを組み合わせて利用することにより、eMCOSやeT-Kernelを使ったアプリケーション開発を実機レス環境で、低コスト・短期間で行えます。ソフトウェアの先行開発に加え、システムの評価・検証、デモンストレーション構築、機能安全の要件を満たすテストなどの様々な用途で利用できます。さらに、eBinderと連携ができるHitex社製単体テスト自動化ツール「TESSY」と組み合わせることで、実機レスでの自動テストを核とする継続的インテグレーション(Continuous Integration)の実現が容易になります。
イーソルは、イーソル子会社のイーソルトリニティ株式会社(以下イーソルトリニティ)とともに、イーソルのRTOSベースソフトウェアプラットフォームとArm Fast Modelsを利用したソフトウェア開発を包括的に支援します。イーソルトリニティは、Arm Fast Modelsの販売代理店です。Arm Fast Modelsの販売に加え、Armコアおよびシミュレーションに関する豊富な知識と技術を活かし、仮想プラットフォームの構築やモデルのカスタマイズ、新規モデル開発など、組込みソフトウェア開発現場の様々なニーズに応えるエンジニアリングサービスを提供します。さらに、イーソルトリニティは、TESSYなどのテスト自動化ツールを利用した、継続的インテグレーション(Continuous Integration)を起点に継続的インプルーブメント(Continuous Improvement)の実現を支援するイーソルトリニティの「CI導入支援サービス」を提供しています。
イーソルが開催する技術フォーラム「eSOL Technology Forum 2017」(開催日:2017年10月3日、会場:東京コンファレンスセンター・品川)にて、TESSY、eBinder、Arm Fast Modelsを連携させた組込みソフトウェア開発向けテスト自動化ツールチェーンのデモを実演します。
※ Intellectual Property:知的財産
アーム株式会社 代表取締役社長 内海 弦 様のコメント
「組込みシステムで幅広い採用実績があり信頼性の高いeT-KernelおよびeBinderが、Arm Fast Modelsに対応したことを歓迎します。Armコアにいち早く対応してきたイーソルグループが提供するArm Fast Modelsを起点としたエンジニアリングサービスにより、Armコアを使ったソフトウェア開発の効率化とコスト低減を強力にサポートしてくれるものと期待しています。」
イーソル株式会社 常務取締役 上山 伸幸 のコメント
「本格的なIoT時代の到来により、高信頼性ソフトウェアの迅速な開発と、納期短縮および開発コスト削減の達成が求められています。Arm Fast ModelsとeT-KernelおよびeBinderが連携したことで、仮想プラットフォームでの自動テスト環境の構築が容易になり、Armプロセッサを使ったシステムの先行開発や機能安全規格への適合を、高効率・低コストで実現できる環境をご提供します。」
■補足資料
eT-Kernelについて
eT-Kernelは、トロンフォーラム配布のT-Kernelに性能面・機能面で改良・拡張を加えたT-Kernelの拡張版です。リアルタイムOSベンダーとしてのイーソルがμITRONで培った技術やノウハウを注ぎ込み、システム起動時間の大幅短縮、高速な割込み応答性、タスク切り替えの高速化、コンフィギュレーションによるメモリフットプリント調整機能、ハードウェア依存部のレイヤー化、モジュール化による移植性の向上などを実現しました。トロンフォーラム配布のT-Kernelとの完全な互換性を保持しています。eT-Kernelには、システム規模と用途にあわせて選択できる、「eT-Kernel Compact」、「eT-Kernel Extended」、「eT-Kernel POSIX」の3つのプロファイルがあります。さらにマルチコアプロセッサに対応した「eT-Kernel MCE(Multi-Core Edition)」があります。
eT-Kernel詳細
eBinderについて
eBinderは、リアルタイムOSを使ったシステム開発のためにゼロから設計された開発ツール・機能群を提供するEclipseベース開発スイートです。シングルコアからマルチ・メニーコア、マルチCPUまでサポートするスケーラブルリアルタイムOS「eMCOS」および機能安全認証TRONベースリアルタイムOS「eT-Kernel」と緊密に統合化されています。シングルコアプロセッサ上でのデバッグと同じ感覚で、マルチ・メニーコアシステムをデバッグできます。多機能なシステム解析ツールによりリアルタイムシステム特有の問題を容易に解決でき、リアルタイムOSを最大限に活用できます。機能安全規格ISO 26262(自動車)およびIEC 61508(産業機器)で規定されている要件を満たす手順で開発を行っている信頼性の高い開発環境です。
eBinder詳細
イーソル株式会社について
イーソルは、革新的なコンピュータテクノロジーで豊かなIoT社会を創造する、1975年創業のリーディング企業です。リアルタイムOS技術を核とするソフトウェアプラットフォーム製品とプロフェッショナルサービスは、厳しい品質基準が求められる車載システムを筆頭に、FA、人工衛星、デジタル家電を含むあらゆる分野で、世界中で採用されています。最先端の自社製品の研究・開発や、主要メーカーや大学機関との共同研究に加え、AUTOSAR、マルチ・メニーコア技術の標準化活動を積極的に進めています
イーソル会社情報へ
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