プレスリリース

イーソルのリアルタイムOS製品開発プロセスが医療機器向け安全規格「IEC 62304」の認証を取得

~厳しい安全性基準と規制が適用される医療機器開発のコスト低減に貢献~

報道関係者各位 
イーソル株式会社

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川 勝敏、以下イーソル)は、リアルタイムOS製品の開発プロセスが医療機器用ソフトウェアの開発と保守に関する安全規格「IEC 62304:2006 Medical device software-Software life cycle processes」に準拠していることが、国際的な認証機関である独SGS-TÜV Saar GmbHによって認証されたことを発表します。あわせてIEC 62304の要求を満たした開発プロセスで開発されたリアルタイムOS「eT-Kernel」の提供を開始します。これによりイーソルは、高い安全性と信頼性が求められ、国内のほか米国・欧州等において厳格な製造販売認証・申請が必要とされている医療機器開発の期間短縮やコスト低減に貢献します。

IEC 62304は、2006年5月に発効された医療機器ソフトウェアのライフサイクルプロセスのフレームワークを示した国際規格です。医療機器ソフトウェアの安全性向上を目的として、ソフトウェア開発および保守に関する要求事項が規定されています。日本国内では、IEC 62304:2006は「JIS 2304:2012 医療機器ソフトウェア− ソフトウェアライフサイクルプロセス」として制定され、2014年に改正された「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)の要求を満たす規格とされています。また、欧州の医療機器指令(Medical Device Directive; MDD、別名93/42/EEC:欧州連合指令)および体外診断機器指令(In Vitro Diagnostic Devices Directive; IVDD)などで定められた要求事項を満たし、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration; FDA)はIEC 62304を許容可能な規格として受容しています。このように、各国での医療機器の製造・販売において、医療機器ソフトウェアがIEC 62304が要求するプロセスで開発されていることが必要不可欠となっています。

eT-Kernelは、オープンソースのT-Kernel 2.0に性能面・機能面で改良・拡張を加えたリアルタイムOSです。車載機器に加え、産業機器や人工衛星、コンシューマ向け家電など幅広い分野で採用されています。ベーシックなプロファイルである「eT-Kernel Compact」は、国産OSとして初めて、機能安全規格ISO 26262(自動車)およびIEC 61508(産業機器)において、ともに最高の安全度水準(ASIL D、SIL 4)のプロダクト認証を取得しました。高い安全性が求められるシステムを開発するeT-Kernelユーザ向けに、セーフティ・マニュアルやセーフティ・レポートなどのドキュメントをパッケージにした「eT-Kernel Safety Package」を提供しています。また、eT-Kernelと密に統合化されたリアルタイムOSベース開発環境「eBinder」は、ISO 26262/IEC 61508で規定されている要件を満たす手順で開発を行っています。eT-Kernelは、eBinder、各種ミドルウェアおよびプロフェッショナルサービスと統合し、ソフトウェアプラットフォームとして提供されます。


イーソル株式会社 常務取締役 上山 伸幸 のコメント


「イーソルは、ソフトウェア製品およびサービスの品質・信頼性の向上を常に継続しており、ISO9001:2008をベースとし、組込みソフトウェア開発に適した品質管理体制(QMS)を構築して運用しています。このたび、リアルタイムOS関連製品のQMSがIEC 62304の要求を満たしていることが認証されました。医療機器ソフトウェアの要となるリアルタイムOSおよび関連サービスの提供を通じ、各国の厳しい規制や安全性基準の必要条件であるIEC 62304の適合を目指す医療機器開発者を強力に支援していきます。」



■補足資料

eT-Kernelについて

eT-Kernelは、トロンフォーラム配布のT-Kernelに性能面・機能面で改良・拡張を加えたT-Kernelの拡張版です。リアルタイムOSベンダーとしてのイーソルがμITRONで培った技術やノウハウを注ぎ込み、システム起動時間の大幅短縮、高速な割込み応答性、タスク切り替えの高速化、コンフィギュレーションによるメモリフットプリント調整機能、ハードウェア依存部のレイヤー化、モジュール化による移植性の向上などを実現しました。トロンフォーラム配布のT-Kernelとの完全な互換性を保持しています。
eT-Kernelには、システム規模と用途にあわせて選択できる、「eT-Kernel Compact」、「eT-Kernel Extended」、「eT-Kernel POSIX」の3つのプロファイルがあります。さらにマルチコアプロセッサに対応した「eT-Kernel Multi-Core Edition」があります。

eT-Kernel詳細

イーソル株式会社について

イーソル株式会社は「Inside Solution」をブランドスローガンに、1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、および流通・物流業界で実績を重ねて参りました。ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、そしてトータルソリューションを提供しております。弊社は創業直後より40年以上にわたって、高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各種ミドルウェアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品から車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに採用いただいています。日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。さらに、顧客様のシステムに特化した組込みアプリケーション開発やコンサルテーションも創業時より行っており、これら様々な規模のシステム開発実績による技術とノウハウの蓄積を背景としたサービスは、多くの顧客企業様より高いご信頼をいただいております。また、組込み技術の応用市場としての流通・物流業界においても、指定伝票発行用車載プリンタ、耐環境ハンディターミナル、冷凍庫ハンディターミナルなどの製品企画および販売を行い、高い評価をいただいております。

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*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。

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