プレスリリース

リアルタイムOS「eT-Kernel」が次世代ARM® Cortex®-Mファミリ向けARM®v8-Mアーキテクチャをサポート

~新たに追加された「ARM TrustZone®」技術を利用したセキュリティ機能も実現~

報道関係者各位 
イーソル株式会社


イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川 勝敏、以下イーソル)は、TRONアーキテクチャを引き継ぐリアルタイムOS「eT-Kernel」が、ARM® Cortex®-Mファミリ向けの最新ARMv8-Mアーキテクチャをサポートしたことを発表します。今回ARMv8-Mアーキテクチャに新たに実装されたARM TrustZone技術をサポートしています。eT-Kernelを利用することで、次世代ARM Cortex-Mファミリをコアとするマイクロコントローラを利用した、IoTシステムを構成する自動車、産業機器、医療機器などのセキュリティを実現できます。

「組込み総合技術展/Embedded Technology2016(ET2016)」(会期:2016年11月16日(水)~18日(金)、会場:パシフィコ横浜)のアーム社ブース(ブースNo.C-49)およびARM Technology Symposia 2016(日程:2016年12月2日(金)、会場:東京コンファレンスセンター・品川)にて、セキュリティホールを狙ったサイバーアタックをRTOSレベルで防御するデモを行います。マルウェアなどの非認証プログラムの実行を、ARMv8-M TrustZoneを活用してRTOSのAPIコール時に検出し、非認証アプリを強制終了させます。

eT-Kernelは、オープンソースのT-Kernel 2.0に性能面・機能面で改良・拡張を加えたリアルタイムOSです。ARM Cortex-A、Cortex-M、Cortex-Rのすべてのシリーズをサポートしています。μITRONからの移行に最適な「eT-Kernel Compact」、プロセスモデルおよびメモリ保護機能をサポートした「eT-Kernel Extended」、POSIX仕様に本格的に準拠しLinux資産の再利用が容易な「eT-Kernel POSIX」から成る3つのプロファイルから、システム規模と用途にあわせて選択できます。eT-Kernelは、ネットワークプロトコルやファイルシステム、USBスタック、GUIなどの各種ミドルウェア、開発ツール「eBinder」と統合化されています。さらに開発現場のニーズに最適化したプロフェショナルサービスがあわせて提供されます。

今回ARMv8-Mアーキテクチャに対応したのは、優れたリアルタイム性と省メモリが特長のeT-Kernel Compactです。eT-Kernel Compactは、自動車向け ISO 26262 ASIL D、産業機器向け IEC 61508 SIL 4、および医療機器向け ISO 62304適合の第三者認証を受けています。また、車載システム、産業機器や医療機器、各種コンシューマ機器など、2005年の発売以来、幅広い分野で多数の実績を持ちます。機能安全適合が求められるシステムに加え、すぐれたリアルタイム性と信頼性が必要なシステムに最適です。


イーソル株式会社 常務取締役 上山 伸幸 のコメント


「様々なものにつながるIoTシステムでは、自システムを守るセキュリティが重要です。イーソルは、昨年2015年11月に発表されたARMv8-MアーキテクチャをRTOSベンダーとしていち早くサポートし、同アーキテクチャに新たに搭載されたARM TrustZoneを利用したセキュリティ機能を実現しました。実績豊富なeT-Kernelをコアとするソフトウェアプラットフォームの提供を通じ、IoTシステムのセキュリティ確保に加え、TRON資産の移植性、リアルタイム性と信頼性の実現を支援します。」


■補足資料

eT-Kernelについて

eT-Kernelは、トロンフォーラム配布のT-Kernelに性能面・機能面で改良・拡張を加えたT-Kernelの拡張版です。リアルタイムOSベンダーとしてのイーソルがμITRONで培った技術やノウハウを注ぎ込み、システム起動時間の大幅短縮、高速な割込み応答性、タスク切り替えの高速化、コンフィギュレーションによるメモリフットプリント調整機能、ハードウェア依存部のレイヤー化、モジュール化による移植性の向上などを実現しました。トロンフォーラム配布のT-Kernelとの完全な互換性を保持しています。eT-Kernelには、システム規模と用途にあわせて選択できる、「eT-Kernel Compact」、「eT-Kernel Extended」、「eT-Kernel POSIX」の3つのプロファイルがあります。さらにマルチコアプロセッサに対応した「eT-Kernel Multi-Core Edition」があります。

eT-Kernel詳細

イーソル株式会社について

イーソル株式会社は「Inside Solution」をブランドスローガンに、1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、および流通・物流業界で実績を重ねて参りました。ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、そしてトータルソリューションを提供しております。弊社は創業直後より40年以上にわたって、高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各種ミドルウェアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品から車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに採用いただいています。日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。さらに、顧客様のシステムに特化した組込みアプリケーション開発やコンサルテーションも創業時より行っており、これら様々な規模のシステム開発実績による技術とノウハウの蓄積を背景としたサービスは、多くの顧客企業様より高いご信頼をいただいております。また、組込み技術の応用市場としての流通・物流業界においても、指定伝票発行用車載プリンタ、耐環境ハンディターミナル、冷凍庫ハンディターミナルなどの製品企画および販売を行い、高い評価をいただいております。

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