フリースケールの「i.MX 6アプリケーション・プロセッサ」をT-Kernelベースソフトウェアプラットフォーム「eT-Kernel Platform」がサポート
~ シングルからクアッドコアまでのi.MX 6製品ファミリベースのマルチコアシステム開発を強力に支援、優れたリアルタイム性と高い信頼性を備えたマルチメディア機器の開発が容易に ~
報道関係者各位
i.MX 6シリーズ・プロセッサは、ARM(R) Cortex(TM)-A9アーキテクチャをベースとするシングルコア、デュアルコア、クアッドコアのプロセッサ製品ファミリを持つスケーラブルなプロセッサです。車載情報機器をはじめ、ビル・オートメーション、FA・産業機器、医療機器、スマートデバイス機器などの分野で、洗練されたGUIや高度なマルチメディア機能が必要な機器に最適です。
eT-Kernelプラットフォームは、T-Kernel拡張版リアルタイムOS「eT-Kernel」を中心に、開発ツール「eBinder」、ファイルシステム、ネットワークプロトコル、USBホスト/デバイススタックおよびGUIを含む各種ミドルウェア、プロフェッショナルサービスが統合されたソフトウェアプラットフォームです。今回eT-Kernelプラットフォームは、4コアのARM Cortex-A9 MPCore(TM)マルチコアプロセッサが搭載されたi.MX 6Quadをサポートしました。ターゲットボードは、i.MX 6Quad搭載のSABRE Board for Smart Devices (MCIMX6Q-SDB) 評価ボードです。イーソル独自の「ブレンドスケジューリング」技術を実装したeT-Kernel Multi-Core Editionにより、i.MX 6Quadプロセッサ上で対称型マルチプロセッシング(SMP)と非対称型マルチプロセッシング(AMP)を混在した柔軟なシステム設計ができます。さらに、eT-Kernel Multi-Core Editionと緊密に統合されたeBinderが提供する、マルチコア向けソフトウェア開発に有用な豊富なツール・機能を利用することで、高品質なi.MX 6Quadプロセッサ向けソフトウェアを効率的に開発できます。
eT-Kernelプラットフォームは、フリースケールの各種i.MXシリーズ・プロセッサと「Vybrid」コントローラ・ソリューションもサポートしています。このため、これらのプロセッサ上のソフトウェア資産を共通化して再利用できます。またeT-KernelではμITRON、T-Kernel、Linuxの各ソフトウェア資産を容易に再利用できるため、OSの移行もスムーズです。
イーソルは、フリースケールが運営するパートナープログラム「Freescale Connect Partner Program」のProven Partnerです。イーソルは、フリースケールとの連携のもと、ARMアーキテクチャに関する豊富な知識やノウハウと、イーソル独自のリアルタイムOS技術を組み合わせて、i.MX 6シリーズ・プロセッサ向けソフトウェア開発者を強力に支援します。
ケン・オブチェスキー 様 のコメント
eT-Kernel Platformについて
eT-Kernelプラットフォームは、イーソルのコア技術を注入したリアルタイムOSをベースとするソフトウェアプラットフォームです。eT-Kernelプラットフォームにより、ソフトウェア共通化によるコスト削減および開発期間短縮と、システムの信頼性確保を支援します。マルチコアプロセッサもサポートするT-Kernel拡張版「eT-Kernel」とμITRON4.0仕様準拠「PrKERNELv4」を中心に、開発ツール「eBinder」、ネットワーク/ファイルシステム/USB/グラフィックスなどの豊富なミドルウェアに加え、製品サポートや受託開発などを含むプロフェッショナルサービスで構成されています。動作検証があらかじめ済んでいるので、チューニングやカスタマイズなどの必要なく、すぐに動作します。ソフトウェアだけでなく、ニーズに合わせたプロフェッショナルサービスをあわせてご提供することで、開発者がアプリケーション開発に専念できる環境を作ります。eT-Kernelプラットフォームは、カーナビやデジタル家電に加え、航空・宇宙分野、FA機器、OA機器など幅広い分野で多くの採用実績があります。
eT-Kernel Platform詳細
eT-Kernelについて
eT-Kernelは、リアルタイムOSベンダであるイーソルがこれまでµITRONで培ってきたノウハウと技術をもとにして、T-Engineフォーラムが配布するオープンソースのT-Kernelに性能面・機能面で改良・拡張を加えたT-Kernelの拡張版です。システムの高速起動を可能にする「高速ブート」、複数ファイルシステムの透過アクセスを可能にする論理ファイルシステム(LFS)、システム稼動中の問題解析を支援する「例外マネージャ」などの多くの拡張機能を実装しています。マルチコア対応版「eT-Kernel Multi-Core Edition」では、独自のスケジューリング技術「ブレンドスケジューリング」により、ひとつのシステム内でSMP型プログラムとAMP型プログラムを混在させられるほか、システム保護技術「メモリパーティショニング」により、マルチコアシステムの信頼性と品質確保を支援します。eT-Kernelには、さまざまなシステム規模と用途をカバーするスケーラブルな4つのプロファイルがあります。µITRONと近い構成を持つµITRONからの移行に最適な「eT-Kernel/Compact」、メモリ保護機能とプロセスモデルをサポートする大規模開発に最適な「eT-Kernel/Extended」、およびPOSIXに準拠した「eT-Kernel/POSIX」です。それぞれのプロファイル上で構築したソフトウェアを共通化したプロダクトライン型ソフトウェア開発も容易です。eT-Kernel/POSIXは仕様で規定されているほとんどの800個近いPOSIX APIを実装しており、UNIXプログラミングでよく利用されるfork、pthread、シグナルなどの機能も含みます。このため、LinuxなどのUNIX系OSの市販/オープンソースの豊富なソフトウェア資産に加え、国内外のUNIX系エンジニアリソースを容易に活用できます。またeT-Kernel/POSIX上で、T-Kernelベースのアプリケーションも同時に動作させることができます。
eT-Kernel詳細
イーソル株式会社は「Inside Solution」をブランドスローガンに、1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、および流通・物流業界で実績を重ねて参りました。ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、そしてトータルソリューションを提供しております。弊社は創業直後より30年以上にわたって、高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各種ミドルウェアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品から車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに採用いただいています。日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。さらに、顧客様のシステムに特化した組込みアプリケーション開発やコンサルテーションも創業時より行っており、これら様々な規模のシステム開発実績による技術とノウハウの蓄積を背景としたサービスは、多くの顧客企業様より高いご信頼をいただいております。また、組込み技術の応用市場としての流通・物流業界においても、指定伝票発行用車載プリンタ、耐環境ハンディターミナル、冷凍庫ハンディターミナルなどの製品企画および販売を行い、高い評価をいただいております。