プレスリリース

イーソルのリアルタイムOS「eT-Kernel」が、機能安全規格ISO 26262およびIEC 61508の認証を最高レベルで取得


~国産OSとして初のプロダクト認証済みリアルタイムOSプラットフォームとセーフティドキュメントの提供を通じ、車載および産業システムの規格適合にかかる、膨大なコスト低減を支援~


報道関係者各位
イーソル株式会社

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川 勝敏、以下イーソル)は、イーソルのTRONベースリアルタイムOS「eT-Kernel」が、機能安全規格 ISO 26262(自動車)およびIEC 61508(産業機器)ともに最高の安全度水準(ASIL  D、SIL 4)のプロダクト認証を、国産OSとして初めて取得したことを発表します。これにあわせて、認証を受けた
eT-Kernelに加え、セーフティ関連ドキュメントをパッケージにした「eT-Kernel Platform Safety Package」(以下Safety Package)の提供を開始しました。これにより、先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance System)を含む車載システムや、工場ロボットなどの産業機器の規格適合にかかるコストの低減と、製品の市場投入期間の短縮に貢献します。イーソルは今後、eT-KernelのIEC 61508およびIEC 62304(医療機器向けソフトウェア安全規格)のプロセス認証の取得や、開発ツール「eBinder」の認証取得も視野に入れています。

現在の車載および産業分野のソフトウェアにおいて、機能安全は開発の中核をなしています。機能安全の実現には、システムの安全性設計とそれを確実に実現できる開発プロセスの構築と実施をもって、その安全性を説明する必要があります。認証済みeT-KernelとSafety Packageにより、ユーザはOSに関わる安全性の説明作業を省力化でき、本来の製品開発や付加価値向上への注力が容易になります。

認証を受けたeT-Kernelは、専用の開発ツール「eBinder」と各種ミドルウェア、プロフェッショナルサービスで構成されるソフトウェアプラットフォーム「eT-Kernel Platform」として提供されます。eT-Kernelの認証取得により、安全なシステム開発へのeT-Kernel本体の適用性に加え、イーソルの製品開発プロセスの適正が確認されました。eBinderも、eT-Kernel と同様にISO  26262/IEC 61508で規定されている最高レベルの安全要件を満たした開発を行っており、第三者認証機関によるツール認証取得も視野に入れています。

Safety Packageには、eT-Kernelの安全コンセプトやその達成方策と妥当性確認方法、ならびにシステムの安全性への影響を考慮したeT-Kernelの使用方法を記載したセーフティ・マニュアルと、セーフティ・マニュアルに記載されている妥当性確認方法を用いた妥当性確認結果を記載したセーフティ・レポートが含まれます。Safety Packageは、以下のラインアップで提供されます。

  • 自動車向けeT-Kernel Platform Automotive Safety Package(ISO 26262対応)
  • 産業機器向けeT-Kernel Platform Industrial Safety Package(IEC 61508対応)
  • 医療機器向けeT-Kernel Platform Medical Safety Package(IEC 62304対応、2015年 リリース予定)

イーソルはeT-Kernel PlatformとSafety Packageの提供に加え、ユーザのニーズに合わせて、Safety Packageの情報に基づくプロセスやアプリケーション構築を支援します。Safety Packageのドキュメントおよびサポートは英語にも対応しており、海外への展開も容易です。また、IEC 61508/ISO 26262準拠の伊ヨジテック社製ソフトウェア・テスト・ライブラリ「fRSTL」や、AUTOSAR機能安全関連機能を実装した車載ECU開発向けAUTOSARメソドロジ支援ツール「eSOL ECUSAR」(ISO 26262第三者認証予定)成果物のトレーサビリティを確保しソフトウェア開発プロセス構築を支援する機能安全適合にも有用な「eSOL eWeaver(イーウィーバー)」などの、自社製品およびパートナー製品を提供します。さらに、コンサルティングと受託開発を含む機能安全対応支援サービスを提供し、機能安全の導入が求められるソフトウェア開発の現場を包括的に支援し、ユーザのビジネス展開の加速に貢献します。

イーソルは、自社製ソフトウェア製品およびサービスの品質・信頼性のさらなる向上と維持に注力しています。2006年8月には品質マネジメントシステムの国際規格「ISO 9001」の認証を取得し、さらにISO 9001に則したソフトウェア開発と、イーソル独自の品質管理体制(QMS)を構築し、継続しています。


SGS-TÜV Saar GmbH Team Leader of Software Functional Safety, Gudrun Neumann 様のコメント
「システムが複雑化する中、車載機器やFA・産業機器など、特にセーフティ・クリティカルなシステムにおける機能安全対応がグローバル規模で求められています。弊社は世界的な実績を持つ認証機関であるSGSグループの一員として、イーソルのeT-KernelがISO 26262 ASIL DおよびIEC 61508 SIL 4の安全度水準を満たしていることを証明します。イーソルの機能安全ソリューションにより効率的に開発された安全なシステムが、国内外の市場に多く流通することを期待しています。」

イーソル株式会社 執行役員 エンベデッドプロダクツ事業部長 上倉 洋明 のコメント
「eT-Kernelは、車載分野やFA・産業機器向けシステムをはじめ多彩な採用実績が実証する高い信頼性が特長のリアルタイムOSです。今回のSGS-TÜV Saarによる検証の結果、セーフティ・クリティカルなシステムへのeT-Kernelの適用性が客観的に証明されました。イーソルは、自社製品の機能安全対応の実績から獲得した豊富な知見と経験、ノウハウを活用し、eT-Kernelをはじめとする製品とサービスを最適に組み合わせたソリューションの提供を通じ、ユーザの機能安全規格への適合を強力にサポートしてまいります。」


■補足資料

eT-Kernel Platformについて

eT-Kernelプラットフォームは、イーソルのコア技術を注入したリアルタイムOSをベースとするソフトウェアプラットフォームです。eT-Kernelプラットフォームにより、ソフトウェア共通化によるコスト削減および開発期間短縮と、システムの信頼性確保を支援します。マルチコアプロセッサもサポートするT-Kernel拡張版「eT-Kernel」とμITRON4.0仕様準拠「PrKERNELv4」を中心に、開発ツール「eBinder」、ネットワーク/ファイルシステム/USB/グラフィックスなどの豊富なミドルウェアに加え、製品サポートや受託開発などを含むプロフェッショナルサービスで構成されています。動作検証があらかじめ済んでいるので、チューニングやカスタマイズなどの必要なく、すぐに動作します。ソフトウェアだけでなく、ニーズに合わせたプロフェッショナルサービスをあわせてご提供することで、開発者がアプリケーション開発に専念できる環境を作ります。eT-Kernelプラットフォームは、カーナビやデジタル家電に加え、航空・宇宙分野、FA機器、OA機器など幅広い分野で多くの採用実績があります。

eT-Kernel Platform詳細


イーソル株式会社について

イーソル株式会社は「Inside Solution」をブランドスローガンに、1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、および流通・物流業界で実績を重ねて参りました。ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、そしてトータルソリューションを提供しております。弊社は創業直後より30年以上にわたって、高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各種ミドルウェアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品から車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに採用いただいています。日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。さらに、顧客様のシステムに特化した組込みアプリケーション開発やコンサルテーションも創業時より行っており、これら様々な規模のシステム開発実績による技術とノウハウの蓄積を背景としたサービスは、多くの顧客企業様より高いご信頼をいただいております。また、組込み技術の応用市場としての流通・物流業界においても、指定伝票発行用車載プリンタ、耐環境ハンディターミナル、冷凍庫ハンディターミナルなどの製品企画および販売を行い、高い評価をいただいております。
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