2010年12月8日
イーソル株式会社

イーソル、T-Kernel の新バージョン 「T-Kernel 2.0」 のサポートを発表


イーソル株式会社 (本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田 勉、以下イーソル) は、T-Engine フォーラムより 2011年春に公開予定の T-Kernel の新バージョン 「T-Kernel 2.0」 をサポートすることを発表します。従来の T-Kernel は、ITRON から引き継がれた高いリアルタイム性能と、高度な情報処理機能の両立が可能な優れたオープンなリアルタイムOS として、多くの組込み機器に採用されてきましたが、公開より8年が経過し、昨今のハードウェアの進化に伴う OS の動作環境の変化に合わせて、バージョンアップした
T-Kernel 2.0 の開発が進められています。イーソルは、T-Kernel 2.0 がリリースされ次第、イーソルが
T-Kernel を拡張・改良した 「eT-Kernel」 に、T-Kernel 2.0 が持つ最新機能を採り入れていきます。さらに、
T-Engine プロジェクトの第2ステージ 「T2」 の主要コンセプトの一つである、T-Kernel、ミドルウェア、デバイスドライバ、開発環境までをパッケージ化して提供するワンストップサービスを強力に推進すべく、先日発表した「すぐに使える」ソフトウェアプラットフォーム 「eT-Kernel SDK」 を商用版パッケージとして展開していきます。

イーソルは、2002年の設立時より幹事会員として T-Engine フォーラムに参加し、以来積極的に活動しています。T-Kernel 2.0 ワーキンググループでは幹事メンバーとして、他のメンバーの協力のもと、T-Kernel 2.0 の仕様策定と開発をリードしてきました。OS ベンダーとしてのイーソル独自の技術とノウハウを注入した 「eT-Kernel」 の開発で得た知見やノウハウ、組込みシステム開発現場の動向やニーズのフィードバックなども行っています。

eT-Kernel は、拡張性の高い T-Kernel のアーキテクチャを利用して性能面・機能面で拡張・改良を加えた、高い信頼性を持つ T-Kernel 拡張版です。カーナビ、人工衛星、デジタルコンシューマ機器を始めとする多数の採用実績があります。システムの高速起動を可能にする 「高速ブート」、複数ファイルシステムの透過アクセスを可能にする論理ファイルシステム (LFS)、システム稼動中の問題解析を支援する 「例外マネージャ」 などの多くの拡張機能を実装しています。マルチコア対応版 「eT-Kernel Multi-Core Edition」 では、独自のスケジューリング技術 「ブレンドスケジューリング」 により、ひとつのシステム内で SMP 型プログラムと AMP 型プログラムを混在させられるほか、システム保護技術 「メモリパーティショニング」 により、マルチコアシステムの信頼性と品質確保を支援します。eT-Kernel には、高機能・高性能システムに適した POSIX 仕様準拠 「eT-Kernel/POSIX」 とメモリ保護/プロセスモデル対応 「eT-Kernel/Extended」 をはじめ、さまざまなシステム規模と用途をカバーするスケーラブルな4つのプロファイルがあります。
eT-Kernel/POSIX では、Linux との高い互換性により、Linux の豊富なソフトウェア資産とエンジニアリソースを活用できます。eT-Kernel/POSIX 上で、T-Kernel ベースのアプリケーションも同時に動作させられます。

eT-Kernel をコアとする eT-Kernel SDK は、開発環境の立ち上げにかかる時間とコストの課題を解決し、
T-Kernel 導入の容易化を促進します。グラフィクス、サウンド、ネットワーク、ファイルシステムをはじめとする様々な機能が各種オープン仕様を活用して統合化され、Windows(R) や Linux などの情報系 OS と同等の機能を実現しています。特にグラフィクス系ミドルウェアが充実しており、ノキア社製 UI アプリケーションフレームワーク Qt、Adobe(R) Flash(R) Lite(TM)、Open GL/ES、Open VG グラフィックドライバが含まれます。eT-Kernel SDK 評価パッケージのランタイム側は、機能と性能が最適化された OS ブートイメージの形で提供されるため、手間のかかるコンフィギュレーションとビルド作業を省き、即座にアプリケーション開発に取り掛かれます。eT-Kernel SDK には、eT-Kernel と各種ミドルウェアに加え、開発ツール 「eBinder」 が含まれます。

イーソル株式会社 常務取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント
「T-Kernel 2.0 は、さらなるインテリジェント化、大規模化が進む組込みシステム開発現場の要請に合致したリアルタイム OS です。イーソルは、独自の eT-Kernel および eT-Kernel SDK で、T-Kernel 2.0 の普及と次代 T-Engine プロジェクト 「T2」 を推進し、高品質、高い信頼性を持つ組込みソフトウェア開発を強力に支援していきます。」

▽ eT-Kernel 詳細 : http://www.esol.co.jp/embedded/et-kernel.html
▽ eT-Kernel SDK 詳細 : http://www.esol.co.jp/embedded/et-kernel_sdk.html



<補足資料>

■ eT-Kernel について
eT-Kernel は、リアルタイム OS ベンダーであるイーソルがこれまで μITRON で培ってきたノウハウと技術をもとにして、T-Engine フォーラムが配布するオープンソースの T-Kernel に性能面・機能面で改良・拡張を加えた T-Kernel の拡張版です。システムの高速起動を可能にする 「高速ブート」、複数ファイルシステムの透過アクセスを可能にする論理ファイルシステム (LFS)、システム稼動中の問題解析を支援する 「例外マネージャ」 などの多くの拡張機能を実装しています。マルチコア対応版 「eT-Kernel Multi-Core Edition」 では、独自のスケジューリング技術 「ブレンドスケジューリング」 により、ひとつのシステム内で SMP 型プログラムと AMP 型プログラムを混在させられるほか、システム保護技術 「メモリパーティショニング」 により、マルチコアシステムの信頼性と品質確保を支援します。eT-Kernel には、さまざまなシステム規模と用途をカバーするスケーラブルな4つのプロファイルがあります。μITRON と近い構成を持つ μITRON からの移行に最適な 「eT-Kernel/Compact」、eT-Kernel/Compact をベースに T-Engine 標準のデバイスドライバが付属した 「eT-Kernel/Standard」、メモリ保護機能とプロセスモデルをサポートする大規模開発に最適な
eT-Kernel/Extended」、およびPOSIXに準拠した 「eT-Kernel/POSIX」 です。それぞれのプロファイル上で構築したソフトウェアを共通化したプロダクトライン型ソフトウェア開発も容易です。eT-Kernel/POSIX は仕様で規定されているほとんどの800個近い POSIX API を実装しており、UNIX プログラミングでよく利用される fork、pthread、シグナルなどの機能も含みます。このため、Linux などの UNIX 系 OS の市販/オープンソースの豊富なソフトウェア資産に加え、国内外の UNIX 系エンジニアリソースを容易に活用できます。また eT-Kernel/POSIX 上で、T-Kernel ベースのアプリケーションも同時に動作させることができます。

「eT-Kernel」 詳細



■ イーソル株式会社について
イーソル株式会社は 「Inside Solution」 をブランドスローガンに、1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、および流通・物流業界で実績を重ねて参りました。ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、そしてトータルソリューションを提供しております。弊社は創業直後より30年以上にわたって、高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各種ミドルウェアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品から車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに採用いただいています。さらに、顧客様のシステムに特化した組込みアプリケーション開発やコンサルテーションも創業時より行っており、これら様々な規模のシステム開発実績による技術とノウハウの蓄積を背景としたサービスは、多くの顧客企業様より高いご信頼をいただいております。また、組込み技術の応用市場としての流通・物流業界においても、指定伝票発行用車載プリンタ、耐環境ハンディターミナル、冷凍庫ハンディターミナルなどの製品企画および販売を行い、高い評価をいただいております。

イーソル会社情報へ


* eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirect は
イーソル株式会社の登録商標です。
* eCROS、eT-Kernel、PrUSB はイーソル株式会社の商標です。
* TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
* ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
* μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
* TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、
特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
* 記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。




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