2010年2月9日
イーソル株式会社

クラリオンが開発したスズキ車向けモニター付きCDプレーヤーにイーソルのソフトウェアプラットフォーム「eCROS(イークロス)」が採用


~ソフトウェア開発の効率化と品質向上に寄与~

モニター付きCDプレーヤー

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、クラリオン株式会社(以下、クラリオン)が開発したモニター付きCDプレーヤーに、イーソルのソフトウェアプラットフォーム「eCROS」が採用されたことを発表します。このモニター付きCDプレーヤーは、スズキ株式会社(以下、スズキ)にOEM供給されており、メーカーオプションとして標準装着されている「パレット」に加えて、「ワゴンR」、「ラパン」、「エブリイ」、新型「アルト」の4車種にもディーラーオプションとして設定されています。イーソルは、リアルタイムOS、開発ツールをはじめとする統合されたソフトウェアプラットフォームを提供することにより、モニター付きCDプレーヤーのソフトウェア開発の効率化と品質の向上に寄与しました。

クラリオンが開発したモニター付きCDプレーヤーは、2DINサイズのCDプレーヤーに4.3インチTFT液晶ディスプレイを搭載しているのが大きな特長です。リアビューカメラやサイドビューカメラなどの車載カメラで撮影した映像を表示し、より安全な運転をサポートします。これまで車載カメラの映像表示にはカーナビゲーションのディスプレイを使うのが一般的でしたが、このモニター付きCDプレーヤーにより、カーナビ装着率の低いエコカーや小型車などでも、低コストで車載カメラを搭載できるようになります。

今回採用されたeCROS製品は、μITRON4.0仕様準拠リアルタイムOS「PrKERNELv4」と開発ツール「eBinder」です。PrKERNELv4は、タスク管理やメモリ管理、リアルタイム処理など、システム全体を管理するベースとなる機能を提供しています。PrKERNELv4の優れたリアルタイム性能と信頼性は、安定したシステム動作とスムーズで快適なシステム操作環境の実現に貢献しています。さらにリアルタイムOSを使うソフトウェア開発に特化したeBinderが提供する機能やツール群により、より高品質なソフトウェアをより効率的に開発することを可能にしました。

eCROSは、T-KernelまたはITRONから選択できるリアルタイムOS、開発ツール、各種ミドルウェア、プロフェッショナルサービスの4つの要素から構成される、統合化されたソフトウェアプラットフォームです。個々のソフトウェアのインテグレーションや動作検証があらかじめ済んでいるため、プラットフォーム構築に時間をかけずに、アプリケーション開発に集中することができます。さらにポーティングやカスタマイズ、受託開発を含むプロフェッショナルサービスを利用することで、ソフトウェアプラットフォームの構築やチューニングの作業を省略できます。

▼スズキ株式会社ウェブサイト: http://www.suzuki.co.jp/
▼クラリオン株式会社ウェブサイト: http://www.clarion.com/jp/ja/top.html
▼イーソル製品ユーザ様事例: http://www.esol.co.jp/embedded/successstory.html


イーソル株式会社 常務取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント
「クラリオン様が開発されたスズキ様各車種向けのモニター付きCDプレーヤーにeCROSを採用して頂いたことは、私たちのさらなる自信になりました。eCROSが、より高品質で信頼性の高いシステムの効率的な開発に大きく貢献できることが証明できたのではないかと考えています。今後も引き続き優れたソフトウェア製品とサービスをご提供し、カーオーディオ、カーナビなどの車載機器をはじめとするすべての組込みソフトウェア開発をご支援していきます。」

補足資料

■eCROSについて
eCROSは、イーソルのコア技術を注入したリアルタイムOSをベースとするソフトウェアプラットフォームです。eCROSにより、ソフトウェア共通化によるコスト削減および開発期間短縮と、システムの信頼性確保を支援します。マルチコアプロセッサもサポートするT-Kernel拡張版「eT-Kernel」とμITRON4.0仕様準拠「PrKERNELv4」を中心に、開発ツール「eBinder」、ネットワーク/ファイルシステム/USB/グラフィックスなどの豊富なミドルウェアに加え、製品サポートや受託開発などを含むプロフェッショナルサービスで構成されています。動作検証があらかじめ済んでいるので、チューニングやカスタマイズなどの必要なく、すぐに動作します。ソフトウェアだけでなく、ニーズに合わせたプロフェッショナルサービスをあわせてご提供することで、開発者がアプリケーション開発に専念できる環境を作ります。eCROSは、カーナビやデジタル家電に加え、航空・宇宙分野、FA機器、OA機器など幅広い分野で多くの採用実績があります。

「eCROS」詳細



■PrKERNELv4について
PrKERNELv4は、1999年のリリース以来、携帯電話やデジタルカメラなどのデジタル家電、カーナビゲーションシステム、プリンタからFA機器までの幅広い分野で多くの実績を持つ、代表的なμITRON仕様のリアルタイムOSです。μITRON4.0スタンダードプロファイルに完全準拠しているほか、さまざまな拡張機能やPrKERNELv4独自の拡張機能を実装しています。カーネル共通部分はMISRA-Cに準拠しています。各種組込みシステムに最適なプログラムサイズで、優れたリアルタイム性能を実現します。

「PrKERNELv4」詳細



■eBinderについて
eBinderは、T-Kernel、μITRONをコアとするシステム向けの開発スイートです。従来のT-Kernel/μITRONソフトウェア開発に不足していた、優れた開発環境を提供します。リアルタイムOSを使ったシステム開発のためにゼロから設計された開発ツール・機能群を使うことで、リアルタイムシステム特有の問題を容易に解決でき、リアルタイムOSを最大限に活用できます。eBinderには、システムのコンフィギュレーション、ビルド、デバッグから検証までの一連のソフトウェア開発工程カバーする、C/C++コンパイラを含む開発ツール群が含まれます。

「eBinder」詳細



■イーソル株式会社について
イーソル株式会社は「Inside Solution」をブランドスローガンに、1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、および流通・物流業界で実績を重ねて参りました。ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、そしてトータルソリューションを提供しております。弊社は創業直後より30年以上にわたって、高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各種ミドルウェアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品から車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに採用いただいています。日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。さらに、顧客様のシステムに特化した組込みアプリケーション開発やコンサルテーションも創業時より行っており、これら様々な規模のシステム開発実績による技術とノウハウの蓄積を背景としたサービスは、多くの顧客企業様より高いご信頼をいただいております。また、組込み技術の応用市場としての流通・物流業界においても、指定伝票発行用車載プリンタ、耐環境ハンディターミナル、冷凍庫ハンディターミナルなどの製品企画および販売を行い、高い評価をいただいております。

イーソル会社情報へ





*eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectは
イーソル株式会社の登録商標です。
*eCROS、eT-Kernel、PrHTTPD、PrMAIL、PrSNMP、PrUSB、PrPCCARD、PrMTP
イーソル株式会社の商標です。
*TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、
特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。


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