2009年8月6日
報道関係者各位
イーソル株式会社

組込みシステム向けexFATファイルシステム「PrFILE2/exFAT」をリリース


~Memory Stick XCシリーズやSDXCメモリカードなどの大容量メディアのサポートが可能に~

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田 勉、以下イーソル)は、組込みシステム向けexFATファイルシステム「PrFILE2/exFAT」を開発し、リリースしたことを発表します。PrFILE2/exFATを採用することで、大容量メディアに格納された動画や音楽、写真をはじめとする大容量ファイルを、高速に取り扱うことができます。携帯音楽/メディアプレーヤー、デジタルカメラ/ビデオプレーヤー、ハイビジョンデジタルテレビ、フォトプリンタ、フォトフレーム、監視カメラなどの高画質、高音質の大容量データを使うシステムに最適です。

exFATは、マイクロソフト社が開発したファイルシステムの仕様で、フラッシュメモリカードやUSBメモリ、外付ハードディスクなど、32ギガバイトを超える大容量メディアに最適化されています。従来のFAT32ファイルシステムでは取り扱えなかった、4ギガバイトを超えるファイルを操作できます。また、メディアの使用状況を示すビットマップイメージを保持することにより、メディアの空きスペースの検索やファイルの削除が高速に行えます。さらにexFATでは、ファイル名の文字コードがUnicodeで統一されているため、国や地域の言語別に異なる文字コードの違いを意識する必要がありません。exFATは徐々に採用が進んでおり、サンディスク株式会社およびソニー株式会社が共同で仕様を策定した大容量向けメモリースティック「Memory Stick XC」シリーズや、SDアソシエーションが仕様を策定した次世代SDメモリカード「SDXCメモリカード」に標準ファイルシステムとして採用されています。また、デスクトップPC向けでは、WindowsR XP、WindowsR Vistaに採用されています。

組込みシステム向けexFATファイルシステム「PrFILE2/exFAT」は、イーソルのFATファイルシステム「PrFILE2」をベースとして開発されました。PrFILE2へのアドオンの形式ではなく、exFATファイルシステムとして機能や性能が最適化されているので、小さいメモリフットプリントと、大容量ファイルの高速操作が特長です。またPrFILE2の特長をそのまま引き継ぎ、ファイルポインタの高速な後方シーク機能、電源断やメディアの抜去によるファイルシステムの破壊を最小限に抑える機能など、デジタルメディア機器に有用な機能と特長を備えています。PrFILE2/exFATは、exFATファイルシステムとしてだけではなく、対象のメディアのFAT形式にあわせてFAT12/16/32ファイルシステムとしても機能します。たとえばFAT32でフォーマットされているメディアであれば、FAT32ファイルシステムとして動作します。FAT12/16/32ファイルシステムとして動作する場合も、PrFILE2/exFATではアプリケーションからファイル名をUnicodeで指定できます。

PrFILE2/exFATは、イーソルのソフトウェアプラットフォーム「eCROS」に統合化されています。eCROSは、T-Kernel/μITRONベースのリアルタイムOS、開発ツール、USBスタックやネットワークプロトコル、GUIなどの各種ミドルウェア、プロフェッショナルサービスから構成されています。eCROSを活用することで、ソフトウェアプラットフォーム構築の手間を省き、exFATに対応した大容量デジタルメディア機器を短期間、低コストで開発できます。またeCROSは、これまでにさまざまなデジタルメディア機器で採用実績があります。これらの実績もとに得た経験とノウハウを反映したeCROSを採用することにより、高品質を実現できます。

イーソルは、Memory Stick XCやSDXCメモリカードの普及に合わせて、対応ドライバを開発する予定です。

▼PrFILE2/exFAT紹介ページ: http://www.esol.co.jp/embedded/prfile2-exfat.html


イーソル株式会社 常務取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント
「メディアの大容量化が進み、さまざまなメディア機器で、高解像度、高音質のメディアデータを取り扱えるようになってきましたが、従来のFAT32ファイルシステムでは、こうした大容量データを扱うのに効率が悪く、データ容量の制限もありました。PrFILE2/exFATは、こうした問題を解決します。イーソルは、PrFILE2/exFATが統合化されたソフトウェアプラットフォームeCROSで、Memory Stick XCやSDXCメモリカードをはじめとする大容量メディアをサポートするメディア機器の開発を、包括的に支援していきます。」


補足資料

■PrFILE2について
PrFILE2は、FAT12/16/32、VFATをサポートしたFATファイルシステムです。ファイルポインタの高速な後方シーク機能や、電源断やメディアの抜去によるファイルシステムの破壊を最小限に抑える機能など、デジタル家電製品に必須の機能が多く搭載されています。さらに、多言語対応や、文字コードの動的変更機能、UNICODE対応オプションなど、海外市場向け製品に必要な機能をサポートしています。PrFILE2は、コンパクトフラッシュ、SDカード、Memory Stick、NANDフラッシュメモリを始め、豊富なメディアドライバを取り揃えています。

「PrFILE2」詳細



■イーソル株式会社と「eCROS」について
  イーソル株式会社は1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。イーソルは、「Inside Solution」をブランドスローガンに、ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
  エンベデッドプロダクツ事業部は、組込みシステム開発向けに、「開発環境」、 「リアルタイムOS」、「ミドルウェア」、そして「プロフェッショナルサービス」までを含むソフトウェアプラットフォーム『eCROS』(eSOL Component Real-time OS platform/イークロス)をご提供しています。多くの実績に裏打ちされた高い信頼性を持つeCROSの導入により、「高い品質」と「開発の効率化」の両立を実現します。ソフトウェア製品のご提供だけでなく、ニーズに合わせたプロフェッショナルサービスをあわせてご提供することで、開発者の皆様がアプリケーション開発に専念できる環境を作ります。eCROSを構成するリアルタイムOSには、システムの規模と用途にあわせた4つのプロファイルを持つT-Kernel拡張版「eT-Kernel」と、組込み分野で多くの実績があるμITRON4.0仕様に準拠したリアルタイムOS「PrKERNELv4」を揃えています。開発環境としては、T-Kernel/μITRONベースシステム開発スイート「eBinder」を用意しています。またミドルウェアには、ネットワーク/ファイルシステム/USB/グラフィックスなどの幅広いラインアップを揃えています。
  日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。



*Windows は米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標です。
*eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectは
イーソル株式会社の登録商標です。
*eCROS、eT-Kernel、PrUSBはイーソル株式会社の商標です。
*TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、
特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。