2008年6月11日
報道関係者各位
イーソル株式会社

カシオ計算機の次世代ハイスピードデジタルカメラ「EXILIMR PRO EX-F1」のソフトウェア開発にイーソルのソフトウェアプラットフォーム「eCROS」を採用


イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、ほかにはない優れた高速連写機能で話題を集めているカシオ計算機株式会社(以下、カシオ)のデジタルカメラ「EXILIM PRO EX-F1」に、イーソルのソフトウェアプラットフォーム「eCROS」が採用されたことを発表します。カシオが採用したeCROSには、μITRON4.0仕様準拠リアルタイムOS「PrKERNELv4」、USBデバイス側スタック「PrUSB/Device」、およびμITRONベースシステム開発スイート「eBinder」が含まれます。

PrKERNELv4はこれまで、その信頼性と性能が評価され、カシオのデジタルカメラ『EXILIM ZOOM EX-Z1200』、『EXILIM Hi-ZOOM EX-V7』、『EXILIM ZOOM EX-Z1050』、『EXILIM CARD EX-S10』、『EXILIM ZOOM EX-Z80』をはじめとする歴代のEXILIMシリーズに採用されてきました。EXILIM PRO EX-F1ではPrKERNELv4に加えて、μITRONベースのソフトウェア開発に特化しさらなる開発効率と品質の向上を可能にするeBinderと、プリンタやPCをはじめとするUSBホスト機器との接続機能の一部を担うPrUSB/Deviceが新たに採用されました。

EXILIM PRO EX-F1は、60枚/秒という世界最速の連写性能(※)が特長の、ハイアマチュアやプロのカメラユーザーをターゲットにしたハイスピードデジタルカメラです。高速連写により決定的な瞬間を撮影できるので、思い通りのシャッターチャンスを捉えられるこれまでにないカメラ体験を提供しています。さらに、肉眼では見えない動きを撮影できる最大1200fpsのハイスピードムービーとフルハイビジョンムービーの撮影もできます。有効画素数600万画素、CMOSシフト方式手ぶれ補正付きの光学12倍モデルです。

eCROSは、μITRONとT-Kernelの2種類から選択できるリアルタイムOS、開発環境、各種ミドルウェア、プロフェッショナルサービスから構成されているソフトウェアプラットフォームです。開発対象の仕様に応じて、リアルタイムOSを中心に、必要なソフトウェアやサービスを選択してオリジナルのプラットフォームを構築できます。統合化されているので、ソフトウェア同士の動作確認やチューニングにかかる手間を省き、アプリケーション開発に集中できます。eCROSは、デジタル家電や車載機器をはじめとする様々な分野、様々な機種で採用実績を持ち、その信頼性、性能や機能に定評があります。

※2008年6月現在。カシオ調べ。

▽カシオ デジタルカメラ オフィシャルWEBサイト: http://dc.casio.jp/
▽イーソル製品ユーザ様事例: http://www.esol.co.jp/embedded/successstory.html

EXILIM PRO EX-F1
EXILIM_PRO_EX-F1


カシオ計算機株式会社 開発本部 QV統轄部 第一開発部 第10開発室 室長 細田 潤 様 
のコメント

「eCROSにはPrKERNELv4やPrUSB/Deviceなど、開発の初期段階で必要な環境が統合化されているので、スタートから順調に開発を進めることができました。eBinderには、様々なツールや機能が搭載されており、特にタスクレベルデバッグによって開発効率が飛躍的に向上しました。」


イーソル株式会社 常務取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント
「製品シリーズを通してずっと弊社のリアルタイムOSを使い続けて頂けることは、OSベンダーとして大変嬉しいことです。さらに今回はeBinderとPrUSB/Deviceを採用していいただき、統合化されたeCROSとしてのメリットをご提供できたのではないかと思います。今後も開発者の皆様に継続して長く使っていただけるように、信頼性や機能・性能に優れた製品開発、サービス提供にさらに努めていきます。」


補足資料

■PrKERNELv4について
PrKERNELv4は、1999年のリリース以来、携帯電話やデジタルカメラなどのデジタル家電、カーナビゲーションシステム、プリンタからFA機器までの幅広い分野で多くの実績を持つ、代表的なμITRON仕様のリアルタイムOSです。μITRON4.0スタンダードプロファイルに完全準拠しているほか、さまざまな拡張機能やPrKERNELv4独自の拡張機能を実装しています。カーネル共通部分はMISRA-Cに準拠しています。各種組込みシステムに最適なプログラムサイズで、優れたリアルタイム性能を実現します。

「PrKERNELv4」詳細


■PrUSB/Deviceについて
PrUSB/Deviceは、USB1.1および2.0(Full Speed/High Speed)仕様に準拠した組込みシステム向けUSBデバイス側スタックです。PrUSB/Deviceを組み込むことで、PCやプリンタなどのUSBホスト機器と接続できるようになります。デジタルカメラをはじめとするデジタル家電に多くの採用実績があります。

「PrUSB/Device」詳細


■eBinderについて
eBinderは、T-Kernel、μITRONをコアとするシステム向けの開発スイートです。従来のT-Kernel/μITRONソフトウェア開発に不足していた、優れた開発環境を提供します。リアルタイムOSを使ったシステム開発のためにゼロから設計された開発ツール・機能群を使うことで、リアルタイムシステム特有の問題を容易に解決でき、リアルタイムOSを最大限に活用できます。eBinderは、C/C++コンパイラを含む各種開発ツール群と、あらゆる組込みソフトウェアのベースとなるターゲットプラットフォームを構成するモジュール群があわせて提供されます。

「eBinder」詳細


■イーソル株式会社と「eCROS」について
イーソル株式会社は1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。イーソルは、「Inside Solution」をブランドスローガンに、ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
エンベデッドプロダクツ事業部は、組込みシステム開発向けに、「開発環境」、 「リアルタイムOS」、「ミドルウェア」、そして「プロフェッショナルサービス」までを含むソフトウェアプラットフォーム『eCROS』(eSOL Component Real-time OS platform/イークロス)をご提供しています。多くの実績に裏打ちされた高い信頼性を持つeCROSの導入により、「高い品質」と「開発の効率化」の両立を実現します。ソフトウェア製品のご提供だけでなく、ニーズに合わせたプロフェッショナルサービスをあわせてご提供することで、開発者の皆様がアプリケーション開発に専念できる環境を作ります。eCROSを構成するリアルタイムOSには、システムの規模と用途にあわせた4つのプロファイルを持つT-Kernel拡張版「eT-Kernel」と、組込み分野で多くの実績があるμITRON4.0仕様に準拠したリアルタイムOS「PrKERNELv4」を揃えています。開発環境としては、T-Kernel/μITRONベースシステム開発スイート「eBinder」を用意しています。またミドルウェアには、ネットワーク/ファイルシステム/USB/グラフィックスなどの幅広いラインアップを揃えています。
2004年1月に米国オレゴン州に子会社 eSOL, Inc. を設立し、日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。



*EXILIMはカシオ計算機株式会社の登録商標です。
*eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectは
イーソル株式会社の登録商標です。
*eT-Kernel、PrHTTPD、PrMAIL、PrSNMP、PrUSB、PrPCCARD、PrMTPは
イーソル株式会社の商標です。
*TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、
特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。