2008年5月13日
報道関係者各位
イーソル株式会社

イーソルのμITRONが、ファラデーのARMRアーキテクチャ準拠CPUをサポート


イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田 勉、以下イーソル)は、μITRON4.0準拠リアルタイムOS「PrKERNELv4」とμITRONベースシステム開発スイート「eBinder」を核とするイーソルのソフトウェアプラットフォーム「eCROS(イークロス)」が、ファラデー・テクノロジー社(以下ファラデー)のARMv4™命令セットアーキテクチャ準拠CPU「FA526」をサポートしたことを発表します。

台湾に本社を置くファラデーは、アジア地域で最大級のASICとシリコンIPのファブレスベンダーで、ARM命令セットアーキテクチャ(ISA)の数少ないライセンシーの一社です。FA526は、英アーム社による正式な認定を受けたARMv4 ISA(注)準拠32ビットRISC型CPUです。0.13μmプロセスで製造し、最低限のハードウェアスペースと消費電力で実装された場合、300MHz以上の性能を実現できます。ネットワーク機器、PC周辺機器、マルチメディア機器などに最適です。FA526を選択することで、ファラデーが持つ多種類のシリコンIPをニーズにあわせて柔軟に組み合わせ、ユーザ独自のASICを安価に短期間で作り上げられるのが大きなメリットのひとつです。

今回FA526をサポートした「eCROS」は、PrKERNELv4、eBinderに加え、GUI開発環境「ePEG」、受託開発やカスタマイズ、保守サポートなどを含むプロフェッショナルサービスから構成されます。またニーズに応じて、FATファイルシステムやUSBスタック、ネットワークプロトコルなどのミドルウェアをあわせてご提供します。開発者はこのFA526をサポートしたeCROSを採用することにより、豊富にあるμITRONベースのソフトウェア資産、開発技術、ノウハウなどを生かし、低コストでソフトウェアを開発できるようになります。イーソルは、ファラデーとの緊密な連携のもと、これまで蓄積してきたARMコアベースのリアルタイムシステム開発の技術や経験を強みに、台湾、韓国をはじめとする海外への拡販も視野に入れています。

なお、5月14日~16日に東京ビッグサイトで開催される第11回組込みシステム開発技術展 ESEC2008のファラデー ブース(ブース番号:40-30)にて、本製品のデモを展示します。

注:ARMv4は、ARM7™コア・ファミリーの一部やMarvell StrongARM™にも実装されている32ビットのISAです。


ファラデー・テクノロジー VP of Overseas business  George Huang 様 のコメント
「イーソルとパートナー関係を構築でき、大変光栄です。このパートナーシップにより、eBinderのような専門性の高いソフトウェア開発環境や日本で最も普及しているμITRONに対するお客様のニーズにお応えできるようになり、FA CPUシリーズのエコシステムを充実させることができます。ファラデーはこの協業をてこにして、日本市場でのFA CPUシリーズのSoCビジネスを加速し、さらに近い将来には日本以外の地域でのビジネスも拡大していきます。」

イーソル株式会社 常務取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント
「組込みの市場で最も普及しているARMコアと完全互換のFA526と、ファラデーがもつASICおよびシリコンIPの卓越した専門性と技術は、日本の開発者に対して、ASIC構築の柔軟性や価格的な優位性といったメリットをもたらすでしょう。イーソルのリアルタイムOSは、これまでアーム社のARM7、ARM9、ARM11コアをこれまでサポートしており、ARMコアベースのソフトウェア開発技術と経験に自信があります。今回、日本市場で最も普及しているμITRONベースのソフトウェアプラットフォームがFA526をサポートしたことで、アプリケーション開発に集中できる環境を提供し、全体としてのソフトウェア開発の短期化、低コスト化に貢献します。さらに、ファラデーとの協力体制のもと、μITRONの普及が進んでいるアジア地域へのeCROSの拡販も進めていきます。」


補足資料

■PrKERNELv4について
PrKERNELv4は、1999年のリリース以来、携帯電話やデジタルカメラなどのデジタル家電、カーナビゲーションシステム、プリンタからFA機器までの幅広い分野で多くの実績を持つ、代表的なμITRON仕様のリアルタイムOSです。μITRON4.0スタンダードプロファイルに完全準拠しているほか、さまざまな拡張機能やPrKERNELv4独自の拡張機能を実装しています。カーネル共通部分はMISRA-Cに準拠しています。各種組込みシステムに最適なプログラムサイズで、優れたリアルタイム性能を実現します。

「PrKERNELv4」詳細


■eBinderについて
eBinderは、T-Kernel、μITRONをコアとするシステム向けの開発スイートです。従来のT-Kernel/μITRONソフトウェア開発に不足していた、優れた開発環境を提供します。リアルタイムOSを使ったシステム開発のためにゼロから設計された開発ツール・機能群を使うことで、リアルタイムシステム特有の問題を容易に解決でき、リアルタイムOSを最大限に活用できます。eBinderは、C/C++コンパイラを含む各種開発ツール群と、あらゆる組込みソフトウェアのベースとなるターゲットプラットフォームを構成するモジュール群があわせて提供されます。

「eBinder」詳細


■イーソル株式会社と「eCROS」について
イーソル株式会社は1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。イーソルは、「Inside Solution」をブランドスローガンに、ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
エンベデッドプロダクツ事業部は、組込みシステム開発向けに、「開発環境」、 「リアルタイムOS」、「ミドルウェア」、そして「プロフェッショナルサービス」までを含むソフトウェアプラットフォーム『eCROS』(eSOL Component Real-time OS platform/イークロス)をご提供しています。多くの実績に裏打ちされた高い信頼性を持つeCROSの導入により、「高い品質」と「開発の効率化」の両立を実現します。ソフトウェア製品のご提供だけでなく、ニーズに合わせたプロフェッショナルサービスをあわせてご提供することで、開発者の皆様がアプリケーション開発に専念できる環境を作ります。eCROSを構成するリアルタイムOSには、システムの規模と用途にあわせた4つのプロファイルを持つT-Kernel拡張版「eT-Kernel」と、組込み分野で多くの実績があるμITRON4.0仕様に準拠したリアルタイムOS「PrKERNELv4」を揃えています。開発環境としては、T-Kernel/μITRONベースシステム開発スイート「eBinder」を用意しています。またミドルウェアには、ネットワーク/ファイルシステム/USB/グラフィックスなどの幅広いラインアップを揃えています。
2004年1月に米国オレゴン州に子会社 eSOL, Inc. を設立し、日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。



*ARMは、英アーム社の登録商標です。
*eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectは、
イーソル株式会社の登録商標です。
*eCROS、eT-Kernel、PrHTTPD、PrMAIL、PrSNMP、PrUSB、PrPCCARDは、
イーソル株式会社の商標です。
*TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、
特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。