2007年9月27日
報道関係者各位
イーソル株式会社

コダックのHD対応デジタルカメラ「Kodak EasyShare™ Z1275」にイーソルのリアルタイムOSと開発環境、各種ミドルウェアが採用


イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、米イーストマン・コダック社(以下コダック)の高解像度(HD)デジタルカメラ『Kodak EasyShare Z1275』(以下Z1275)に、イーソル製品が採用されたことを発表します。採用されたイーソル製品は、μITRON4.0仕様準拠リアルタイムOS「PrKERNELv4」、μITRONベースシステム開発スイート「eBinder」、FATファイルシステム「PrFILE2」およびUSBデバイス側スタック「PrUSB/Device」です。

PrKERNELv4とeBinderは、「Kodak EasyShare V570」や「Kodak EasyShare V550」、「Kodak EasyShare V530」をはじめとする、歴代のコダックのデジタルカメラに採用されています。PrKERNELv4とeBinderの機能や性能に対する高い評価やソフトウェア資産流用の容易さなどの利点から、引き続き『Z1275』にも採用が決定されました。今回はそれらに加え、新たにPrFILE2とPrUSB/Deviceが採用されました。

採用されたPrKERNELv4は、タスク管理やメモリ管理、リアルタイム処理などの、『Z1275』内部のソフトウェア全体を管理するベーシックな機能を提供しています。eBinderは、『Z1275』のソフトウェア開発のために利用された開発環境です。デジタルカメラのように、さまざまな機能が並列に、正しい順序や所作で動作することが求められるリアルタイムシステム開発に特化した、デバッグやシステム解析のための豊富な開発ツールが含まれています。eBinderを利用することで、高品質なソフトウェアを効率的に開発することが可能になりました。また、PrFILE2はSDメモリカードなどのメディア内のファイルシステム管理機能、PrUSB/DeviceはプリンタやパソコンなどUSBホスト機器との接続機能を提供しています。

『Z1275』は、12メガピクセルのデジタルカメラで、現在、北米、欧州、アジア各国で発売中です(日本を除く)。米テキサス・インスツルメンツ社が開発したDaVinci™テクノロジーに基づくデジタル・メディア・プロセッサ「TMS320DM350」を採用しており、静止画撮影のほか、HDに対応したMPEG-4形式の動画撮影が可能です。デジタルカメラ本体に装着された2.5インチの高解像度ディスプレイで、撮影した静止画や動画をその場で楽しむことができます。さらに、静止画の切り取り機能や赤目補正機能、手ブレや被写体ブレの抑制機能など、撮影に便利なさまざまな機能が搭載されています。また、付属のKodak EasyShareソフトウェアを利用すれば、家族や友人との写真や動画の共有や、フォトカードの作成、プリントアウトなどが簡単にできます。

▽米イーストマン・コダック社ウェブサイト: http://www.kodak.com/

『Kodak EasyShare Z1275』

イーソル株式会社 取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント
「コダック様に弊社製品を評価していただき、前機種に引き続いて、弊社製品を採用していただいたことは、大変嬉しいことです。弊社は米テキサス・インスツルメンツのTMS320DM350をいち早くサポートしたため、コダック様をより強力にバックアップさせて頂くことができました。今後も、コダック様をはじめ、デジタルコンシューマ機器の開発者の方々に、優れた製品とサービスをご提供していきます。」

補足資料

■PrKERNELv4について
PrKERNELv4は、1999年のリリース以来、携帯電話やデジタルカメラなどのデジタル家電、カーナビゲーションシステム、プリンタからFA機器までの幅広い分野で多くの実績を持つ、代表的なμITRON仕様のリアルタイムOSです。μITRON4.0スタンダードプロファイルに完全準拠しており、各種組込みシステムに最適なプログラムサイズで、優れたリアルタイム性能を実現します。また、ミューテックス、可変長メモリプール、資源の動的生成などのさまざまな拡張機能やPrKERNELv4独自の拡張機能を実装しています。カーネル共通部分はMISRA-Cに準拠しています。

「PrKERNELv4」詳細



■eBinderについて
eBinderは、T-Kernel、μITRONをコアとするシステム向けの開発スイートです。従来のT-Kernel/μITRONソフトウェア開発に不足していた、優れた開発環境を提供します。リアルタイムOSを使ったシステム開発のためにゼロから設計された開発ツール・機能群を使うことで、リアルタイムシステム特有の問題を容易に解決でき、リアルタイムOSを最大限に活用できます。eBinderは、C/C++コンパイラを含む各種開発ツール群と、あらゆる組込みソフトウェアのベースとなるターゲットプラットフォームを構成するモジュール群があわせて提供されます。

「eBinder」詳細



■PrFILE2について
PrFILE2は、FAT12/16/32、VFATをサポートしたFATファイルシステムです。アプリケーション固有のカスタマイズ要求に柔軟に且つ迅速に対応できる構造を持っています。また、ファイルポインタの高速な後方シーク機能や電源断やメディアの抜去によるファイルシステムの破壊を最小限に抑える機能など、これからのデジタル家電製品に必須の機能が多く搭載されています。PrFILE2は、コンパクトフラッシュ、SDカードを始め、豊富なメディアドライバを取り揃えています。

「PrFILE2」詳細



■PrUSB/Hostについて
PrUSB/Hostは、組込みシステムにUSBホスト機能を実装するための、USB1.1および2.0(Full Speed/High Speed)仕様に準拠したUSBホスト側スタックです。PrUSB/Hostを組み込むことで、PCを介さずに直接USBデバイス機器との通信ができます。オプションのMass Storageクラスドライバをあわせて使うと、USBフラッシュメモリなどの大容量デバイスやデジタルカメラなどを、外部ストレージとして扱うことができます。

「PrUSB/Host」詳細




■イーソル株式会社と「eCROS」について
イーソル株式会社は1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。イーソルは、「Inside Solution」をブランドスローガンに、ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
エンベデッドプロダクツ事業部は、組込みシステム開発向けに、「開発環境」、 「リアルタイムOS」、「ミドルウェア」、そして「プロフェッショナルサービス」までを含むソフトウェアプラットフォーム『eCROS』(eSOL Component Real-time OS platform/イークロス)をご提供しています。多くの実績に裏打ちされた高い信頼性を持つeCROSの導入により、「高い品質」と「開発の効率化」の両立を実現します。ソフトウェア製品のご提供だけでなく、ニーズに合わせたプロフェッショナルサービスをあわせてご提供することで、開発者の皆様がアプリケーション開発に専念できる環境を作ります。eCROSを構成するリアルタイムOSには、システムの規模と用途にあわせた3つのプロファイルを持つT-Kernel拡張版「eT-Kernel」と、組込み分野で多くの実績があるμITRON4.0仕様に準拠したリアルタイムOS「PrKERNELv4」を揃えています。開発環境としては、T-Kernel/μITRONベースシステム開発スイート「eBinder」を用意しています。またミドルウェアには、ネットワーク/ファイルシステム/USB/グラフィックスなどの幅広いラインアップを揃えています。
2004年1月に米国オレゴン州に子会社 eSOL, Inc. を設立し、日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。


*EasyShareは、米イーストマン・コダック社の米国およびその他の国における商標です。
*eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectはイーソル株式会社の登録商標です。
*eCROS、eT-Kernel、PrHTTPD、PrMAIL、PrSNMP、PrUSB、PrPCCARD、PrMTPはイーソル株式会社の商標です。
*TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。