2006 年 7月 27日
報道関係者各位
イーソル株式会社

イーソルのμITRON仕様準拠リアルタイムOSとソフトウェア開発環境が、 AmbarellaのH.264対応システムオンチップ(SoC)に標準採用


~高品位(HD)ビデオカメラの効率的な開発を強力にバックアップ~

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、デジタルメディア機器向けの新興半導体ベンダーAmbarella(本社:カリフォルニア州サニーベール)が開発したH.264/AVCをサポートするシステムオンチップ(SoC)に、イーソルのμITRON4.0仕様準拠リアルタイムOS「PrKERNELv4」とμITRONベースシステム開発スイート「eBinder」が標準OSおよび標準ソフトウェア開発環境として採用されたことを発表します。多くのデジタルコンシューマ機器において実績のあるPrKERNELv4とeBinderを使うことで、高品位(HD)ビデオカメラのアプリケーション開発を、低コスト、短期間で実現できます。

Ambarellaの「A1プラットフォーム」は、次世代の映像信号圧縮技術であるH.264/AVC映像信号圧縮技術をベースとする、完全統合型のSoCです。このA1プラットフォームを採用することで、HDビデオカメラはもちろんのこと、これまでクオリティの両立が難しかった、高品位の動画と静止画の記録、再生が可能なハイブリッドカメラの開発が可能となります。A1プラットフォームは、HDビデオで標準となっているH.264/AVCのコーデックのほか、動画・静止画処理専用のプロセッサ、イメージセンサー、オーディオ圧縮機能、システムインタフェース機能など、必要な機能がすべて一つのチップに搭載されています。加えて、1ワット以下の低消費電力とリーズナブルなコストを実現しています。また、A1プラットフォームは、 ARM926コアプロセッサを搭載しており、このARMコアがシステム全体の制御を司っています。複雑なプロセスが要求される H.264ビデオ圧縮技術を実装し、競争力のあるチップサイズとコストを実現したA1プラットフォームは、すでに複数の大手カメラメーカーに採用され、現在製品化のための評価が進められています。A1プラットフォームは、ユーザのニーズに応じて、搭載される機能や性能の組み合わせを変えた複数のバリエーションが用意されています。

このたびA1プラットフォームに標準として採用されたPrKERNELv4とeBinderは、デジタルビデオカメラやデジタルカメラをはじめとするデジタルコンシューマ機器に多くの採用実績を持っており、A1プラットフォームを採用するHDビデオカメラにおいても、スムーズで効率的な開発を実現します。PrKERNELv4は、1999年にリリースされた、日本で代表的なμITRON仕様のリアルタイムOSです。μITRON4.0スタンダードプロファイルに完全準拠しており、システムリソースの厳しい各種の組込みシステムに最適なコンパクトなプログラムサイズで、優れたリアルタイム性能を実現しています。また、eBinderが提供する、リアルタイムOSをつかったシステム開発のためにゼロから設計・開発された開発ツール・機能群を使うことで、高品質で信頼性の高い機器の開発を、低コスト、短期間で実現できます。さらに、複数チーム、複数サイトでの分散開発を支援するプラットフォームパッケージ機能をはじめ大規模なシステム向けのeBinderのツールや機能を使うことで、大規模なHDビデオカメラをより安全で効率的に開発できます。

Ambarella公式ウェブサイト




株式会社 Ambarella Japan 代表取締役社長 楠本 幸宏 様 のコメント
「イーソル社の提供するソリューションは、各分野において、顧客の信頼と満足を勝ち得て来ました。アンバレラは、弊社のA1プラットフォームに必要な開発環境を提供頂く重要なパートナーとしてイーソル社を選定いたしました。イーソル社のリアルタイムOSとeBinderにより信頼性の高い機器の開発が短期間、低コストで実現されるものと確信しております。アンバレラの最先端技術とイーソル社の充実したエンジニアリングサービスがHDカムコーダー、ハイブリッドカメラの開発者の方々に最強のトータルソリューションを提供いたします。」

イーソル株式会社 取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント
「H.264コーデックを初めとするすべての必要な機能を一つのチップへ搭載しながら、低コスト、低消費電力を実現した AmbarellaのA1プラットフォームは、これからのHDビデオ機器の普及を本格的にするものと確信しています。イーソルは、 HDビデオカメラ開発者にPrKERNELv4とeBinderのライセンスをご提供していくとともに、そのほかビデオカメラに必要なファイルシステムやUSBなど豊富なミドルウェアもワンストップでご提供していきます。また、組込みソフトウェア開発における深い技術と経験をもとにした、充実したエンジニアリングサービスをご提供し、HDビデオカメラ開発を強力にバックアップしていきます。

■補足資料
PrKERNELv4について

PrKERNELv4は、1999年のリリース以来、携帯電話やデジタルカメラなどのデジタル家電、カーナビゲーションシステム、プリンタからFA機器までの幅広い分野で多くの実績を持つ、代表的なμITRON仕様のリアルタイムOSです。μITRON4.0スタンダードプロファイルに完全準拠しており、各種組込みシステムに最適なプログラムサイズで、優れたリアルタイム性能を実現します。また、ミューテックス、可変長メモリプール、資源の動的生成などのさまざまな拡張機能やPrKERNELv4独自の拡張機能を実装しています。カーネル共通部分はMISRA-Cに準拠しています。

PrKERNELv4詳細



eBinderについて

eBinderは、μITRON仕様リアルタイムOSを使ったソフトウェア開発のための開発スイートです。リアルタイムOSを使ったシステム開発のためにゼロから設計された開発ツール・機能群を使うことで、リアルタイムシステム特有の問題を容易に解決でき、リアルタイムOSを最大限に活用できます。また、JTAG ICEとの連携機能や、複数チーム、複数サイトでの分散開発を支援するプラットフォームパッケージ機能など、大規模なリアルタイムシステム開発に必須の機能を提供しています。eBinderは、 C/C++コンパイラを含む各種開発ツール群と、あらゆる組込みソフトウェアのベースとなるターゲットプラットフォームを構成するモジュール群があわせて提供されます。
eBinder詳細



イーソル株式会社 について

イーソル株式会社は1975年の創業以来、「コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する」、という理念のもと、 組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一 貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
イーソルはT-Engineフォーラムの幹事会員として、T-EngineおよびT-Kernel関連の技術開発、サービス提供を強力に進めています。取り扱っている組込みソフトウェア製品には、T-Kernel/μITRONベースシステム開発スイート「eBinder」のほか、T-Kernel の拡張版「eT-Kernel」、μITRON4.0仕様準拠「PrKERNELv4」のリアルタイムOSをはじめとするRTOS/ミドルウェア製品群「eParts」 のラインナップがあります。
2004年1月に米国オレゴン州に子会社 eSOL, Inc. を設立し、日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに 「eBinder」、「eParts」の販売活動を広げています。


*eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectは
イーソル株式会社の登録商標です。
*eT-Kernel、PrHTTPD、PrMAIL、PrSNMP、PrUSB、PrPCCARDはイーソル株式会社の商標です
*TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、
特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。