イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、イーソルが日本テキサス・インスツルメンツ株式会社(日本本社:東京都新宿区、代表取締役社長:山崎俊行、米国本社:テキサス州ダラス、以下TI)のオーソライズド・ソフトウェア・プロバイダ(以下、ASP)になることで、TIと合意したことを発表します。また、 TIの次世代型デジタルAVコミュニケーション・アプリケーション向け新技術であるDaVinciTMテクノロジーを、イーソル製品がサポートすることを発表します。
ASPとは、TIのハードウェアをサポートするデジタル・メディア・ソフトウェアのライセンス販売およびエンジニアリングサービスを行う戦略的サードパーティープログラムです。イーソルは、TIのDSP対応ソフトウェア製品の販売、サポート、受託開発やカスタマイズなどの各種サービス提供におけるこれまでの実績を高く評価され、日本で最初のASPになりました。 TIのハードウェアを使った組込みシステムを開発するエンジニアは、ソフトウェア開発の全フェーズにおいて、イーソルの組込みソフトウェア開発における豊富な実績と技術を元にしたサービスを受けられるため、製品の差別化がはかれるアプリケーション開発に注力し、ソフトウェア開発の効率を高めることができます。
さらに、イーソルのμITRON4.0仕様準拠リアルタイムOS「PrKERNELv4」とビデオ・画像・音楽などの大容量データを扱うアプリケーション向けに最適化した機能を多く搭載しているFATファイルシステム「PrFILE2」がDaVinciテクノロジーをサポートします。PrKERNELv4は、システムのタスク管理やメモリ管理、リアルタイム処理を行います。PrFILE2は、音楽、写真、動画などのデータを、再生するために読み出したり、保存したりといった、安全なファイル操作環境を提供します。今後、μITRON ベースシステム向け開発スイート「eBinder」やUSBホスト/デバイス側スタックをはじめとする各種ミドルウェアのサポートも予定しています。PrKERNELv4とPrFILE2は、TMS320DA295、TMS320DM320、TMS320DM270など各種のTI製プロセッサにすでに対応しており、デジタルカメラ、携帯メディアプレーヤーなどのデジタルコンシューマ機器において多くの実績を持っています。
DaVinciテクノロジーとは、デジタルAVコミュニケーション・アプリケーション向けに最適化された、DSPベースのソリューションです。TIの最新DSP「C64x+TM」DSPコアを採用した「TMS320C6000」ベースのプロセッサ、相互の動作検証済みで量産システムにおいてもそのまま使える各種ソフトウェア、開発ツールから主に構成されています。携帯オーディオ/ビデオ・プレーヤ、セット・トップ・ボックス、デジタルカメラ、カーマルチメディア、ビデオ・セキュリティ・システム、プリンタなどがターゲットとして想定されており、それぞれアプリケーション別のDaVinciソリューションが準備される予定です。プロセッサは、DSPのほか、ARMコア、ビデオ・アクセラレータ、各種ペリフェラルなどが搭載されたDSPベースのSoC (システム・オン・チップ)です。また、ソフトウェアには、ビデオ・オーディオコーデック群(H.264、MPEG4、MPEG2、AAC、 WMA、G.7xxなど)をはじめ、OS、各種プロトコル、ユーザインタフェースなど、システムのベースとなる必要なソフトウェアがあらかじめ揃っています。DaVinciテクノロジーを採用することで、それぞれのニーズにあわせて必要なものを選んで即座に使用できるため、開発期間を大幅に短縮しながら、革新的な製品を開発できます。
日本テキサス・インスツルメンツ株式会社 ASP事業部DSP製品部長 田中 竜太郎 様 のコメント 「イーソルが提供する技術サービスおよびリアルタイムOSや各種ミドルウェア製品は、TI製DSPが搭載されたデジタルカメラやポータブルメディアプレーヤーなどデジタル・メディア製品で多くの実績と定評があり、日本で最初のASPとしての活動に大いに期待しています。イーソル1社から必要なソフトウェアのライセンス提供とサービス提供が受けられるので、エンジニアは分野ごとに複数の企業に問い合わせる煩わしさに悩まされることなく、製品の開発に集中することができます。また、DaVinciテクノロジーに対応したイーソル製品を使うことで、省リソースで低価格なμITRONのメリットを活用でき、高品質・高機能のデジタルAVコミュニケーション製品をすばやく市場に投入可能となることを期待しています」
イーソル株式会社 取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント 「イーソルは、TIのASPとして、TIのハードウェアを使用した機器のソフトウェア開発を強力にバックアップします。マルチメディア系コーデックのライセンス提供だけでなく、製品のカスタマイズやインテグレーション、製品サポートなどの幅広いサービスを提供し、エンジニアのさまざまなニーズに的確にお応えしていきます。デジタルAVコミュニケーション・アプリケーション向けのDaVinciテクノロジーは、プロセッサ、各種ソフトウェア、開発ツールなど包括的な開発環境が揃った、優れたソリューションであり、これを採用することで開発期間の短縮と同時にユニークで高度な機能を持つ製品を開発できます。TI製の各種プロセッサで多くの実績があるPrKERNELv4と PrFILE2がDaVinciテクノロジーをサポートすることにより、このソリューションの一翼を担います。今後もTI社と密に連携し、さらに充実したサービスと製品の提供を行っていきます。」
■補足資料 PrKERNELv4について PrKERNELv4は、1999年のリリース以来、携帯電話やデジタルカメラなどのデジタル家電、カーナビゲーションシステム、プリンタからFA機器までの幅広い分野で多くの実績を持つ、代表的なμITRON仕様のリアルタイムOSです。μITRON4.0 スタンダードプロファイルに完全準拠しており、機器の応答性を最大限に高めることができるプリエンプティブ・カーネル機能を搭載しています。各種組込みシステムに最適なプログラムサイズで、優れたリアルタイム性能を実現します。また、資源獲得時に発生するタスクの実行優先順の逆転を最小時間で回避するプライオリティ・インバージョン(優先度逆転)の回避機構を標準装備しています。さらに、システムに必要な機能を実現するのに多様な手段を用意するため、ミューテックス、可変長メモリプール、資源の動的生成などの拡張機能も追加されています。
PrFILE2について PrFILE2は、FAT12/16/32、VFATをサポートしたFATファイルシステムです。アプリケーション固有のカスタマイズ要求に柔軟に且つ迅速に対応できる構造を持っています。また、ファイルポインタの高速な後方シーク機能や電源断やメディアの抜去によるファイルシステムの破壊を最小限に抑える機能など、これからのデジタル家電製品に必須の機能が多く搭載されています。PrFILE2は、コンパクトフラッシュ、SDカードを始め、豊富なメディアドライバを取り揃えています。
イーソル株式会社 について イーソル株式会社は1975年の創業以来、「コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する」、という理念のもと、 組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一 貫したサービス、トータルソリューションを提供します。 イーソルはT-Engineフォーラムの幹事会員として、T-EngineおよびT-Kernel関連の技術開発、サービス提供を強力に進めています。取り扱っている組込みソフトウェア製品には、T-Kernel/μITRONベースシステム開発スイート「eBinder」のほか、T-Kernel の拡張版「eT-Kernel」、μITRON4.0仕様準拠「PrKERNELv4」のリアルタイムOSをはじめとするRTOS/ミドルウェア製品群「eParts」 のラインナップがあります。 2004年1月に米国オレゴン州に子会社 eSOL, Inc. を設立し、日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに 「eBinder」、「eParts」の販売活動を広げています。
eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectは イーソル株式会社の登録商標です。 * eT-Kernel、PrHTTPD、PrMAIL、PrSNMP、PrUSB、PrPCCARDはイーソル株式会社の商標です。 *DaVinci、TMS320、TMS320C6000は、米テキサス・インスツルメンツ社の商標です。 *TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。 *ITRON は "Industrial TRON" の略称です。 *μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。 *TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、 特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。 *記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。
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