2005 年 12月 13日
報道関係者各位
イーソル株式会社

デンソーの次世代カーナビゲーションシステムにイーソルのT-Kernel「eT-Kernel」と開発環境「eBinder」が採用



イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田 勉、以下イーソル)は、株式会社デンソー(以下デンソー)が現在開発している次世代カーナビゲーションシステムに、イーソルのプロセスモデル・メモリ保護機能対応リアルタイムOS「eT-Kernel/Extended」とT-Kernelベースシステム開発スイート「eBinder」が採用されたことを発表します。

デンソーのカーナビゲーションシステムは、日・欧・米・豪・アジアにまたがる世界各国のカーメーカーに採用されており、その世界シェアはトップクラスを誇っています。デンソーは、1987年に世界初のCDディスクナビを開発して以来、業界のデファクトスタンダードを作りながら、常に進化したカーナビを開発し続けています。

12月14日~16日に東京国際フォーラムで開催されるTRONSHOW2006のT-Engineフォーラムブースにおいて、 eT-Kernel/ExtendedおよびeBinderを使用して開発しているデンソーのカーナビゲーションシステムの試作品が展示されます。

このたび採用されたイーソルのeT-Kernel/Extendedは、メモリ保護機能とプロセスモデルに完全対応したリアルタイムOSです。 カーナビやデジタル家電などの大規模なシステム向けに最適です。
eT-Kernel/Extendedの仮想アドレス空間を使ったメモリ 保護機能により、ユーザプロセスが、他のプログラムが管理するメモリ領域やカーネルリソースを誤って破壊することを 防ぎます。これにより、開発時のデバッグと最終システムの信頼性向上を支援します。またeT-Kernel/Extendedは、 ローダブルなドライバやミドルウェア、カーネルアプリケーションの構築に適したロータブルシステムプログラムと、 上位アプリケーションの構築に適したユーザプロセス/システムプロセスの仕組みを提供しています。この仕組みを使うことで、 システム全体をモジュール化、レイヤー化して設計・開発することができるので、大人数で開発する大規模なシステム向けに 最適なリアルタイムOSです。このほかeT-Kernel/Extended独自の機能・特長として、①POSIX準拠のファイルシステムを統合、 ②高速なシステムブート、③開発時のデバッグ支援と実システムでの障害解析を支援する例外マネージャ機能、 ④システムインテグレーションに効果を発揮するターゲットシェル機能、⑤システムプログラムのメモリ保護機能などを提供 しています。

eBinderは、T-Kernelを使ったソフトウェア開発のための優れた開発環境を提供します。リアルタイムOSを使ったシステム開発のためにゼロから設計された開発ツール・機能群を使うことで、リアルタイムシステム特有の問題を容易に解決でき、リアルタイムOSを最大限に活用できます。またJTAG ICEとの連携機能や、分散開発を支援するプラットフォームパッケージ生成機能など、大規模かつリアルタイムなシステム開発に必須の機能を提供しています。メモリ保護機能とプロセスモデルをサポートするeT-Kernel/Extendedを使ったアプリケーションのデバッグに対応しており、カーネル、ローダブルシステムプログラム、ユーザプロセス/システムプロセス、DLL、共有ライブラリのすべてをデバッグすることができます。eBinderは、 C/C++コンパイラを含む各種開発ツール群と、あらゆる組込みソフトウェアのベースとなるターゲットプラットフォームを構成するモジュール群があわせて提供されます。

ユビキタス・コンピューティング時代における組込みシステムのための開発プラットフォームを規格化するT-Engineフォーラムの発足以来、イーソルは幹事会員として、種々のワーキンググループに積極的に参画し、T-Engineおよびその標準リアルタイム OSであるT-Kernel関連の製品開発とサービス提供を強力に推進してきました。そのひとつであるカーマルチメディアサブワーキンググループでは、次世代の車載機器向けの技術開発や仕様の策定を行っています。イーソルは、カーマルチメディアサブワーキンググループでの活動を中心に、高機能化、ネットワーク化、情報化、マルチメディア化が進むカーナビ向けの製品・サービス提供に注力しています。今回発表するデンソーのカーナビへのイーソル製品の採用は、こうした取り組みの成果のひとつであると考えています。

TRONSHOW2006公式サイト


eT-Kernel/Extended詳細


eBinder詳細 



イーソル株式会社 取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント

「デンソー様の次世代のカーナビ開発に、イーソルのeT-Kernel/Extendedと開発環境eBinderを採用して頂き、大変光栄です。カーナビをはじめとする大規模化が進むこれからのソフトウェア開発では、従来の最低限のカーネル機能だけをもつμITRON などのリアルタイムOSでは対応できなくなってきており、プロセスモデル・メモリ保護機能を実装したリアルタイムOSの採用が最良な選択であると弊社は考えています。eT-Kernel/Extendedは、同様のプロセスモデルを採るLinuxと違って、高速な起動時間やリアルタイム性を確保できるほか、製品の保証とサポートもイーソルが行いますので安心です。今後も、カーナビやデジタル家電をはじめとする大規模ソフトウェア開発向けに、よりよい製品とサービスを提供していきます。」


■参考資料
イーソル株式会社 について

イーソル株式会社は1975年の創業以来、「コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する」、という理念のもと、 組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一 貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
イーソルはT-Engineフォーラムの幹事会員として、T-EngineおよびT-Kernel関連の技術開発、サービス提供を強力に進めています。取り扱っている組込みソフトウェア製品には、T-Kernel/μITRONベースシステム開発スイート「eBinder」のほか、T-Kernel の拡張版「eT-Kernel」、μITRON4.0仕様準拠「PrKERNELv4」のリアルタイムOSをはじめとするRTOS/ミドルウェア製品群「eParts」 のラインナップがあります。
2004年1月に米国オレゴン州に子会社 eSOL, Inc. を設立し、日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに 「eBinder」、「eParts」の販売活動を広げています。


eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectは
イーソル株式会社の登録商標です。
* eT-Kernel、PrHTTPD、PrMAIL、PrSNMP、PrUSB、PrPCCARDはイーソル株式会社の商標です。
*TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、
特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。