2005 年 9 月 9日
報道関係者各位
イーソル株式会社

イーソル、WindowsR標準の音楽/動画/静止画転送プロトコル「MTP」を開発中


~MTP対応機器は、専用ソフトがなくてもWindows PCとのデータのやり取りが簡単・便利に~
~デジタル著作権管理技術DRM(Digital Rights Management)付きファイル転送にも対応~

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、米Microsoft Corp.が開発した音楽/動画/静止画ファイル転送プロトコルであるMTP(Media Transfer Protocol)を組込みシステム向けに最適化した「PrMTP(ピーアール・エム・ティ・ピー)」(仮称)を開発中であることを発表します。PrMTPのリリースは、11月末を予定しています。PrMTPを組み込んだデジタルカメラ、携帯電話、携帯音楽/ビデオプレーヤーなどのポータブル機器は、専用ソフトウェアやドライバをPCにインストールしなくても、WindowsRPCとのデータのやり取りがより簡単で便利にできるようになります。

MTPとは、デジタルカメラ、携帯電話、携帯音楽/ビデオプレーヤーといったポータブル機器と、Windows PCとを接続し、音楽/動画/静止画などのデータを双方向に転送するためのプロトコルです。MTPは、Windows Media Player 10が利用できるWindows XPおよびそれ以降のWindows OSにて標準でサポートされています。従来こうしたポータブル機器とPC間でデータをやり取りする場合には、あらかじめ専用ソフトウェアをPCにインストールして複雑な各種設定を行ったり、USB接続された外部ドライブとしてファイル移動をしたりする必要がありました。MTPを組み込んだ機器であれば、旅行先や出張先などで専用ソフトをインストールしたPCが使えない場合でも、Windows PCを使って、その場で撮った写真を取り出したり、新しい音楽データを取り込んだりすることができるようになります。またUSB接続の外部ドライブとして利用した場合と比べても、MTPでは様々なメディアコンテンツをやり取りするために便利な拡張機能が多く搭載されているため、MTPを採用することはより多くのメリットがあります。

MTPは、多くのデジタルカメラやプリンタに採用されている、画像転送用のPTP(Picture Transfer Protocol)をベースに開発された、PTPの上位互換規格です。PTPと比べて、大容量ファイルや多数のファイルを一度に扱う時の機能や転送速度が向上しているほか、静止画/.動画/音楽など様々な種類のデータを、ひとつのプロトコルで処理できるのがメリットです。そのほか、MTPは下記の特長を持っています。

  • 多くのオンラインミュージックストアが採用しているWindows Media Audio(WMA)の著作権保護管理技術DRM(Digital Rights Management)に対応
  • PC側からポータブル機器の制御が可能
  • ファイルをドラッグ&ドロップしたり、アプリケーションを起動したりしなくても、機器が接続されると自動的にコンテンツを転送する「AutoSync機能」を搭載
  • ポータブル機器上で設定されたファイルのプロパティをPC側と同期可能
  • USB接続のマスストレージクラス(MSC)ベースの機器と同様、マイコンピュータを開くと自動的にデバイスを認識し、簡単に各種の設定が可能
イーソルは、PrMTPの販売だけでなく、リアルタイムOS、USBスタック、TCP/IPプロトコルスタック、ファイルシステムおよび開発環境など、こうしたポータブル機器に必要なソフトウェア部品および開発環境をトータルに提供することで、開発者の負担を軽減します。

MTPはファイルの転送手順などを定めた規格であり、下位層の通信方法は規定されていませんが、11月末のPrMTPリリース時にはUSBをサポートする予定です。TCP/IPおよび無線LANへの対応は来春を予定しています。


イーソル株式会社 取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント
「MTPは、様々なメディアコンテンツをすべて一つのプロトコルで扱えたり、大手のオンラインミュージックストアで採用されているWindows Media Audioの著作権保護管理技術であるDRMに対応しているなどの技術的な優位性があります。それに加え、携帯電話やデジタルカメラなどポータブル機器の主要なメーカーが自社製品へのMTP対応を発表しており、MTP対応機器は今後ますます普及していくことが予想されています。イーソルは、組込みソフトウェア開発のソリューションベンダーとして、PrMTPやポータブル機器に必要な各種ソフトウェア部品の販売だけでなく、アフターサポートや製品のカスタマイズ、受託開発などを含めて、トータルに開発者をサポートしていきます。」


■補足資料
イーソル株式会社について
イーソル株式会社は1975年の創業以来、「コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する」、という理念のもと、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。 イーソルはT-Engineフォーラムの幹事会員として、T-EngineおよびT-Kernel関連の技術開発、サービス提供を強力に進めています。取り扱っている組込みソフトウェア製品には、T-Kernel/μITRONベースシステム開発スイート「eBinder」のほか、T-Kernelの拡張版「eT-Kernel」、μITRON4.0仕様準拠「PrKERNELv4」のリアルタイムOSをはじめとするRTOS/ミドルウェア製品群「eParts」のラインアップがあります。 2004年1月に米国オレゴン州に子会社 eSOL, Inc. を設立し、日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに「eBinder」、「eParts」の販売活動を広げています。

*eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectは
イーソル株式会社の登録商標です。
* eT-Kernel、PrHTTPD、PrMAIL、PrSNMP、PrUSB、PrPCCARDはイーソル株式会社の商標です。
*Microsoft、Windowsは、米国Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標
または商標です。
*Windowsの正式名称は、Microsoft Windows Operating Systemです。
*TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、
特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。