2005 年 9 月 5日
報道関係者各位
イーソル株式会社

イーソルのT-Kernel「eT-Kernel」が2種類のSuperHTM製品搭載 T-Engineボードに対応、開発環境も用意



イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、イーソルのT-Kernel拡張版「eT-Kernel」が、SH7751RおよびSH7727それぞれを搭載した2種類のT-Engineボードに対応したことを発表します。同時に、 T-Kernelベースシステム開発スイート「eBinder」も各T-Engineボードをサポートしました。eT-Kernelを使ったソフトウェア開発をeBinder環境で行うことで、開発期間の短縮とコスト削減が実現できます。

このたび、二つのラインアップのeT-Kernelが対応しました。 μITRONと近い構成を持ちμITRONからの移行に最適な「eT-Kernel/Compact」と、eT-Kernel/Compactをベースに T-Engine標準のデバイスドライバが付属した「eT-Kernel/Standard」です。eT-Kernel/Standardに付属するドライバには、 PCMCIAバスドライバ、時計(RTC)、コンソール(シリアル)、システムディスク、KB/PD(キーボード、タッチパネル、マウス)、スクリーン(LDC)、USBバスドライバが含まれます。

eBinderは、T-KernelなどのリアルタイムOSシステム開発向けに設計された各種の開発ツールと、システムのベースとなるソフトウェアモジュール群から構成されるターゲットプラットフォームのスイートです。eBinderが提供する開発ツールと機能を使うことで、リアルタイムシステム特有の複雑な問題を、視覚的、直感的に容易に発見し解決できるので、高品質なシステムを短期間で開発できます。

eT-KernelとeBinderが対応した環境は、下記の通りです。

CPU SH7751R(SH-4コア、240MHz)
[ルネサス テクノロジ]
ボード SH7751R T-Engine Board(MS7751RCP01)
[日立超LSIシステムズ]
コンパイラ GNUコンパイラ GCC 3.3.2

CPU SH7727(SH3-DSPコア、96MHz)
[ルネサス テクノロジ]
ボード SH7727 T-Engine Board(MS7727CP02)
[日立超LSIシステムズ]
コンパイラ GNUコンパイラ GCC 3.3.2

今後は、株式会社ルネサス テクノロジからリリース予定である、SH-4Aコア内蔵のSH7780を搭載したSH7780 T-Engine Board(仮称)をサポートする予定です。

T-Engineは、組込みシステムの高機能化に伴って、肥大化、複雑化が進む一方のソフトウェア開発の現状を背景に、ソフトウェア開発の効率化を目的として規格化された、次世代の組込みシステムのための開発プラットフォームです。ハードウェア規格とOS環境(T-Kernel)が標準化されているので、デバイスドライバやミドルウェアなどのソフトウェア部品の整備と流通を促進でき、結果的にソフトウェアの再利用性、生産性、保守性を向上できます。


「eT-Kernel」詳細


「eBinder」詳細



イーソル株式会社 取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント
「すでに対応済みのARMコア搭載T-Engineボードに続き、今回SuperHTM CPUコア搭載のT-Engineボードに対応することで、ユーザの選択肢が広がりました。SuperH CPUコアの性能を最大限に生かした組込みシステム開発を行う際に、イーソルのリアルタイムシステム開発のノウハウが詰まったeT-KernelとeBinderのメリットとともに、次世代の開発プラットフォームであるT-Engineのメリットを受けることで、開発の効率を飛躍的に向上させることができます。」



■補足資料
eT-Kernelについて

eT-Kernelは、リアルタイムOSベンダーであるイーソルがこれまでμITRONで培ってきたノウハウと技術をもとにして、 T-Engineフォーラムが配布するオープンソースのT-Kernelに性能面・機能面で改良・拡張を加えたT-Kernelの拡張版です。システム起動時間の大幅短縮、T-Monitorレスでの動作による高速な割込み応答性、タスク切り替えの高速化、コンフィギュレーションによるメモリフットプリント調整機能、ハードウェア依存部のレイヤー化、モジュール化による移植性の向上などを実現しました。eT-Kernelには、システム規模と用途にあわせた3つのラインアップがあります。μITRONと近い構成を持つμITRONからの移行に最適な「eT-Kernel/Compact」、eT-Kernel/CompactをベースにT-Engine標準のデバイスドライバが付属した「eT-Kernel/Standard」およびメモリ保護機能とプロセスモデルをサポートする大規模開発に最適な「eT-Kernel/Extended」です。

「eT-Kernel」詳細



eBinderについて
eBinderは、T-Kernel、μITRONをコアとするシステム向けの開発スイートです。従来のT-Kernel/μITRONソフトウェア開発に不足していた、優れた開発環境を提供します。リアルタイムOSを使ったシステム開発のためにゼロから設計された開発ツール・機能群を使うことで、リアルタイムシステム特有の問題を容易に解決でき、リアルタイムOSを最大限に活用できます。eBinderは、 C/C++コンパイラを含む各種開発ツール群と、あらゆる組込みソフトウェアのベースとなるターゲットプラットフォームを構成するモジュール群があわせて提供されます。

「eBinder」詳細


イーソル株式会社について
イーソル株式会社は1975年の創業以来、「コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する」、という理念のもと、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。 イーソルはT-Engineフォーラムの幹事会員として、T-EngineおよびT-Kernel関連の技術開発、サービス提供を強力に進めています。取り扱っている組込みソフトウェア製品には、T-Kernel/μITRONベースシステム開発スイート「eBinder」のほか、T-Kernelの拡張版「eT-Kernel」、μITRON4.0仕様準拠「PrKERNELv4」のリアルタイムOSをはじめとするRTOS/ミドルウェア製品群「eParts」のラインアップがあります。 2004年1月に米国オレゴン州に子会社 eSOL, Inc. を設立し、日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに「eBinder」、「eParts」の販売活動を広げています。

*eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectは
イーソル株式会社の登録商標です。
* eT-Kernel、PrHTTPD、PrMAIL、PrSNMP、PrUSB、PrPCCARDはイーソル株式会社の商標です。
*SuperHは、株式会社ルネサス テクノロジの商標です。
*TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、
特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。