2005 年 6 月 21日
報道関係者各位
イーソル株式会社

日立DVDビデオカメラ『DVDカムWoooTM』の開発ツールにイーソルの開発環境が採用、イーソルのリアルタイムOSとFATファイルシステムも搭載


~T-Kernel/μITRONベースシステム開発スイート「eBinderR」を使って効率的な開発を実現~

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、株式会社日立製作所(以下日立)のDVDビデオカメラ『DVDカムWooo』シリーズの「DZ-GX20」「DZ-MV780」の開発ツールとして、イーソル製T-Kernel/μITRONベースシステム開発スイート「eBinder」が採用されたことを発表します。また、同『DVDカムWooo』にイーソル製のμITRON4.0仕様準拠リアルタイムOS「PrKERNELv4R」とFAT12/16/32、VFATファイルシステム「PrFILER」が搭載されていることをあわせて発表します。eBinderが提供する各種開発ツール・機能により、リアルタイムOSを使ったシステムに特有の課題を素早く解決し、効率的な開発を支援することができました。

イーソル製品eBinder、PrKERNELv4、PrFILEが採用された日立製DVDビデオカメラ『DVDカムWooo』は、 2メガピクセルに対応した高画素CCD搭載モデル「DZ-GX20」と世界最小*1スタイリッシュモデル「DZ-MV780」の2機種です。この中でPrKERNELv4は、システム全体のベースとなるタスク管理やメモリ管理、リアルタイム処理を行います。PrFILEは、『DVDカムWooo』が提供するSDメモリーカードへ静止画データを記録したり、記録されたデータを読み出したりする機能を実現しています。SDメモリーカードはPC互換のFATファイルシステムを採用しているためPCとの連携を容易にするほか、SDメモリーカードに対応したテレビやDVDレコーダーでの再生、プリンタでの印刷も可能です。



*1:DVDを記録メディアとする民生用ビデオカメラとして。2005年6月時点。

▽日立製DVDビデオカメラ 製品情報:http://av.hitachi.co.jp/cam/index.html



       

DZ-GX20                            DZ-MV780         

株式会社日立製作所 ユビキタスプラットフォームグループ
デジタルメディア事業部 ストレージメディア設計部 藤本 昌宏 様のコメント
「eBinderの各種開発ツールを使って開発することで、システムの問題を発見することが容易にできました。またeBinderは、PrKERNELv4とPrFILEを使用したシステム開発向けに最適化されているので、初期段階のシステムの雛型構築や細かいコンフィギュレーション、デバッグなどを簡単に行うことができたため、結果的に開発期間の短縮やコスト削減につながりました。また、開発中に発生した問い合わせや質問への回答などに対する、イーソルのエンジニアの迅速かつ丁寧な対応は、たいへん役に立ちました。」

イーソル株式会社
取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント

「DVDビデオカメラのリーディングカンパニーである日立様の『DVDカム Wooo』最新機種に、イーソル製品を選択して頂いたことは、非常に光栄です。弊社では、T-KernelやμITRONを使ったシステム開発のための開発環境を中心に、ネットワークプロトコルやファイルシステム、USBプロトコルなどの広意義での「オペレーティング・システム」環境の提供を行っています。また、優れた製品を提供するのはもちろんのこと、販売後の製品サポートやお客様のハードウェア環境に応じた製品のカスタマイズやポーティングなどのサービス提供にも力を入れています。今後も、お客様のニーズにお応えできる製品の開発や機能・性能の充実、よりよいサービス提供に努めていきます。」


eBinderについて
eBinderは、T-Kernel、μITRONをコアとするシステム向けの開発スイートです。従来のT-Kernel/μITRONソフトウェア開発に不足していた、優れた開発環境を提供します。リアルタイムOSを使ったシステム開発のためにゼロから設計された開発ツール・機能群を使うことで、リアルタイムシステム特有の問題を容易に解決でき、リアルタイムOSを最大限に活用できます。eBinderは、C/C++コンパイラを含む各種開発ツール群と、あらゆる組込みソフトウェアのベースとなるターゲットプラットフォームを構成するモジュール群があわせて提供されます。
▽「eBinder」詳細:http://www.esol.co.jp/embedded/ebinder.html

PrKERNELv4について
PrKERNELv4は、1999年のリリース以来、携帯電話やデジタルカメラなどのデジタル家電、カーナビゲーションシステム、プリンタからFA機器までの幅広い分野で多くの実績を持つ、代表的なμITRON仕様のリアルタイムOSです。μITRON4.0スタンダードプロファイルに完全準拠しており、機器の応答性を最大限に高めることができるプリエンプティブ・カーネル機能を搭載しています。各種組込みシステムに最適なプログラムサイズで、優れたリアルタイム性能を実現します。また、資源獲得時に発生するタスクの実行優先順の逆転を最小時間で回避するプライオリティ・インバージョン(優先度逆転)の回避機構を標準装備しています。さらに、システムに必要な機能を実現するのに多様な手段を用意するため、ミューテックス、可変長メモリプール、資源の動的生成などの拡張機能も追加されています。
▽「PrKERNELv4」詳細:http://www.esol.co.jp/embedded/prkernelv4.html

PrFILEについて
PrFILEは、FAT12/16/32、VFATをサポートしたFATファイルシステムです。PCのファイルシステム仕様と互換性をもつため、組込みデバイスとPC間で共通のファイルを取り扱うことができます。PrFILEは、コンパクトフラッシュ、SDカードを始め、豊富なメディアドライバを取り揃えています。現在イーソルでは、新FATファイルシステム「PrFILE2」を販売しています。従来のPrFILEの特長を引き継ぎ、さらにアプリケーション固有のカスタマイズ要求に柔軟に且つ迅速に対応できる構造を持っています。これからのデジタル家電製品に必須の機能を多く搭載しています。
▽「PrFILE2」詳細:http://www.esol.co.jp/embedded/prfile2.html

イーソル株式会社について
イーソル株式会社は1975年の創業以来、「コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する」、という理念のもと、 組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで 一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。 イーソルはT-Engineフォーラムの幹事会員として、T-Engineおよび T-Kernel関連の技術開発、サービス提供を強力に進めています。 取り扱っている組込みソフトウェア製品には、T-Kernel/μITRON ベースシステム開発スイート「eBinder」のほか、 T-Kernelの拡張版「eT-Kernel」、μITRON4.0仕様準拠「PrKERNELv4」の リアルタイムOSをはじめとするRTOS/ミドルウェア製品群 「eParts」のラインアップがあります。 2004年1月に米国オレゴン州に 子会社 eSOL, Inc. を設立し、日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに 「eBinder」、「eParts」の販売活動を 広げています。

*eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectは
イーソル株式会社の登録商標です。
* eT-Kernel、PrHTTPD、PrMAIL、PrSNMP、PrUSB、PrPCCARDはイーソル株式会社の商標です。
*Woooは株式会社日立製作所の商標です。
*TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、
特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。