イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田 勉、以下イーソル)は、 イーソル製μITRON4.0仕様準拠リアルタイムOS「PrKERNELv4」によるザイリンクス社製FPGAデバイスに実装されたハード・プロセッサ、PowerPCTM405のサポートを完了し、「PrKERNELv4 for Xilinx/PowerPC」としてリリースしたこと を発表します。400MHz、600 DMIPSで動作するPowerPCコアがもつ高いパフォーマンスと自由な拡張を許容する高い柔軟性、 といったFPGAのメリットを最大限に利用するシステム上に、μITRONベースのアプリケーションを即座に構築することができるようになります。
PrKERNELv4は、既にザイリンクス社製FPGAデバイスをベースとする、32ビット ソフト プロセッサ コア、MicroBlazeTMを サポートしています。最高の機能と性能を誇るVirtex-Ⅱ ProTMをはじめとするザイリンクス製FPGAデバイスには、 機能、コスト、パフォーマンスといったトレードオフを考慮し、低コストなMicroBlazeまたはハイパフォーマンスな PowerPCコアを選択して実装したり、さらにより大規模で複雑なシステム向けには、PowerPCコアおよび1個または複数個の MicroBlazeコアを組み合わせてマルチプロセッサとして実装したりすることができますが、このたび発表したPrKERNELv4のPowerPC コアのサポートにより、実装されるプロセッサ・コアを問わず、ザイリンクス社製FPGAデバイス上に、μITRONベースの アプリケーションを容易に安価なコストで構築することができます。
PrKERNELv4は、1999年にリリースされて以来、携帯電話やデジタルカメラなどのデジタル家電、カーナビゲーションシステム、 プリンタからFA機器までの幅広い分野で多くの実績を持つ、代表的なμITRON仕様のリアルタイムOSです。μITRON4.0スタンダードプロファイルに完全準拠しており、機器の応答性を最大限に高めることができるプリエンプティブ・カーネル機能を搭載 しています。各種組込みシステムに最適なプログラムサイズで、優れたリアルタイム性能を実現します。また、資源獲得時に発生するタスクの実行優先順の逆転を最小時間で回避するプライオリティ・インバージョン(優先度逆転) の回避機構を標準装備しています。さらに、システムに必要な機能を実現するのに多様な手段を用意するため、ミューテックス、可変長メモリプール、資源の動的生成などの拡張機能も追加されています。
PrKERNELv4 for Xilinx/PowerPCは、アットマークテクノ社製SUZAKU-V上で動作することを検証しています。SUZAKU-V上には、 PowerPC 405が実装されたVirtex-Ⅱ Pro FPGAが搭載されています。また、LANインターフェースも搭載されており、イーソル製の業界最高速クラスのパフォーマンスを持つTCP/IPプロトコルスタック「PrCONNECT2」を対応させることで、容易にネットワークアプリケーションを開発できます。開発環境はザイリンクス社製標準開発環境PowerPC エンベデッド開発キット(EDK)6.3に対応しており、コンパイラは同EDKに同梱されているGNUコンパイラに対応しています。
▽ 「PrKERNELv4」詳細: http://www.esol.co.jp/embedded/prkernelv4.html ▽ 「MicroBlaze対応μITRON構築環境」詳細: http://www.esol.co.jp/embedded/prkv4_microblaze.html ▽ 「PrCONNECT2」詳細: http://www.esol.co.jp/embedded/prconnect2.html ▽ アットマークテクノ社製「SUZAKU-V」詳細: http://www.atmark-techno.com/product/suzaku.html ▽ ザイリンクス社ウェブサイト: http://www.xilinx.co.jp/
イーソル株式会社 取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント 「柔軟で拡張性が高く、以前より低コスト化が進んでいるFPGAに対する注目はますます高まっており、 今後様々な分野でFPGAを使ったシステムが増えていくことが予想されます。今回発表しましたμITRONのPowerPC コアサポートにより、搭載されるプロセッサ・コアを問わずVirtex-Ⅱ Proをはじめとするザイリンクス社製FPGAデバイスを 使ったシステム上で、慣れ親しんだμITRON APIを使ったり、また既存のμITRONアプリケーション資産を流用したりすることが できるようになり、開発効率をより一層高めることができるようになりました。今後もザイリンクス社と協力し、 FPGAを使ったハードウェア上にμITRONをベースとする効率的なアプリケーション構築を促進する製品・サービス提供に努めて まいります。」
■補足資料 イーソル株式会社について イーソル株式会社は1975年の創業以来、「コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する」、という理念のもと、 組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで 一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。 イーソルはT-Engineフォーラムの幹事会員として、T-EngineおよびT-Kernel関連の技術開発、サービス提供を強力に進めています。 取り扱っている組込みソフトウェア製品には、T-Kernel/μITRONベースシステム開発スイート「eBinder」のほか、 T-Kernelの拡張版「eT-Kernel」、μITRON4.0仕様準拠「PrKERNELv4」のリアルタイムOSをはじめとするRTOS/ミドルウェア製品群 「eParts」のラインアップがあります。 2004年1月に米国オレゴン州に子会社 eSOL, Inc. を設立し、日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに 「eBinder」、「eParts」の販売活動を広げています。
*eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectは イーソル株式会社の登録商標です。 *TWister、eT-Kernel、PrHTTPD、PrMAIL、PrSNMP、PrUSB、PrPCCARDは イーソル株式会社の商標です。 *TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。 *ITRON は "Industrial TRON" の略称です。 *μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。 *TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、 特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。 *記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。
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