イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田 勉、以下イーソル)は、株式会社アバールデータ(本社:東京都町田市旭町1-25-10、代表:嶋村 清、URL:http://www.avaldata.co.jp、以下アバールデータ)の全面協力のもとに開発したSNMP(Simple Network Management Protocol:簡易ネットワーク管理プロトコル)エージェントプロトコルスタック「PrSNMP」を、5月24日にリリースすることを発表します。「PrSNMP」は、高速TCP/IPプロトコルスタック「PrCONNECT2」のアドオン製品で、組み合わせて使用することでSNMPエージェント機能を組み込んだネットワーク機器の開発が容易にできます。本製品はイーソルより販売いたします。 → PrSNMP 詳細
SNMPはインターネット経由でネットワークに接続されている機器を監視し、管理・保守するためのプロトコルです。様々な機器がネットワークシステムを構成し、インターネットに接続している状況下で、SNMPを使って総括的に管理する手法が一般的になってきていますが、これまで、組み込み機器はSNMPに対応していないことが多く、管理の対象外でした。「PrSNMP」を組み込むことでこれらの機器を管理の対象に含めることが可能になります。
「PrSNMP」は、組み込み機器にSNMPエージェントの機能を短期間で実装するために開発されたSNMPバージョン1に対応したパッケージ製品です。「PrSNMP」を組み込んだ機器は、現在の生産情報やエラー情報など機器独自の情報をプライベートMIB(Management Information Base:管理情報ベース)として収集しておくことでリモート監視を可能にし、またエラーや状態遷移が発生した場合などにトラップを発行することで、管理者へのリアルタイムな報告が可能になります。さらに下記の特長があります。
● 最新の版である「PrCONNECT2」に対応。「PrCONNECT2」に対応したMIB-Ⅱ(RFC1213)を標準サポート。UDP/IP上で動作。 ● SNMPバージョン1トラップに対応。 ● ASN.1(抽象構文記法1)の基本符号化ルール(BER:Basic Encoding Rule)によるMIBオブジェクトのデコード/エンコード。 ● 本パッケージに対応したMIBコンパイラを標準で添付しているため、ユーザが作成した「プライベートMIB」を容易に実装可能。 ● モジュールが、「PrCONNECT2」と「PrSNMP」を論理的に分離した構成になっているため、ターゲットに対する高い移植性を実現。
さらに「PrSNMP」は、μITRON4.0「PrKERNELv4R」、RTOSベースシステム開発スイート「eBinderR」に対応しています。「eBinder」上で開発することで、「PrSNMP」、「PrKERNELv4」、「PrCONNECT2」を容易に組み込むことができ、高品質なネットワーク機器を低コスト・短期間で開発できます。
イーソル株式会社 取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸のコメント
「アバールデータ殿との技術提携により開発された「PrSNMP」を使用することで、ネットワーク化が進む組み込み機器においてニーズが高まっている管理・保守機能を容易に実装できるようになります。イーソルのネットワークプロトコル製品のラインアップには、「PrCONNECT2」のほか、Webサーバ「PrHTTPDTM」、メールクライアント用ライブラリ「PrMAILTM」、IEEE802.11b対応無線LANドライバがあり、これらを組み合わせて使用することで、様々な機能を持つネットワーク機器の開発が可能です。さらに、「eBinder」上で開発することで、信頼性の高い機器開発が効率よくできます。今後もアバールデータ殿との技術提携を通じて、組み込みシステム開発者に、よりよい製品・サービスを提供していきます。」
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図 1 PrSNMPブロック図 |
■補足資料
(1)SNMPについて SNMP(Simple Network Management Protocol)は、ネットワークの管理情報を幅広く簡単に収集できるように提案されたプロトコルです。ネットワーク上のSNMPエージェントは、管理情報をMIB(Management Information Base:管理情報ベース)として収集しておき、SNMPマネージャからの要求に従って情報を提供し、SNMPマネージャは、SNMPエージェントからの情報を分析・整理して表示します。この時のSNMPエージェントとSNMPマネージャとのやり取りがSNMPによって行われます。SNMPは運用中の伝送ラインを利用するため、下位プロトコルはシンプルな構造のUDPを使用し、SNMP自体もヘッダー部分を小さくして、軽く通信できるように工夫されています。
(2)PrCONNECT2について PrCONNECT2は、TCP/IPプロトコル使用時の通信で 50Mbps(※注)を超える性能を達成し、業界最高クラスのパフォーマンスを実現した高速TCP/IPプロトコルスタックです。高速通信が要求され、映像/音声を扱うマルチメディア機器、携帯情報端末などのコンシューマ製品に最適で、快適なネットワーク環境を実現できます。PPPをはじめとする各種プロトコルを標準提供します。オプション製品に、IEEE802.11b対応無線LANドライバ「802.11b PRISM Driver for PrCONNECT2」、組込み機器向けウェブサーバ「PrHTTPD」、メールクライアント用送受信ライブラリ「PrMAIL」があります。 ※注)ターゲット/ホスト環境などの計測環境により、数値は異なる場合があります。
(3)イーソル株式会社 イーソル株式会社は1975年の創業以来、「コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する」、という理念のもと、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。 取り扱っている組込みソフトウェア製品には、RTOSベースシステム向け開発スイート「eBinder」のほか、μITRON4.0準拠「PrKERNELv4」をはじめとするRTOS/ミドルウェア製品群「eParts」のラインナップがあります。 2004年1月に米国オレゴン州に子会社 eSOL, Inc. を設立し、日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに「eBinder」、「eParts」の販売活動を広げています。
(4)株式会社アバールデータ 株式会社アバールデータ(代表取締役社長:嶋村 清、資本金:23億5409万円、従業員数:180人)は、1959年(昭和34年)8月に設立されました。FA分野にいち早くマイクロコンピュータ技術を導入し計測機器・制御機器の開発。1979年(昭和54年)には、ポータブルタイプのPROMプログラマPecker(ペッカー)-1 発表。その後ペッカーシリーズは、高い評価を得、通産省選定グッドデザイン商品にも選定されました。1985年(昭和60年)より、VMEbusを採用した各種組込みモジュールコンピュータを開発。半導体製造装置や産業用ロボットに採用されています。1995年からは通信・ネットワーク事業も手がけ、自社製品としてネットワーク監視ツール「NetDOC」があります。1997年には国産初のCompactPCIバスのモジュールコンピュータを発表。1991年(平成2年)店頭登録。1995年(平成6年)の世界標準の品質システムISO9001の認証を取得しました。2001年(平成12年)には環境ISO14001の認証取得。(株)アバール長崎は関連会社。
■ NetDOCは株式会社アバールデータの登録商標です。 ■ eBinder、PrKERNEL、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectはイーソル株式会社の登録商標です。 ■ PrSNMP、PrUSBはイーソル株式会社の商標です。 ■ TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。 ■ ITRON は "Industrial TRON" の略称です。 ■ μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。 ■ TRON および ITRON は特定の商品ないしは商品群を指す名称ではありません。 ■ 記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。 |