2003年10月29日
報道関係者各位
イーソル株式会社

RTOSベースシステム向け開発スイート「eBinder」がTMS320DM270をサポート


~品質の高いデジタル・カメラなどのデジタル情報家電が短期間・低コストで開発可能に~
 

イーソル株式会社(本社:東京都杉並区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、イーソルの開発・販売するRTOSベースシステム向け開発スイート「eBinder」が、テキサス・インスツルメンツ社(以下、TI)製デジタル情報家電向けデジタル・メディアDSP「TMS320DM270(DM270)」に対応を完了し、リリースしたことを発表します。「eBinder」を使うことで、「DM270」ベースのデジタル・カメラやデジタル・ビデオ・カメラなどをはじめとするデジタル情報家電製品の開発を、短期間・低コストで効率的に行うことができます。「DM270」に対応した「eBinder」は、ARM社製純正コンパイラをバンドルして提供されます。

本製品の特徴は以下のとおりです。
・ 標準BSPは、TI製「DM270」評価ボード「XEVM-DM270GHK」をサポート
・ 「eBinder」が提供するリアルタイムデバッグツール、システム解析ツールを含めたマ ルチプログラミングツール群およびソフトウェア部品構築支援ツールを使うことで、品質の高い製品をタイムリーに市場投入可能
・ μITRONアプリケーションの開発にかかる期間とコストを大幅に削減
・ JTAG ICEをデバッグポートとしてサポートしているため、ハードウェア資源を全てアプリケーションのために使用可能(その他、シリアル通信でのデバッグも可能)
・ ARM社製純正コンパイラを標準バンドル
・ 標準でバンドルされる、「DM270」に対応したイーソル製μITRON4.0「PrKERNELv4」、FATファイルシステム「PrFILE」を使用し、すぐに開発に取り掛かることが可能

「TMS320DM270」は、低消費電力DSP『TMS320C54xTM』と『ARM7TDMI(R)』RISCプロセッサ、コプロセッサ(DSPコアを補完し、性能を強化するプロセッサ)をワンチップに集積したソリューションです。ARMコアとDSPのワンチップでは、DSP側で実行される画像処理アルゴリズム等を除くと、ほとんどのプログラムがARMコアで実行されます。そのため、ARMコア上にRTOSを搭載して構成するシステム開発に優れた「eBinder for ARM」は高い効果を発揮します。
さらに「DM270」に限らず、インターネット機器、携帯電話、PDA、マルチメディア機器などのプラットフォームをサポートする「OMAPTM」プロセッサ上での開発においても、「eBinder」は威力を発揮します。

バンドルして提供される「PrKERNELv4」、「PrFILE」のほか、各種メディアドライバ、メモリスティック専用FATファイルシステム「PrFILE for Memory Stick」、USBドライバ「PrUSB」、PCを介さずにデジタル・カメラからプリントできる規格、PictBridge向けSDK「PictDirect」などその他の「eParts」シリーズも「DM270」に対応しており、これらを使っていち早くシステム基盤を整えることも可能です。

日本テキサス・インスツルメンツ株式会社 DCESカンパニービデオ&
 イメージング事業部イメージング製品部部長 波多野 誠 様 のコメント

「『DM270』のターゲットとするデジタル家電、DSCの開発者は、短期間で尚且つ大規模ソフトウェアの開発を強いられているのが現状です。『eBinder』は、RTOSが組み込まれたアプリケーション開発手法に特化した豊富なツール群が揃っており、短期間・低コストで、信頼性の高い製品開発が行える、優れた開発環境です。また一度開発したアプリケーションをDM製品群においては同一環境で継続的に使用することが可能となり、システム開発の工数の削減つながっています。」

イーソル株式会社
取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸のコメント

「デジタル・カメラなどのコンシューマ向けデジタル情報家電は、特に市場競争が激しくなっており、短い開発期間で多くの企業独自の機能を搭載することが求められます。デジタル・カメラに多く搭載されている『DM270』向け『eBinder』を使用して開発を行うことで、このような課題は解決されます。」

■補足資料

(1)『eBinder』について
eBinderは、RTOSベースのシステム向け開発スイートです。RTOSベース・プラットフォームと開発ツール群が合わせて提供されます。システム構築及び管理に威力を発揮するコンフィギュレーション及びビルド機能、最大8個までのタスクを全システムを停止することなく同時にデバッグできるマルチコンテキストデバッグ機能、カーネルはもちろん、ソフトウェア部品の状態遷移やプログラム実行時の状態を参照できるシステムデバッグツール、そしてターゲットのファイルシステム操作やマルチコンテキストの実行制御、任意の関数実行などのスクリプトをサポートする、強力なシェルを提供しています。また、他のリアルタイムシステム開発ツールと異なり、これらの機能はターゲットシステムを停止させることなく利用できます。特にアプリケーション開発時においては、カーネルやドライバタスクは停止させずに特定のアプリケーションタスク(群)の検証を行う事ができ、対象となるアプリケーションタスクのみに注力できます。これにより、従来アプリケーションタスクをブレークさせると割り込みもドライバも停止してしまい、実システム動作と異なってしまうという問題や、アプリケーションタスクの検証に下層ソフトの知識が要求されると言った問題を解決し、高品質なソフトウェア開発の検証コストを削減します。特に、PackageBuilder(パッケージビルダ)は、MWベンダ、あるいはユーザが自由にソフト部品パッケージを作成・追加できる機能を提供し、ユーザのソフト部品管理のプラットフォームを提供しています。

▽ 『eBinder』詳細:http://www.ebinder.jp/

(2)イーソル株式会社について
イーソル株式会社は1975年の創業以来、「コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する」、という理念のもと、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
取り扱っている組込みソフトウェア製品には、「eBinder」のほか、μITRON4.0準拠「PrKERNELv4」をはじめ、各種ミドルウェア製品のラインナップがあります。

■ TMS320DM270は日本テキサス・インスツルメンツ社の登録商標です。
■ eBinderはイーソル株式会社の登録商標です。
■ ePartsはイーソル株式会社の登録商標です。
■ PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PrUSBはイーソル株式会社の登録商標です。
■ PictDirectはイーソル株式会社の商標です。
■ TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
■ ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
■ μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
■ TRON および ITRON は特定の商品ないしは商品群を指す名称ではありません。
■ 記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。