2003年1月29日
報道関係者各位

イーソル株式会社
京都マイクロコンピュータ株式会社

eBinder(R)』オプション製品『eBinder for ARM PARTNER-J Option』をリリース


~ARMコア内蔵JTAGポートによる『eBinder』のデバッグポートを実現~
~『eBinder』から『PARTNER-J』の実行制御も同時に対応~
~『PARTNER-J(R)』本体をイーソルから提供~
 

イーソル株式会社(本社:東京都杉並区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)と京都マイクロコンピュータ株式会社(本社:京都市西京区、代表取締役社長:山本彰一、以下KMC)は、イーソルが開発・販売を行っている、RTOSベースのシステム向け開発スイート『eBinder』のオプション製品として『eBinder for ARM PARTNER-J Option』をリリースしたことを発表いたします。 本製品は、KMCが開発・販売を行っているJTAGエミュレータ『PARTNER-J』が提供するブレークやステップ等のJTAGデバッグ機能を『eBinder』ホストから操作可能にする実行制御機能、更にJTAGポートを『eBinder』ホストとターゲットプラットフォーム間のデバッグポートとする通信機能も同時に実現するソフトウェアです。『PARTNER-J』のハード本体と必要なソフトウェアもイーソルから提供します。
→[eBinder(R) の画面イメージ]

本製品は、ARMコアをベースとしたPDAや携帯電話など主に電池駆動型のコンシューマ製品でのソフトウェア開発にも最適です。これらの製品に使用されるASIC等では、シリアルポート等のデバッグ専用のポートを設けられない場合があります。このため、 ARMコアに内蔵されるJTAG ポートを使用してデバッグを行いたい、とのニーズが多くありました。

『eBinder for ARM PARTNER-J Option』の通信機能はこのようなニーズを満たし、JTAGポートを通じてシステムを停止しない個々のタスクのブレークなどを可能にするリアルタイムデバッグツールやシステム解析ツールを含めた、『eBinder』のマルチプログラミング支援機能が利用可能になります。一方でJTAGエミュレータの実行制御機能も同時に利用可能なため、システム全体をブレークさせることもできます。また、デバイスドライバや割り込みハンドラ等のデバッグも容易です。

『PARTNER-J』ユーザにとっては、これまでの資産を利用して『PARTNER-J』が提供するOSやデバイスドライバ等のよりハードウェアに近いプログラムのデバッグ環境に加え、『eBinder』のOS指向の開発ツールとRTOSを中心としたターゲットプラットフォームを利用できるようになります。

【京都マイクロコンピュータ株式会社 のコメント
『eBinder for ARM PARTNER-J Option』はeBinderとPARTNER-J ARMのリンクによりターゲットの開発からOSの開発までをよりスムーズに使いやすくを追求し、高品質な製品を開発することを目的としたソリューションです。弊社の開発支援ツールPARTNER-JがμITRONで絶大なソリューションを提供されているイーソル社のeBinderを対応した事により両社の得意分野を最大限に利用することが可能になりました。また、弊社開発支援ツールについては、イーソル社からの供給が可能です。
今後、開発されるRISC CPU各種についてもイーソル社との強い協力関係を最大限に利用しより良い開発環境のご提供行なっていきます。

【イーソル株式会社
取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸のコメント】

「私たちは、ARMコアをベースとする主に電池駆動型コンシューマ製品の開発プロジェクトにおいて、JTAGポート以外にデバッグ専用のポートがないが、『eBinder』のようなリッチな開発環境が使いたい、といったケースを多くみてきました。『eBinder for ARM PARTNER-J Option』は、 このような開発プロジェクトのニーズを満たすソリューションです。また『PARTNER-J』本体をイーソルから提供することで複数のベンダから開発ツールを入手しなければならない煩わしさを解消します。京都マイクロコンピュータ殿とは『eBinder』の評価ボードの提供など、組込み開発現場へのベストなソリューションを提供していくという共通のミッションを果たすため、密に連携してきました。今後も同社と協力し、よりよいソリューションを提供していきます。」

『PARTNER-J』について
JTAGポートは、RISCを中心とする高速な新世代(システム・オン・シリコン時代)のCPUにおいてデバッグインタフェースポートとして注目されています。このデバッグポートとPARTNER-Jを接続することにより、CPU固有のデバッグ資源を最大限活用する事が可能になりました。 PARTNER-J は、JTAGツールは遅いという古い常識を打ち破り、デバッガの応答速度を犠牲にすることなくターゲットボード上で動作しているCPUから発信される多くの情報を直接デバッガが受け取り、フルに活用することで高価なインサーキットエミュレータと同等の機能を実現しました。
>>『PARTNER-J』詳細:http://www.kmckk.co.jp/j/index.htm

『eBinder』について
eBinderは、RTOSベースのシステム向け開発スイートです。RTOSベース・プラットフォームと開発ツール群が合わせて提供されます。システム構築及び管理に威力を発揮するコンフィギュレーション及びビルド機能、最大8個までのタスクを全システムを停止することなく同時にデバッグできるマルチコンテキストデバッグ機能、カーネルはもちろん、ソフトウェア部品の状態遷移やプログラム実行時の状態を参照できるシステムデバッグツール、そしてターゲットのファイルシステム操作やマルチコンテキストの実行制御、任意の関数実行などのスクリプトをサポートする、強力なシェルを提供しています。また、他のリアルタイムシステム開発ツールと異なり、これらの機能はターゲットシステムを停止させることなく利用できます。特にアプリケーション開発時においては、カーネルやドライバタスクは停止させずに特定のアプリケーションタスク(群)の検証を行う事ができ、対象となるアプリタスクのみに注力できます。これにより、従来アプリタスクをブレークさせると割り込みもドライバも停止してしまい、実システム動作と異なってしまうという問題や、アプリタスクの検証に下層ソフトの知識が要求されると言った問題を解決し、高品質なソフトウェア開発の検証コストを削減します。特に、 PackageBuilder(パッケージビルダ)は、MWベンダ、あるいはユーザが自由にソフト部品パッケージを作成・追加できる機能を提供し、ユーザのソフト部品管理のプラットフォームを提供しています。
>>『eBinder』詳細:http://www.ebinder.jp/

京都マイクロコンピュータ株式会社について
1985年の設立以来、開発環境の充実をテーマに製品の充実をはかってまいりました。ソフトウェア技術を中心に、それを活用するためのハードウェアを独自に開発しています。ROMインサーキットデバッガ、コンパイラなどの開発環境と、CPUの高速化に対応するためのボード類を軸に時代のニーズにお応えする製品を開発してまいりました。 RISC CPUへの対応やJTAGツールの対応など、他社よりもより早く 、今求められる技術、製品を開発する当社に今後もご期待下さい。

イーソル株式会社について
イーソル株式会社は1975年の創業以来、コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する、という理念のもと、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
取り扱っている組込みソフトウェア製品には、「eBinder」のほか、μITRON4.0準拠「PrKERNELv4」をはじめ、各種ミドルウェア製品のラインナップがあります。

■ eBinderはイーソル株式会社の登録商標です。
■ PackageBuilderはイーソル株式会社の商標です。
■ PARTNER-Jは京都マイクロコンピュータ株式会社の商標です。
■ Solution Platform for ARM7は京都マイクロコンピュータ株式会社の商標です。
■ TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
■ ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
■ μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
■ TRON および ITRON は特定の商品ないしは商品群を指す名称ではありません。
■ 記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。