株式会社ソフィアシステムズ(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:斉藤正志)とイーソル株式会社(本社:東京都杉並区、代表取締役社長:澤田勉)は、 μITRON統合開発環境「eBinder」とJTAGエミュレータ「UniSTAC Ⅱ/J」の連携動作のための開発作業を共同で行い、「eBinder」の「UniSTAC Ⅱ/J」対応版をリリースすることを発表します。リリース日は、6月21日を予定しています。
今回の対応により、「eBinder」を使ったデバッグ時に「UniSTAC Ⅱ/J」がターゲットボードとホストコンピュータを通信する手段として機能するようになりました。「eBinder」のようなソフトウェアデバッガは、ターゲットボードとホストコンピュータ間の通信に、シリアルやUSB、Ethernet等のターゲット資源を使用します。デジタル家電製品などのコンシューマ製品ではこれらのインタフェースを実装しないケースも多く、この場合、ターゲットボードにデバッグのためのポートを新たに実装する必要がありました。しかしながら、JTAG通信機能を持つ「UniSTAC」との連携により、この制限がなくなります。JTAGポートはARMなどのCPUで、ハードウェア/ソフトウェアデバッグのために標準で装備されているインタフェースです。デバッグ専用のポートを改めて実装する必要なく、 JTAGポートを使ってターゲット-ホスト間の通信が可能になります。デバッグ用インタフェースを実装していないターゲット環境で「eBinder」を使うことができるようになるのはもちろんのこと、これまでデバッグのために占有されていたターゲット資源をユーザアプリケーションのために自由に使うことができます。
また「UniSTAC」ユーザは、「eBinder」とあわせて使うことで、OS指向のデバッグが可能になります。 複数のタスクを同時に実行制御できるマルチコンテキストデバッグ機能や、OSの状態遷移をグラフィカルに 表示できるトレースアナライザ、OSやソフトウェア部品の内部情報をリアルタイムにツリー表示できるブラウザなど、 「eBinder」が提供する全ての機能とツールを使うことができるようになります。
このたびARM7が搭載されたCQ出版製CPUボードをターゲットに、「eBinder」と「UniSTAC Ⅱ/J for ARM7」 の連携が実現しました。今後、SH、MIPSと順次対応を進めていきます。イーソルとソフィアシステムズは、 通信機能での連携のほか、将来的にJTAGエミュレータの実行制御機能での連携も視野に入れています。 株式会社ソフィアシステムズ 取締役開発本部長の樫平 扶 のコメント 「『eBinder』を完全にサポートすることで、当社はμITRON開発用ツール分野におけるリーダシップを前進させます。当社では、イーソルの『eBinder』がμITRON開発環境において非常に大きな 成果を収めていると考えています。また、当社はイーソルの顧客に向けた業界先端デバッギング・ソリューションの提供に取り組んでいます」と述べています。
イーソル株式会社 取締役エンベデッドプロダクツ事業部 上山伸幸 のコメント 「複雑化・高機能化の一途をたどる組込みシステムの開発現場において、各開発工程をトータルにサポートする環境が求められています。「eBinder」は、ICEをはじめとする各種開発ツールとの連携が容易にできるよう設計されているのが特長です。組込み市場で定評のあるソフィアシステムズの JTAGエミュレータ「UniSTAC Ⅱ/J」との連携により、組込み開発者を大いにバックアップできることを確信しています。」
「UniSTAC Ⅱ/J」について UniSTACTMⅡ/Jは、標準でハードウェア・ブレークポイントや無制限のソフトウェア・ブレークポイント、 外部フラッシュROMへプログラムを直接ダウンロードする機能、分岐トレース、FPGAプログラミング機能などを 装備しています。また、UniSTACTMⅡ/Jとホストコンピュータは、USBまたはLANにより簡単に接続できます。 UniSTACTMⅡ/Jには、エミュレータ・ハードウェアの機能を最大限に引き出す、C/C++言語対応高級言語デバッガ 「WATCHPOINT」が標準添付されています。「WATCHPOINT」は、複数モジュールの高速ダウンロード機能、 プロジェクトツリーウィンドウによるシンボルやソースファイル、関数などへ簡単にアクセスする機能、 専用ウィンドウによる内部レジスタの参照および変更機能などを装備しています。 これら「UniSTACTMⅡ/J」と「WATCHPOINT」との組み合わせにより、マイコン組込機器のソフトウェア開発を強力に支援します。
「eBinder」について μITRONは、いまやOSが搭載された全家電製品の80パーセントのシェアを持つ、最もポピュラーなカーネルです。その一方で、現在市販されているμITRONの開発環境には、μITRONの特性を生かした十分な機能が提供されていない現状があります。トロン協会の調査では、ITRONの短所として、14.1パーセントの技術者が「開発環境/ツールの不足」を挙げています。(トロン協会、MST2000アンケート結果より)また、μITRONはスケジューリング機能のみを実装したコンパクトなカーネルであるため、必要なソフトウェア部品と組み合わせる必要があります。他社のμITRONやソフトウェア部品の組み合わせは、なかなかスムーズにいかないのが通常です。 eBinderは、これらの課題を解決するμITRON対応組込み開発環境です。最大8個までのタスクを同時にデバッグできるマルチコンテキストデバッグ機能、カーネルはもちろん、ソフトウェア部品の状態遷移やプログラム実行時の状態を参照できるシステムデバッグツールなど、リッチなデバッグ機能を提供します。また、μITRONとアプリケーションに必要な最低限のソフトウェア部品を、そのベンダや種類を問わず、自由に組み合わせることができ、コンフィギュレーションからビルド、デバッグ・テストまでの開発工程をサポートします。さらに、ソフトウェア部品とそれらの情報をXMLファイルに記述しパッケージ化する手法により、ソフトウェア部品の再利用と流通を促進するほか、開発現場が抱えている開発期間の短縮・品質の向上といった課題を解決します。 eBinderは、μITRON以外のOSへも対応できるよう設計されており、他のOSへの対応も視野に入れています。
株式会社ソフィアシステムズについて 株式会社ソフィアシステムズは1975年に設立され、20年以上にわたり、組込みシステム分野で リーダ的役割を担ってきました。現在でもソフィアシステムズは、日本の組込みシステム開発テクノロジー によるリーダであり、新製品の開発と改良を常に行っています。ソフィアは、組込み開発の有力企業と、 緊密な関係で仕事をしています。また、先駆的なテクノロジーを持つ企業などと、新しいパートナーシップを 形成するよう常に努力しています。ソフィアシステムズは、多くのハードウェアエンジニアおよび ソフトウェアエンジニアが、限られた時間と予算内で、開発プロジェクトを完了させることを可能にする、 強力で信頼性のあるリアルタイム・マイクロプロセッサ・エミュレーションシステムを一貫して提供しています。 この高品質な製品は、企業や官公庁、研究機関、学校関係などの顧客から、長期にわたり満足されています。 ソフィアシステムズは、国内では、東京および名古屋、大阪に営業拠点があります。 また海外では、 米国カリフォルニアに支店、その他アジアや中東、ヨーロッパに、販売代理店網があります。
イーソル株式会社について イーソル株式会社は1975年の創業以来、コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する、という理念のもと、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。 取り扱っている組込みソフトウェア製品には、μITRON対応統合開発環境「eBinder」のほか、ライセンス & ロイヤリティフリーでソースコードを公開しているμITRON「PrKERNEL」をはじめ、各種ミドルウェア製品のラインナップがあります。
以上
*UniSTACは株式会社ソフィアシステムズの商標です。 *eBinder, eParts, PrKERNEL, PrKERNELv4はイーソル株式会社の登録商標です。 *PackageBuilderはイーソル株式会社の商標です。 *TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。 *ITRON は "Industrial TRON" の略称です。 *μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。 *TRON および ITRON は特定の商品ないしは商品群を指す名称ではありません。 *その他すべての名称は、各社の登録商標、商標、またはサービスマークです。 |