2001年11月14日
報道関係者各位

イーソル株式会社

イーソル、統合開発環境『eBinder』のSH-4対応版を開発中

~来年初頭のリリースを予定~
 

組込みシステムエンジニアリング技術と製品を提供するイーソル株式会社(本社:東京都杉並区、代表取締役社長:澤田勉)は、イーソルが開発・販売する組込みシステム統合開発環境『eBinder』のSH-4対応版を開発中であることを発表しました。来年初頭のリリースを予定しています。『eBinder』がSH-4に対応することで、 SH-4をコアとするマルチメディア機器などのソフトウェア開発にかかる、コストと工数を劇的に削減します。

 新製品は、ターゲットボードとして、SH7751が搭載された京都マイクロコンピュータ製「Solution Platform」(KZ-SH4PCI-01)に対応しています。また、コンパイラとして、GNUに対応しています。 今後、日立製純正コンパイラなどに対応する予定があります。『eBinder』が対応しているSH7751は、 128ビットのグラフィックエンジンと300MIPSの高性能を実現、CPUにSH-4を採用し さらにFPU、PCIバスコントローラ、キャッシュなどを内蔵したマルチメディア機器向けのRISCマイコンです。 『eBinder』が持つリッチなデバッグ・テスト機能は、SH7751をコアとするデジタルカメラやデジタルAV機器などの コンシューマ製品をはじめ、FA機器やOA、通信機器など、組込みソフトウェア開発者の肩にかかる コストと工数の大幅な軽減に寄与します。

尚、11月20日から11月22日に東京ビッグサイト(西3・4ホール)にて開催される『MST2001』(第15回Embedded Technology Conference and Exhibition)弊社ブース(ブースNo : C-09)にて、当該製品β版を発表し、デモ実演を行います。

■『eBinder』について
μITRONは、いまやOSが搭載された全家電製品の80パーセントのシェアを持つ、最もポピュラーなカーネルです。その一方で、現在市販されているμITRONの開発環境には、μITRONの特性を生かした十分な機能が提供されていない現状があります。トロン協会の調査では、ITRONの短所として、14.1パーセントの技術者が「開発環境/ツールの不足」を挙げています。(トロン協会、MST2000アンケート結果より)また、μITRONはスケジューリング機能のみを実装したコンパクトなカーネルであるため、必要なソフトウェア部品と組み合わせる必要があります。他社のμITRONやソフトウェア部品の組み合わせは、なかなかスムーズにいかないのが通常です。
eBinderは、これらの課題を解決するμITRON対応組込み開発環境です。最大8個までのタスクを同時にデバッグできるマルチコンテキストデバッグ機能、カーネルはもちろん、ソフトウェア部品の状態遷移やプログラム実行時の状態を参照できるシステムデバッグツールなど、リッチなデバッグ機能を提供します。また、μITRONとアプリケーションに必要な最低限のソフトウェア部品を、そのベンダや種類を問わず、自由に組み合わせることが容易にでき、コンフィギュレーションからビルド、デバッグ・テストまでの開発工程をサポートします。さらに、ソフトウェア部品とそれらの情報を XMLファイルに記述しパッケージ化する手法により、ソフトウェア部品の再利用と流通を促進するほか、開発現場が抱えている開発期間の短縮・品質の向上といった課題を解決します。
eBinderは、他のOSへも対応できるよう設計されており、現在注目されている組込みLinuxなども視野に入れています。

以上

*eBinderはイーソル株式会社の商標です。
*TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON および ITRON は特定の商品ないしは商品群を指す名称ではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。