プレスリリース

アバールデータとイーソル、メニーコア技術を活用した高速データ処理エンジンの開発で協業


報道関係者各位 
株式会社アバールデータ
イーソル株式会社

株式会社アバールデータ(本社:東京都町田市、代表取締役社長:広光勲、以下アバールデータ)とイーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川勝敏、以下イーソル)は、メニーコア技術を使った超高速データ処理エンジンおよび関連ソリューションの開発で協業することを発表します。次世代の計測機器や検査機器、医療機器、放送機器や産業用ロボット、半導体製造装置といった超高速なデータ処理が必要な組込みシステムでの採用を見込んでいます。

近年の画像の高精細化により、画像センシング処理で取り扱う画像データが大容量化しています。また、計測機器や検査機器、通信機器においても、サンプリングデータや通信データの大容量化が同様に進んでいます。こうした大容量データを高速に取り扱うために、従来高速なプロセッサやマルチコアプロセッサが利用されてきましたが、処理効率の限界が見えてきています。またマルチメディアデータ専用の処理プロセッサとしてGPU(Graphics Processing Unit)を利用するためには、GPUの仕様やライセンスが容易に入手できないケースが多くあります。今回の協業により、メニーコアプロセッサの高い処理能力と電力効率を活用した超高速処理エンジンを開発し、こうした大容量データ処理の課題をハードウェアおよびソフトウェアの両面から解決します。

アバールデータは、画像や通信などの高速データ処理の分野で、ハードウェアとアルゴリズム開発の優れた技術を保有しています。なかでも、PCI Expressや画像処理、高速通信向けの独自IPである「AVAL IP」は、マシンビジョン向けに高速化、高精細化するカメラの大容量データを破綻なく処理する画像入力ボードや画像処理を搭載したスマートカメラ、変動周波数入力に対応した高速A/D変換ボードや共有メモリを光でつなぎ装置間の高速転送を実現するGiGA CHANNELなどの製品に実装されています。これらの製品は、半導体製造装置や外観検査装置・医療機器などの産業機器で多数の採用実績をもっています。

イーソルは、商用では世界初となる組込みシステム向けメニーコアプロセッサ対応リアルタイムOS「eSOL eMCOS」を開発した高度なOS技術およびメニーコア分野におけるリーダーシップを強みとしています。eMCOSは、これまでのリアルタイムOSとはまったく異なるアーキテクチャを採用することで、キャッシュコヒーレンシー確保が前提の既存のOSアーキテクチャの限界を克服し、数十、数百のコアを持つメニーコアプロセッサの性能を最大限に引き出します。さらに、特許出願中のスケジューリングアルゴリズム「セミプライオリティベーススケジューリング」(特願2012-247172)により、メニーコアで期待される高いパフォーマンスとスケーラビリティに加えて、組込みシステムに不可欠なリアルタイム性を両立しています。またイーソルは、米国Multicore AssociationのSoftware-Hardware Interface for Multi-many-core(SHIM)ワーキンググループのチェアを務め、さらにマルチコア/プロセッサ向けプログラム並列化技術の強化で早稲田大学と共同研究を進めるなど、産学連携や業界団体を通じた活動も活発に行い、メニーコア技術の推進に注力しています。

またアバールデータとイーソルは、今回の協業を含む両社製品の付加価値と競争力の向上などを目的に、両社の株式の一部を相互に取得しました。


株式会社アバールデータ 代表取締役社長 広光 勲 のコメント
「優れたリアルタイムOSベンダーであるイーソルは、私たちのようなハードウェアを中心としたシステム開発のベンダーとしては重要なパートナーです。eSOL eMCOSと弊社の超高速データ処理技術により、画像処理や高速データ処理が求められる組込み機器へのソリューションを開発します。」

イーソル株式会社 代表取締役社長 長谷川 勝敏 のコメント
「アバールデータとの今回の協業により、イーソルのメニーコアOS技術とアバールデータの高速データ処理およびハードウェア技術を組み合わせ、データの大容量化に伴う課題を解決していきます。資本提携により、従来のパートナー関係をさらに強固にし、相互の強みを生かした付加価値の高いソリューションが提供できるようになると考えています。


■補足資料

株式会社アバールデータについて

アバールデータは、1959年の設立以来、半世紀にわたり高い信頼性が要求されるFA分野に向けて組込みコンピュータを開発、提供してきました。主な製品には、CPUモジュールに代表される様々な制御ボードコンピュータや画像処理ボード、スマートカメラ、高速アナログボード、光を使った高速シリアル通信ボードなどがあり、独自のコア技術を搭載しています。現在は、ミッションクリティカルなシステムの開発において重要になってきた「高速データ処理」をキーワードに組込みシステムのハード/ソフト両面から総合的に製品を提供しています。1991年に現JASDAQ に株式公開しました。関連会社にはCTIやスマートグリッド分野の製品を開発する株式会社アバール長崎があります。

アバールデータ ホームページ


イーソル株式会社について

イーソル株式会社は「Inside Solution」をブランドスローガンに、1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、および流通・物流業界で実績を重ねて参りました。ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、そしてトータルソリューションを提供しております。弊社は創業直後より30年以上にわたって、高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各種ミドルウェアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品から車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに採用いただいています。日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。さらに、顧客様のシステムに特化した組込みアプリケーション開発やコンサルテーションも創業時より行っており、これら様々な規模のシステム開発実績による技術とノウハウの蓄積を背景としたサービスは、多くの顧客企業様より高いご信頼をいただいております。また、組込み技術の応用市場としての流通・物流業界においても、指定伝票発行用車載プリンタ、耐環境ハンディターミナル、冷凍庫ハンディターミナルなどの製品企画および販売を行い、高い評価をいただいております。

イーソル会社情報へ

報道関係者向けPDF形式ファイルはこちら