次世代ADASやインダストリアルIoT 向けXilinx Zynq UltraScale+ MPSoCをイーソルのスケーラブルRTOS「eMCOS」をコアとするプラットフォームがサポート
「組込み総合技術展/Embedded Technology2016(ET2016)」(会期:2016年11月16日(水)~18日(金)、会場:パシフィコ横浜)のザイリンクス社ブース(ブースNo.D-11)にて、Zynq UltraScale+ MPSoC対応スケーラブルRTOSプラットフォームのデモを行います。
Zynq UltraScale+ MPSoCは、最新のARMv8アーキテクチャを採用したARM Cortex-A53クアッドコアプロセッサと、ARMv7アーキテクチャのARM Cortex-R5デュアルコアプロセッサが搭載された、ヘテロジニアスマルチコア構成です。ARM Cortex-A53クアッドコアプロセッサは、32ビットまたは64ビットのデータ幅に対応しています。従来のZynq-7000 All Programmable SoCから、ARM Mali™GPUやH.264/H.265ビデオコーデックが新たに統合され、高品位なグラフィックスやビデオ処理の性能が強化されています。
Zynq UltraScale+ MPSoCをサポートするeMCOSの分散型マイクロカーネルアーキテクチャでは、各コアにマイクロカーネルが配置されます。マイクロカーネル間の通信は、分散コンピューティングに最適なメッセージパッシング方式で行われるため、実行されているコアやプロセッサが異なっても、アプリケーション間での高速通信が可能です。またコーデックや画像関連処理など、高度に並列化されたアプリケーションの実行には、低オーバーヘッドで並列スレッド実行と同期・通信が可能なスレッドプールライブラリとFast Messagingライブラリを提供しています。eMCOS独自のスケジューリングアルゴリズム「セミプライオリティベーススケジューリング」(特許第5734941号 、5945617号取得)により、高いパフォーマンスとスケーラビリティに加えて、組込みシステムに不可欠なリアルタイム性の両立を実現できます。従来のシングルコアプロセッサやマルチコアプロセッサと同じプログラミングモデルとインターフェースを利用でき、ソフトウェア資産の流用や開発効率の向上を可能にします。
Zynq UltraScale+ MPSoC 搭載ARM Coretex-A53コアプロセッサの32ビットモードおよびARM Cortex-R5コアプロセッサは、幅広い分野で多数の採用実績を持つTRONベースリアルタイムOS「eT-Kernel」も利用できます。eT-KernelはZynq-7000 All Programmable SoCにも対応しています。μITRONに近い小規模な構成から、メモリ保護、プロセスモデル、POSIX仕様準拠を含む大規模な構成までをシームレスにサポートする、3つのプロファイルを用意しています。今回Zynq UltraScale+ MPSoCの32ビットモードをサポートするのは、優れたリアルタイム性と省メモリが特長の「eT-Kernel Compact」です。eT-Kernel Compactは、自動車向け ISO 26262 ASIL Dおよび産業機器向け IEC 61508 SIL 4適合の第三者認証を受けています。
eMCOSおよびeT-Kernelでのアプリケーション開発には、Zynq UltraScale+ MPSoCの64ビットモード/32ビットモードのいずれも、リアルタイムOSベース統合開発環境「eBinder」を利用できます。リアルタイムOSを使ったソフトウェア開発に特化したeBinderを利用することで、高品質なアプリケーションを効率的に開発できます。
イーソル株式会社 常務取締役 上山 伸幸 のコメント
「ADASやインダストリアルIoTなど次世代の組込みシステムでは、ヘテロジニアス・コンピューティングが最も有力な選択肢のひとつです。次世代アーキテクチャのARM Cortex-A53コアプロセッサの優れた性能と電力効率に、高いリアルタイム性を実現するARM Cortex-R5コアプロセッサを搭載したZynq UltraScale+ MPSoCと、イーソルの高いパフォーマンスとリアルタイム性を実現するスケーラブルリアルタイムOSプラットフォームを組み合わせて提供することにより、品質とリアルタイム性に優れたソフトウェア開発と、開発効率の向上をバックアップしていきます。」
■補足資料
eMCOSについて
eMCOS(エムコス)は、シングルコアからマルチ・メニーコアプロセッサまでをサポートした商用では世界初の組込みシステム向けスケーラブルリアルタイムOSです。従来のリアルタイムOSとはまったく異なる「分散型マイクロカーネルアーキテクチャ」を採用することで、コア数の違いに加え、マイコンやGPU、FPGAなどアーキテクチャが異なるヘテロジニアスなハードウェア構成をサポートするスケーラビリティを実現しています。さらに、イーソルの独自技術「セミプライオリティベーススケジューリング」(特許 第5734941号、第5945617号)を搭載することで、メニーコアで期待される高いパフォーマンスとスケーラビリティに加えて、組込みシステムに不可欠なリアルタイム性を両立しています。また、シングルコアプロセッサやマルチコアプロセッサと同じプログラミングモデルとインターフェースを利用した、従来の方法でアプリケーションを開発できます。
eMCOS詳細
イーソル株式会社について
イーソル株式会社は「Inside Solution」をブランドスローガンに、1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、および流通・物流業界で実績を重ねて参りました。ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、そしてトータルソリューションを提供しております。弊社は創業直後より40年以上にわたって、高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各種ミドルウェアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品から車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに採用いただいています。日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。さらに、顧客様のシステムに特化した組込みアプリケーション開発やコンサルテーションも創業時より行っており、これら様々な規模のシステム開発実績による技術とノウハウの蓄積を背景としたサービスは、多くの顧客企業様より高いご信頼をいただいております。また、組込み技術の応用市場としての流通・物流業界においても、指定伝票発行用車載プリンタ、耐環境ハンディターミナル、冷凍庫ハンディターミナルなどの製品企画および販売を行い、高い評価をいただいております。
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