プレスリリース

AUTOSAR仕様準拠スケーラブルリアルタイムOS「eMCOS AUTOSAR」を開発


~車載制御ECUからADAS、自動運転システムまでをサポートするスケーラブルな車載ソフト基盤を提供~


報道関係者各位 
イーソル株式会社

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川 勝敏、以下イーソル)は、シングルコアプロセッサからマルチ・メニーコアプロセッサまでをスケーラブルにサポートする世界初の商用リアルタイムOS「eMCOS」のAUTOSAR仕様準拠プロファイル「eMCOS AUTOSAR」を開発したことを発表します。限られた資源で厳しい性能が求められる車載制御ECU向けに、すぐれたハードリアルタイム性と省メモリを実現しています。コア数の違いに加え、オンチップフラッシュマイコンやGPU、FPGAなどアーキテクチャが異なるヘテロジニアスなハードウェア構成をサポートするeMCOSのスケーラビリティにより、パワートレイン、ボディ、セーフティなどの制御ECUから先進運転支援システム(ADAS)や自動運転システムまでをカバーする統合的な車載ソフトウェア基盤を提供します。

イーソルが開催する「eSOL Technology Forum2016『IoT時代のソフトウェアプラットフォーム』」(開催日:2016年9月27日、会場:東京コンファレンスセンター・品川)にて、eMCOS AUTOSARの解説とデモを行います

eMCOS AUTOSARはAUTOSAR Release 4.2.1に準拠し、基本機能を定義するSC(Scalability Class)1およびメモリ保護に関する拡張を規定するSC3に適合しています。eMCOS本体は、一つのカーネルで複数のコアを扱う従来のリアルタイムOSと異なり、すべての各コアにマイクロカーネルを配置する分散マイクロカーネルアーキテクチャを採用しています。これにより、ECUで使われるオンチップフラッシュマイコンから高性能なメニーコアプロセッサまでをサポートするスケーラビリティを実現しています。eMCOS AUTOSARは、AUTOSAR APIをマイクロカーネルの拡張モジュールとして実装することで、既存のAUTOSAR OSの同等以上の性能とメモリサイズをシングルコア環境でも実現しています。さらにeMCOSは、AUTOSARに加え、POSIXなどの標準APIをサポートしているため、別のプロセッサで動作するAUTOSARアプリケーションとPOSIXアプリケーションを分散システムとして構築することが容易です。マイクロカーネル間の通信に分散コンピューティングに最適なメッセージパッシング方式を採用しているため、実行されているコアやプロセッサが異なっても、アプリケーション間での高速通信が可能です。

eMCOS AUTOSARに加え、半導体ベンダから提供されるEclipseベースの統合開発環境にプラグインして利用するイーソルの「eMCOS IDE Plug-in」を用意しています。eMCOS IDE Plug-inには、eMCOSに特化した各種システム解析ツールやユーティリティが含まれています。今後、イーソル製リアルタイムOSベースシステム開発スイート「eBinder」に統合される予定です。さらに、モデルベース並列化ツール「eSOL MBP」や豊富な車載システム開発経験から得た技術や知見をバックにするコンサルティングサービスを組み合わせて、マルチ・メニーコア環境の車載ソフトウェアの設計・開発を強力に支援します。

イーソルは、2016年4月にAUTOSARのプレミアムメンバーとしての承認を受け、次世代のAUTOSAR仕様「Adaptive Platform」を含むAUTOSAR仕様策定に参加しています。また、米国Multicore AssociationではSoftware-Hardware Interface for Multi-many-core(SHIM)ワーキンググループのチェア、日本でマルチ・メニーコア技術の標準化を進める組込みマルチコアコンソーシアムでは副会長兼理事を務めています。さらに、国内外の主要メーカ、スタートアップ企業、名古屋大学や立命館大学等との共同研究を通じて、自動運転システムの性能要求を満たすRTOSの技術開発にも積極的に取り組んでいます。「あいち ITSワールド 2015/第19回名古屋モーターショー」(2015年11月)では、オープンソースの自動運転システム用ソフトウェア「Autoware」の実行環境としてeMCOSが実装された自動運転車のデモ走行が行われました。


イーソル株式会社 ソフトウェア技術統括責任者 兼 技術本部長 権藤 正樹 のコメント


「IoT時代の車載システムは、車内・車外のシステムとつながり、自システムの安全性やセキュリティを確保しながら、自律・分散・協調した動作が求められます。連携するさまざまなシステムには、要求される性能や機能に合わせて、省資源のオンチップフラッシュマイコンから高性能なマルチ・メニーコアまで、幅広いハードウェア技術が使われます。今回発表したeMCOS AUTOSARは、いわゆる『AUTOSAR Classic Platform』のサポートとなります。eMCOSのスケーラビリティを生かして、イーソルが仕様策定に参画しているAUTOSAR Adaptive Platformのサポートを視野に入れています。今後も、最新の世界標準AUTOSARのイーソルRTOS製品への反映を継続し、開発・設計ツールを組み合わせた次世代の車載ソフト開発支援をさらに強化してまいります。」



■補足資料

eMCOSについて


eMCOS(エムコス)は、シングルコアからマルチ・メニーコアプロセッサまでをサポートした商用では世界初の組込みシステム向けスケーラブルリアルタイムOSです。従来のリアルタイムOSとはまったく異なる「分散型マイクロカーネルアーキテクチャ」を採用することで、コア数の違いに加え、マイコンやGPU、FPGAなどアーキテクチャが異なるヘテロジニアスなハードウェア構成をサポートするスケーラビリティを実現しています。さらに、イーソルの独自技術「セミプライオリティベーススケジューリング」(特許 第5734941号、第5945617号)を搭載することで、メニーコアで期待される高いパフォーマンスとスケーラビリティに加えて、組込みシステムに不可欠なリアルタイム性を両立しています。また、シングルコアプロセッサやマルチコアプロセッサと同じプログラミングモデルとインターフェースを利用した、従来の方法でアプリケーションを開発できます。

eMCOS詳細

イーソル株式会社について

イーソル株式会社は「Inside Solution」をブランドスローガンに、1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、および流通・物流業界で実績を重ねて参りました。ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、そしてトータルソリューションを提供しております。弊社は創業直後より30年以上にわたって、高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各種ミドルウェアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品から車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに採用いただいています。日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。さらに、顧客様のシステムに特化した組込みアプリケーション開発やコンサルテーションも創業時より行っており、これら様々な規模のシステム開発実績による技術とノウハウの蓄積を背景としたサービスは、多くの顧客企業様より高いご信頼をいただいております。また、組込み技術の応用市場としての流通・物流業界においても、指定伝票発行用車載プリンタ、耐環境ハンディターミナル、冷凍庫ハンディターミナルなどの製品企画および販売を行い、高い評価をいただいております。

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