プレスリリース

組込みソフトウェア開発ツール「eBinder」がメジャーバージョンアップ


報道関係者各位

イーソル株式会社

   

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川 勝敏、以下イーソル)は、組込みソフトウェア開発ツール「eBinder」のメジャーバージョンアップを実施し、「eBinder version2」としてリリースしたことを発表します。オープンソースの統合開発環境「Eclipse」に対応することで、設計、デバッグから検証・テストまで、各開発工程で使われる様々な開発ツールをプラグインとして追加し、機能拡張できるフレームワークを整備しました。これにより、ますますインテリジェント化が進む組込みソフトウェア開発の新しい高度な要求に柔軟に対応し、低コストで効率的な開発支援をさらに強化していきます。

「第19回 組込みシステム開発技術展(ESEC)」(会期:2016年5月11日(水)~13日(金)、会場:東京ビッグサイト(東京・有明))のイーソルブース(ブース番号:西5-32)にて、eBinder version2のデモを実演します。

eBinderは、リアルタイムOSを使うソフトウェア開発のためにゼロから設計・開発された統合開発環境です。2001年の発売以来、車載情報機器や人工衛星、産業機器、コンシューマ機器など、幅広い分野の多くのプロジェクトで採用されてきた実績があります。様々な書類を綴じ込む「バインダー」をコンセプトに開発されたeBinderは、システムのコンフィギュレーション、ビルド、デバッグから検証までの一連のソフトウェア開発工程カバーする、C/C++コンパイラを含む開発ツール群を提供します。さらに、システムに搭載される、リアルタイムOS、各種ミドルウェアやライブラリ、ドライバなどの様々なソフトウェア部品を容易に統合し、扱いやすくするための仕組みを提供しています。今回のメジャーバージョンアップにより、標準で提供される開発ツールに加えて、市場に多数流通している様々なEclipseプラグインツールから、開発者が選択したものを自由にeBinderに統合して利用できるため、開発のさらなる効率化が可能になります。今後、要件管理ツールや、静的/動的解析ツールなどの連携を予定しています。

eBinderは、機能安全規格 ISO 26262(自動車)およびIEC 61508(産業機器)で規定されている最高レベルの安全要件を満たした開発プロセスで開発が行われていることが認証機関により確認されています。機能安全規格への適合が求められる自動車や産業機器、医療機器などに加えて、高い品質が求められるソフトウェア開発に最適です。

eBinderは、イーソルのリアルタイムOSをコアとする「eSOL Platform」を構成する開発ツールです。eSOL Platformは、マイコン、シングルコアからマルチ・メニーコアプロセッサまでスケーラブルにサポートするリアルタイムOS、ネットワークプロトコルやファイルシステム、USBスタック、GUIなどの各種ミドルウェア、eBinderが緊密に統合されており、さらに開発現場のニーズに最適化したプロフェショナルサービスがあわせて提供されます。

eBinderは、T-Kernel 2.0を拡張したリアルタイムOS「eT-Kernel」を構成する、μITRONからの移行に最適な「eT-Kernel/Compact」、プロセスモデルおよびメモリ保護機能をサポートした「eT-Kernel/Extended」、POSIX仕様に本格的に準拠しLinux資産の再利用が容易な「eT-Kernel/POSIX」の3つのプロファイルをサポートしています。さらにSMP型/AMP型プログラムの混在を可能にする「eT-Kernel Multi-Core Edition」をベースとするマルチコアプロセッサ向けソフトウェア開発に有用な各種マルチプログラミング機能を提供しています。今後、マイコンからシングルコア、ヘテロジニアスなマルチ・メニーコアプロセッサ、さらにマルチチップ構成までをスケーラブルにサポートした「eMCOS」のサポートを計画しています。


イーソル株式会社 執行役員 エンベデッドプロダクツ事業部長 上倉 洋明 のコメント

「eBinderのメジャーバージョンアップは、今後ますます高度化、複雑化が進む組込みソフトウェア開発現場の要求に、即座に柔軟に対応できる基盤を整えることが目的でした。市場で広く支持されているEclipseに対応することにより、eBinderの拡張性を向上させました。今後も変わらず、リアルタイム性、信頼性、安全性が求められる組込みソフトウェア開発向けに、リアルタイムOSプラットフォーム製品の研究開発とサービス拡充を継続していきます。」

■補足資料

eSOL Platformについて

eSOLプラットフォームは、イーソルのコア技術を注入したリアルタイムOSをベースとするソフトウェアプラットフォームです。コアとなるリアルタイムOSは、シングルコアからマルチ・メニーコアプロセッサまでをスケーラブルにサポートする商用では世界初の最先端のリアルタイムOS「eMCOS」と、機能安全認証(ISO 26262、IEC 61508)を取得した実績豊富なTRON系リアルタイムOS「eT-Kernel」から、開発システムの規模や用途に応じて選択できます。POSIXやTRON(T-Kernel、μITRON)、AUTOSARなどの主要なAPIを提供するRTOSプラットフォームにより、これまでのソフトウェア資産やエンジニアリソース、専門技術の再利用が容易になります。リアルタイムOSを中心に、開発ツール「eBinder」、ネットワーク/ファイルシステム/USB/グラフィックスなどの豊富なミドルウェアに加え、製品サポートや受託開発などを含むプロフェッショナルサービスで構成されています。動作検証があらかじめ済んでいるので、チューニングやカスタマイズなどの必要なく、すぐに動作します。ソフトウェアだけでなく、ニーズに合わせたプロフェッショナルサービスをあわせてご提供することで、開発者がアプリケーション開発に専念できる環境を作ります。eSOLプラットフォームは、カーナビやデジタル家電に加え、航空・宇宙分野、FA機器、OA機器など幅広い分野で多くの採用実績があります。
「eSOL Platform」詳細


イーソル株式会社について

イーソル株式会社は「Inside Solution」をブランドスローガンに、1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、および流通・物流業界で実績を重ねて参りました。ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、そしてトータルソリューションを提供しております。弊社は創業直後より30年以上にわたって、高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各種ミドルウェアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品から車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに採用いただいています。日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。さらに、顧客様のシステムに特化した組込みアプリケーション開発やコンサルテーションも創業時より行っており、これら様々な規模のシステム開発実績による技術とノウハウの蓄積を背景としたサービスは、多くの顧客企業様より高いご信頼をいただいております。また、組込み技術の応用市場としての流通・物流業界においても、指定伝票発行用車載プリンタ、耐環境ハンディターミナル、冷凍庫ハンディターミナルなどの製品企画および販売を行い、高い評価をいただいております。
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