プレスリリース

ARM NEONに最適化された、ディープラーニングライブラリ「UncannyDL」の提供を開始


~GPUやクラウドコンピューティングを利用せずに、ADAS、マシンビジョン、監視カメラ等の様々な組込み機器における高度な画像認識が可能に~


報道関係者各位
イーソル株式会社
Uncanny Vision Pvt. Ltd.
株式会社ビーティージーコンサルティング


イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川 勝敏、以下イーソル)、Uncanny Vision Pvt. Ltd.(本社:インド バンガロール市、代表取締役:Ranjith Parakkal、以下Uncanny Vision)および株式会社ビーティージーコンサルティング(本社:東京都港区、代表取締役:下村 真紀子、以下BTG)は、組込み機器向けディープラーニング(深層学習)ライブラリ「UncannyDL」の提供を開始したことを発表します。これにより、高性能なPCやGPU(Graphic Processing Unit)、クラウドコンピューティングといった、外部のデバイスやコンピューティング技術を利用しなくても、スタンドアロンの組込み機器でディープラーニングを利用したアプリケーションを実装できるようになります。本製品とUncanny Vision社製の超高速コンピュータビジョンライブラリ「UncannyCV」を合わせて使うことで、ADAS(Advanced Driver Assistance System:先進運転支援システム)、マシンビジョン、ロボット、監視カメラ、モバイルアプリなど、リソース制限が厳しい様々な組込み機器での高度な画像認識が可能になります。

人間の脳の働きを模したディープラーニングは、音声や画像、文章などの認識精度を高度に高められる技術として、世界の多くの企業が注目をしています。しかし、ディープラーニングの実現には膨大な量の計算処理が発生するため、ハードウェアリソースに制限のある組込み機器での導入は難しいとされていました。今回、組込み機器向けのアルゴリズム開発で多数の実績を持つUncanny VisionがARM® NEON™(以下NEON)に最適化したUncannyDLの提供を開始したことで、ユーザは、高性能なPCやGPU、クラウド技術といった、外部のコンピューティングパワーに依存せずに、NEON搭載プロセッサを実装した様々な組込み機器でディープラーニングを利用することができるようになります。さらに、OpenCVなどとの比較で2倍から20倍のコンピュータビジョンの性能向上が見込めるUncannyCVと組み合わせることで、高精度な画像認識が可能となります。

UncannyDLは、ディープラーニングの実現手法の一つであるCNN(Convolutional Neural Network:畳み込みニューラルネットワーク)手法をベースに開発されました。重層構造を持つCNNの採用により、元画像に平行移動を加えた画像や手書き文字の特徴を段階的かつ自動的に抽出し、正確に識別することを可能にします。UncannyDLには、NEON搭載プロセッサ向けUncannyDLライブラリのほか、2種類のデフォルト・ディープラーニングネットワーク(ユーザ独自のネットワークにも対応)、1,000種類の物体に対する学習データ、製品マニュアルが含まれます。ライブラリの提供に加えて、ディープラーニングの実現に不可欠な学習作業を支援するサポートプランを用意しています。ユーザ独自で行うものからUncanny Visionが全て行うものまで、ニーズに合わせて複数のプランから選択ができます。

UncannyDLは、NEON搭載のARM® Cortex®-A5/A7/A8/A9/A12/A15をコアとしたプロセッサ、LinuxやAndroidといったOSに対応しています。今後、各種プロセッサ(ARM Cortex-A50プロセッサ、インテル® Atom™ プロセッサ)や各社製FPGA、イーソル製リアルタイムOS「eT-Kernel」を含む様々なOSにも対応予定です。


Uncanny Vision社 代表取締役Ranjith Parakkal のコメント
「今年5月の発表以来、UncannyDLはADASや監視カメラ、モバイルアプリなど、様々な分野のお客様から多くの引き合いを頂いています。今回、これらのお客様にUncannyDLの提供ができることを大変嬉しく思うとともに、組込み機器でのディープラーニングの普及が加速することを願っています。」

株式会社ビーティージーコンサルティング 最高執行責任者 木村 兼 のコメント
「モバイル製品を含む組込み機器におけるディープラーニングの利用ができること、特に、クラウドへの接続なしでその実現ができることは、ものづくりに携わる日本企業にとって大きな意味を持ちます。イーソルを通じてUncannyDLを提供することで、そうしたお客様の競争力向上に貢献できるものと期待しています。」

イーソル株式会社 常務取締役 上山 伸幸 のコメント
「ドライバーの安全運転支援や監視カメラなどの防犯システム、医療や産業用のロボット、ウェアラブルコンピューティングなど、高度な画像処理・画像認識の技術が求められる場面が広がっています。このようなシステムの開発に携わるユーザのニーズに応えるため、イーソルは、Uncanny VisionやBTGをはじめとした優れた技術を持つパートナーと提携しています。引き続き、自社およびパートナーの製品・サービスを組み合わせ、最適なソリューションをご提案していきます。」


■補足資料

株式会社ビーティージーコンサルティングについて

海外のソフトウェア製品を日本に紹介する為、日本市場のフィージビリティアナリシスから製品のローカリゼーションまで、日本における総代理店として、ワンストップな市場参入支援を提供しております。 Uncanny Vision社のUncannyCVライブラリ(ARMプロセッサで稼働するハイパフォーマンスなライブラリ)は当社の主要取扱製品です。ADASやマシンビジョン、ロボティクス、監視カメラ、ARなど各種アプリケーションの実装と製品展開を実行しております。当社は2012年9月に設立され、東京都港区六本木に本社を構えております。

ビーティージーコンサルティングホームページ


Uncanny Visionについて

Uncanny Vision社は組込みシステム用のコンピュータビジョンに特化した企業であり、中枢メンバーは最先端技術分野で25年以上の経験を有しています。弊社のソフトウェアツールキットはコンピュータビジョンアルゴリズムの実行速度を飛躍的に向上させることができます。完成したプログラムは既存のソリューションと比べて約2倍から20倍の高速化を実現しております。主力製品であるUncannyCVはARM Cortex-Aシリーズに最適化されたコンピュータビジョン・画像処理ライブラリであり、約60種類の代表的な画像処理アルゴリズムが含まれています。高速化を実現するためには、アルゴリズムの最適化、及びデータプリフェッチとARM NEON命令の多様化等の手法が採用されています。

Uncanny Vision社ホームページ


イーソル株式会社について

イーソル株式会社は「Inside Solution」をブランドスローガンに、1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、および流通・物流業界で実績を重ねて参りました。ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、そしてトータルソリューションを提供しております。弊社は創業直後より30年以上にわたって、高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各種ミドルウェアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品から車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに採用いただいています。日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。さらに、顧客様のシステムに特化した組込みアプリケーション開発やコンサルテーションも創業時より行っており、これら様々な規模のシステム開発実績による技術とノウハウの蓄積を背景としたサービスは、多くの顧客企業様より高いご信頼をいただいております。また、組込み技術の応用市場としての流通・物流業界においても、指定伝票発行用車載プリンタ、耐環境ハンディターミナル、冷凍庫ハンディターミナルなどの製品企画および販売を行い、高い評価をいただいております。

イーソル会社情報へ


*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。

報道関係者向けPDF形式ファイルはこちら