中国半導体大手Horizon Roboticsの車載向けSoC「Journey 6M」にeMCOS®が適応
～ 中国の自動車開発市場におけるOSベンダ＋アダプタ＋半導体ベンダのエコシステムの強化を実現 ～
イーソル株式会社（以下、eSOL）は、このたび中国でのパートナー企業であるIntron Technology Holdings Limited.（イントロン 以下Intron）の100%子会社であるG-Pulse Electronics Technology Company Limited.（ジーパルス 以下G-Pulse）が、中国半導体大手Horizon Robotics（ホライズン・ロボティクス 以下Horizon）の車載向けSoC 「Journey 6M」上のArm Cortex-A78コアへ、eSOLが提供するISO 26262 ASIL-Dに対応したスケーラブルRTOS 「eMCOS」の完全な移植と検証に成功したことをお知らせします。
これにより、高性能マルチコアアーキテクチャと、リアルタイムで決定論的な高レベルの機能安全要件との間の互換性を確保するという技術的課題を克服したことで、「Journey 6M」を使用した運転支援システムなどの高性能アプリケーションの安全基盤が飛躍的に強化されます。
インテリジェントドライブの機能安全規制がますます厳しくなり、マルチコア・高性能チップへの流れが確実になる中で、今回の適用実績は安全性の高い基盤ソフトウェア分野でのサービス力を強化するだけでなく、「マルチコアヘテロジニアスの安全な統合」の実用的なリファレンスを業界に提供します。これにより、インテリジェントドライブ用チップのエコシステムが、よりオープンで信頼性の高い最高レベルの安全基準に準拠した方向に進化することを強力に推進し、業界が包括的な安全性に向けて前進するための強固な基盤を構築します。
また、この発表はeSOLが提唱するFSE（Full Stack Engineering：フルスタックエンジニアリング）において最も基盤に近い層におけるエコシステムの強化です。この実績を元に、これらのエコシステムパートナーと中国における様々な顧客の課題に対して最適な選択肢とソリューションを提供します。
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加えて、今回G-PulseがRTOSのリーディングカンパニーであるeSOLと中国の半導体ベンダであるHorizonと協力して行った本検証は、”チップ・OS・上位層ソフトウェア”のエコシステム連携を深化させたことを示す重要な成果です。「OSベンダのテクノロジアウトプット＋アダプタの経験蓄積＋半導体ベンダのエコシステム強化」という革新的な協力モデルを通じて、3社は先進的なマルチコアアーキテクチャ上で「eMCOS」の卓越した機能を検証しただけでなく、「Journey 6M」の機能を最大限に活用し、高い安全性レベルのOSを中国製の高性能チップに適用させた貴重な経験を蓄積しました。
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今回の検証成果は以下のことを意味します。
- データ経路におけるエンドツーエンドの安全性の実現
センサデータ入力から制御コマンド出力までのチェーン全体が、安全性の高いオペレーティングシステムによって監視されることを保証 - AIコンピューティングパワーのための「セーフティコンテナ」の作成
厳格なメモリ分離、時間分割およびヘルスモニタリングメカニズムを通じて、複雑なAIワークロードに対して高性能で安全かつ信頼性の高いランタイム環境を提供 - 決定論的で予測可能なプラットフォームの提供
基盤となるソフトウェアの決定論を大幅に改善し、上位層の重要なアルゴリズムに対して、安定した信頼できる実行基盤を提供
G-Pulse’s Basic Software Platform Solution
G-Pulseが提供するソリューションは、統合された安全性ベースラインおよび安全性を備えたハイパフォーマンスコンピューティングを実現します。
MCUコアとパフォーマンスコアの両方がASIL-D認定RTOS eMCOSで動作する場合、インテリジェント運転システムに質的な飛躍をもたらします。
- 統合されたフルスタックの安全システムの構築
システムレベルの安全認証における盲点を排除し、高レベルの自動運転システム認証の障害をクリア - 安全性とパフォーマンスのバランス
最高の機能安全レベルを確保しながら、高性能チップのコンピューティングポテンシャルを最大限に引き出す - 開発の複雑さを大幅に軽減
一貫性があり、安全で、制御可能なクロスコア開発プラットフォームを開発者に提供することで、ミックスドクリティカリティシステムの統合と検証を簡素化
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eSOLは今後もG-PulseおよびIntronと連携し、中国の自動車開発市場への積極的な開拓を進めるとともに、同分野の発展と革新に貢献してまいります。
■参考情報
- 本発表に関するG-Pulseによるニュースリリース
“Intron Technology's Subsidiary G-Pulse Successfully Ports ASIL-D RTOS to Horizon Journey 6M Cortex-A78 Core, Strengthening the Safety Foundation of Intelligent Driving”
ニュースリリース詳細： www.g-pulse.net/#/details?id=94&date=2025-12-08&source=index
- Intron Technology Holdings Limited について
Intron Technology Holdings Limitedは、新エネルギー、自動運転、コネクティビティ、ボディコントロール、セーフティ、パワートレインなどの重要な車載電子部品をターゲットとしたソリューションを提供する、中国の大手自動車電子ソリューションプロバイダーです。当社グループは、エンジニアリングおよび研究開発の専門知識と最新の半導体デバイスを活用して、業界をリードする製品化されたソリューションをお客様に提供し、中国の自動車産業の持続的な発展を促進します。当社は、FTSE Global Equity Index Series (以下、「GEIS」) に組み入れられています。
Intron会社情報： www.intron-tech.com
- G-Pulseについて
上海G-Pulse Electronics Technology Company Limitedは、Intron Technology Holdings Limitedの100%子会社です。新エネルギー、自動運転、車体制御、安全、動力伝達システムに焦点を当て、包括的な「製品化」コンセプトを堅持し、自動車エレクトロニクス製品開発の各段階において、ソフトウェアとハードウェアのフルスタックソリューション、エンジニアリングR&D、テスト検証、生産品質管理および技術サービスをお客様に提供し、開発サイクルの短縮と製品信頼性の向上を支援しています。G-Pulseは、多くのOEMおよびTier 1サプライヤーと長期的かつ安定的な戦略的パートナーシップを構築し、価値創造を促進しています。
G-Pulse 会社詳細： www.g-pulse.net
- eMCOSについて
eSOLの主力製品であるeMCOS（エムコス）は、シングルコアプロセッサからマルチ・メニーコアプロセッサまでをサポートする初のスケーラブルなリアルタイム・オペレーティングシステム（リアルタイムOS）です。従来のリアルタイムOSとはまったく異なる「分散型マイクロカーネルアーキテクチャ（マルチカーネルアーキテクチャ）」を採用することで、シングルコアから数百コアのメニーコアプロセッサまで対応するコア数と、OSEKやAUTOSARをベースとしたマイクロコントローラシステムからハイエンドのPOSIXやプロセスモデルベースのシステムまで対応する機能面でのスケーラビリティを実現しています。また、eMCOSは、ヘテロジニアス、ホモジニアスマルチコア、メニーコアプロセッサ、マイクロコントローラ、GPU、FPGAなど、さまざまな種類のプロセッサが混在するIoTアプリケーションに必要なヘテロジニアスコンピューティングにも最適です。さらに、eSOLの独自技術「セミプライオリティベーススケジューリング」（特許第5734941号、第5945617号）を搭載することで、メニーコアで期待される高いパフォーマンスとスケーラビリティに加えて、組込みシステムに不可欠なリアルタイム性を両立しています。また、シングルコアプロセッサやマルチコアプロセッサと同じプログラミングモデルとインターフェースを利用した、従来の方法でアプリケーションを開発できます。
eMCOS 製品情報： www.esol.co.jp/embedded/product/emcos_overview.html
- eSOLについて
eSOLは、革新的なコンピュータテクノロジーによって世界の人々のためのサイバーフィジカル社会を実現するワールドクラスのフルスタックエンジニアリング企業です。 eSOL独自のマルチカーネルテクノロジー（特許取得）によって開発されたeMCOS®リアルタイムオペレーティングシステム（RTOS）を中核とし、プラットフォーム、OS、アプリケーションの各層と、ツールチェーン、プロセスまでをトータルに提供する”Full Stack Engineering”でお客様のソフトウェア開発を支援します。eSOLの技術および高性能でスケーラブルなソフトウェアプラットフォーム製品と優れたプロフェッショナルサービスは、厳格な品質、安全性、セキュリティ基準が求められる車載システムをはじめ、FA、人工衛星、医療機器およびデジタル家電を含むあらゆる組込みアプリケーションの分野において世界中で採用されています。最先端の自社製品の研究・開発や、主要メーカーや大学機関との共同研究に加え、AUTOSAR、Autoware、マルチ・メニーコア技術の標準化活動を積極的に進めています。2025年5月に創業50周年をむかえ、東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。（証券コード:4420）
eSOL 会社情報： www.esol.co.jp