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【国際標準仕様】 イーソルが仕様策定ワーキンググループチェアを務める米マルチコア アソシエーションがSHIM Version 2.0の仕様をリリース

Multicore Association(所在地:米カリフォルニア州サンノゼ、プレジデント:Markus Levy、以下MCA)がSoftware-Hardware Interface for Multi-many-core(以下SHIM)の最新バージョンであるSHIM Version 2.0(以下SHIM 2.0)の仕様をリリースしました。
イーソルの取締役 CTO 権藤 正樹は、SHIMの仕様策定ワーキンググループのチェアを務めています。

2015年にリリースしたSHIM 1.0は、既存のソフトウェアツールが新しいハードウェアにすばやく適応し、新しい革新的なツールの開発を加速するのに役立つ仕様です。 今回のSHIM 2.0には、複雑なプロセッサアーキテクチャの機能強化とパフォーマンス見積精度の向上が含まれています。

SHIM 2.0は、ヘテロジニアスファンクショナルユニット、多段パイプライン、32ビット/64ビット、およびSIMD(Single Instruction Multiple Data)に対応し、最先端のプロセッサのモデル化が可能になっています。 これらの機能により、複雑なプロセッサ、ハードウェアアクセラレータ、およびソフトコアの記述が可能になります。 SHIM 2.0は消費電力の高度なモデリングもサポートしており、個々のプロセッサやクラスタに関連したさまざまな電圧や周波数による電力消費特性の推定も可能になりました。

【 MCAによる情報】:https://www.multicore-association.org/newsletter//2019_01.html


イーソルでは、既にSHIM 1.0の仕様を自社製品であるソフトウェア並列化ツール(*1)  「eMBP」で対応しており、今後SHIM 2.0にも対応することによって、自動運転などインテリジェント化する組込み機器で用いられるより高度なプロセッサへの対応が可能になる見込みです。また、イーソルのグループ会社であるイーソルトリニティでは同様にSHIMに対応したSilexica社のツールの提供もおこなっています。

(*1) : ソフトウェア並列化ツールとは並列処理が行えるマルチコアプロセッサにおいてソフトウェア並列化することでソフトウェア性能を大幅に向上させる技術です。

MCAは、マルチ/メニーコア技術の仕様標準化により、マルチ/メニーコア製品の市場への普及を推進する、2005年に設立された国際的な業界団体です。




イーソルは2007年2月にMCAに加盟し、コア間データ通信の標準仕様であるMulticore Communications API(MCAPI)や、アプリケーションからシステム・リソースへの同時アクセスを管理する仕様であるMulticore Resource Management API(MRAPI)などの標準仕様の策定などに貢献してきました。



今回のSHIM 2.0 リリースに関して、権藤は次のように述べています。
SHIM標準は、並列化ツールのパフォーマンスの見積もり、ハードウェアモデリング、システム構成など、さまざまな種類のツールにとって有益です。 パフォーマンス情報は、パフォーマンス分析および最適化ツール、自動並列化ツールなど、ほとんどのソフトウェア開発ツールにとって非常に重要です。

また、SHIM 2.0プロジェクトに大きく貢献したSilexica CEOのMaximilian Odendahlは、「SHIM 2.0により、Silexicaは既存の機能をすべて維持しながら、独自のプラットフォームモデルを標準化されたモデルに置き換えることができます。 これは、SHIM 2.0がSHIM 1.0とSilexicaのプラットフォームモデルの長所を組み合わせて将来のマルチコア開発をサポートすることを意味します。」と述べています。


SHIM 2.0の仕様は、MCAのWebサイトをご参照下さい。