2007年9月5日
報道関係者各位
イーソル株式会社

TI社の新デジタル・メディア・プロセッサ「TMS320DM355」に対応したイーソルのμITRONベースソフトウェアプラットフォームをリリース


~μITRONの優れた性能をシステムに取り入れながら開発の効率化を実現~

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、テキサス・インスツルメンツ社(以下TI)のデジタルAVコミュニケーション機器向け開発プラットフォームDaVinci™の新製品「TMS320DM355」(以下「DM355」)デジタル・メディア・プロセッサに対応した、μITRONベースのソフトウェアプラットフォーム「eCROS」をリリースしました。このプラットフォームには、μITRON4.0仕様準拠リアルタイムOS「PrKERNELv4」、μITRONベースシステム開発スイート「eBinder」に加え、FATファイルシステム、USBデバイス側スタックなど、アプリケーションのベースとなる基本的なソフトウェアが含まれています。このプラットフォームを採用することで、μITRONのコンパクトで高いリアルタイム性能をシステムに取り入れながら、μITRONの豊富なソフトウェア資産や蓄積された開発ノウハウを活用して効率的にアプリケーション開発を行うことができます。

μITRONベースのeCROSは、デジタル家電やセキュリティ機器などですでに多数の実績があり、同アプリケーション分野向けに最適化された優れた性能と品質を持ちます。「DM355」に内蔵されたARMコア上で即座に動作しますので、「DM355」を使うソフトウェア開発者は、アプリケーション開発に即座に着手できます。

eBinderには、ARM純正コンパイラであるARM RealViewRコンパイラに加え、コンフィギュレーション、デバッグ、システム解析といった一連の開発に必要となる豊富な開発ツールが含まれています。これらの開発ツールは、PrKERNELv4や各種ミドルウェアとシームレスに統合化されています。システム全体を止めずに最終システムと同じ状態で特定のタスクをデバッグしたり、リアルタイムOSやミドルウェア内部の状態をリアルタイムに参照したりしながら開発を進めることができるので、μITRONを使ったソフトウェア開発で発生しやすい問題を容易に解決できます。eBinderを使うことで、生産性を高めながら、高品質なソフトウェアを開発できます。

イーソルは、ソフトウェアのライセンス提供だけではなく、製品のポーティングやカスタマイズ、製品サポート、受託開発などを含む各種プロフェッショナルサービスをあわせて提供していきます。「DM355」を使ったソフトウェア開発をイーソルがトータルに支援することで、さらなる開発時間短縮とコスト削減に貢献し、開発者は商品の差別化に最も重要なアプリケーション開発に注力できるようになります。

日本テキサス・インスツルメンツ株式会社 ASP事業部
DSP/MSP430 プラットフォーム・ビジネス・デベロップメント部長 田中 竜太郎 様のコメント

「デジタル家電をはじめとするTMS320DM355の対象アプリケーション開発では、特に日本やアジアにおいて、高性能で多くの既存資産が存在するμITRONが多く求められると予測しています。イーソルのμITRONベースソフトウェアプラットフォームeCROSは、歴代のTIデジタル・メディア・プロセッサで国内外問わず数多くの実績を持っており、その信頼性・堅牢性は実証済みです。また、イーソルの高い技術力をベースにした定評あるプロフェッショナルサービスにも期待しています。」

イーソル株式会社 取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント
「競争が激しいデジタル家電を始めとする組込みシステム開発では、ソフトウェア開発が商品の成否の鍵を握るようになってきています。日本、アジアにおいて広く普及しているμITRONは、短期間・低コストでの開発が求められるこうしたアプリケーション開発に最適です。TI社との密な連携のもと、TMS320DM355を使うソフトウェア開発者に対して、充実した製品とサービスを提供していきます。」

補足資料

■PrKERNELv4について
PrKERNELv4は、1999年のリリース以来、携帯電話やデジタルカメラなどのデジタル家電、カーナビゲーションシステム、プリンタからFA機器までの幅広い分野で多くの実績を持つ、代表的なμITRON仕様のリアルタイムOSです。μITRON4.0スタンダードプロファイルに完全準拠しており、各種組込みシステムに最適なプログラムサイズで、優れたリアルタイム性能を実現します。また、ミューテックス、可変長メモリプール、資源の動的生成などのさまざまな拡張機能やPrKERNELv4独自の拡張機能を実装しています。カーネル共通部分はMISRA-Cに準拠しています。

「PrKERNELv4」詳細



■eBinderについて
eBinderは、T-Kernel、μITRONをコアとするシステム向けの開発スイートです。従来のT-Kernel/μITRONソフトウェア開発に不足していた、優れた開発環境を提供します。リアルタイムOSを使ったシステム開発のためにゼロから設計された開発ツール・機能群を使うことで、リアルタイムシステム特有の問題を容易に解決でき、リアルタイムOSを最大限に活用できます。eBinderは、C/C++コンパイラを含む各種開発ツール群と、あらゆる組込みソフトウェアのベースとなるターゲットプラットフォームを構成するモジュール群があわせて提供されます。

「eBinder」詳細



■イーソル株式会社と「eCROS」について
イーソル株式会社は1975年の創業以来、「コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する」、という理念のもと、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
エンベデッドプロダクツ事業部は、組込みシステム開発向けに、「開発環境」、 「リアルタイムOS」、「ミドルウェア」、そして「プロフェッショナルサービス」までを含むソフトウェアプラットフォーム『eCROS』(eSOL Component Real-time OS platform/イークロス)をご提供しています。多くの実績に裏打ちされた高い信頼性を持つeCROSの導入により、「高い品質」と「開発の効率化」の両立を実現します。ソフトウェア製品のご提供だけでなく、ニーズに合わせたプロフェッショナルサービスをあわせてご提供することで、開発者の皆様がアプリケーション開発に専念できる環境を作ります。eCROSを構成するリアルタイムOSには、システムの規模と用途にあわせた4つのプロファイルを持つT-Kernel拡張版「eT-Kernel」と、組込み分野で多くの実績があるμITRON4.0仕様に準拠したリアルタイムOS「PrKERNELv4」を揃えています。開発環境としては、T-Kernel/μITRONベースシステム開発スイート「eBinder」を用意しています。またミドルウェアには、ネットワーク/ファイルシステム/USB/グラフィックスなどの幅広いラインアップを揃えています。
2004年1月に米国オレゴン州に子会社 eSOL, Inc. を設立し、日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。

*eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectはイーソル株式会社の登録商標です。
*eT-Kernel、PrHTTPD、PrMAIL、PrSNMP、PrUSB、PrPCCARDはイーソル株式会社の商標です。
*TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。