イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、イーソルのT-Kernel拡張版「eT-Kernel」とT-Kernelベースシステム開発スイート「eBinder」、およびマクロメディア社製組込み用Flash Playerが、 SH-4AをCPUコアとするSH7780を搭載したT-Engineボードに対応したことを発表します。SH7780 T-Engineボード上で即座に eT-KernelとFlash Playerが動作するため、表現力豊かなFlashコンテンツを覧できるデバイスを短期間で開発できます。さらに、eBinderを使って上位アプリケーションの開発を行うことで、開発期間の短縮とコスト削減が実現できます。
2005年11月16日から18日の3日間の日程で、パシフィコ横浜で開催される組込み総合技術展「Embedded Technology 2005」のイーソルブースおよびルネサスブースにて、SH7780ボード上で動作するeT-Kernel、Flash Player、eBinderのデモを展示します。
また、SH7780を含むSuperHマイコンを搭載したT-Engineボードを使用するユーザを対象に、eBinderの無料体験コースを用意し、同展示会会場にて周知を開始します。この「eBinder for T-Engine無料体験コース」に申し込むと、eBinderを3ヶ月間試用できるほか、試用前にeBinderの使い方を習得できるトレーニングを無料で受講できます。単にeBinderを独習で理解し、使用評価をしていくのに比べて、トレーニングを通じてeBinderの特長、便利な使い方などがあらかじめ理解できるため、 eBinderを使った場合の開発のしやすさや効率のよさをより深く実感できるようになっています。
ルネサス テクノロジ製のSH7780は、最大動作周波数400MHzのSH-4AコアをCPUコアとするSuperHTMファミリの最上位マイクロコンピュータです。キャッシュメモリ、PCIバスコントローラ、DDR SDRAMコントローラ、ローカルバスコントローラと、 DMAコントローラ、シリアルインタフェース、リアルタイムクロック、タイマなどの、あらゆる組込みシステムに共通して必要な周辺機能を内蔵しています。アミューズメント機器、デジタルAV機器、FA機器、カーナビ、テレマティクス分野での使用に最適です。この高性能なSH7780を搭載したT-Engineボードをシステムのハードウェアとして選択することで、標準化されたデバイスドライバやミドルウェアを再利用できるため、結果的にソフトウェア開発の効率を高めることができます。
eT-Kernelは、T-Engine標準のリアルタイムOSであるT-Kernelを、イーソル独自の知識と技術で改良・チューニングした組込みシステム向けのリアルタイムOSです。システム起動時間の大幅短縮、高速な割込み応答性の確保、サービスコール全般の高速化、メモリフットプリント調整機能など、組込みシステムに必須の機能、性能を実現しました。eT-Kernelには、アプリケーションの規模と用途によって3種類のラインアップがあります。今回SH7780 T-Engineボードに対応したのは、T-Engine標準ドライバが付属する「eT-Kernel/Standard」およびコンパクトでμITRONからの移行に最適な「eT-Kernel/Compact」です。今後、メモリ保護機能とプロセスモデルをサポートした「eT-Kernel/Extended」も対応させる予定です。
イーソルは、マクロメディア社の組込み用Flash Playerの正規代理店として、ライセンス販売のほか、さまざまなプラットフォームへのFlash Playerのポーティングや、Flashコンテンツなどのアプリケーション開発を受託開発しています。 Flash Playerを搭載した機器は、PCでデファクトスタンダード化しているWeb上のリッチでインタラクティブなコンテンツを表示することができ、豊かなGUI環境をユーザに提供することができます。
eT-KernelとFlash Playerは、SH7780 T-Engineボード上ですぐに動作する状態で提供されますので、ポーティング作業やそれぞれのソフトウェアの合わせこみ作業を省くことができます。これをベースにして、eBinder環境を使ってアプリケーション開発を行うことによって、さらに開発期間とコストを削減することができます。
今回SH7780 T-Engineボードに対応したeT-Kernel、Flash Player、eBinderのほか、ウェブサイトの閲覧を行うことができる Webブラウザの対応を予定しています。
株式会社 ルネサス テクノロジ マイコン事業部MCU製品技術部 グループマネージャ 三輪善幸 様 のコメント 「高性能化、多機能化が進む組込みシステム開発の効率化を実現するためには、高性能なSH7780を搭載したT-Engineボードの選択がひとつの解になります。さらに、システム開発の最も重要なポイントであるソフトウェア開発において、イーソルのT-Kernelと開発環境、そしてFlash Playerを使用することで、ソフトウェア開発の効率向上や新しい付加価値をもったGUI環境を実現できます。」
イーソル株式会社 取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント 「T-Engineは、ハードウェアを規格化し、ソフトウェアの再利用性、生産性、保守性を向上できる、次世代の組込みシステムのためのプラットフォームです。こうしたT-Engineのメリットのほか、すでにSH7780 T-Engineボードに対応しているeT-Kernel、 Flash Player、eBinderを組み合わせて使うことで、豊かな表現力を持つGUIを持つ機器を容易に開発することができます。また、SH7780のCPUコアであるSH-4Aは、その前モデルであるSH-4の上位互換であるため、SH-4からの移行にも最適です。」
■補足資料
eT-Kernelについて eT-Kernelは、リアルタイムOSベンダーであるイーソルがこれまでμITRONで培ってきたノウハウと技術をもとにして、 T-Engineフォーラムが配布するオープンソースのT-Kernelに性能面・機能面で改良・拡張を加えたT-Kernelの拡張版です。 システム起動時間の大幅短縮、T-Monitorレスでの動作による高速な割込み応答性、タスク切り替えの高速化、コンフィギュ レーションによるメモリフットプリント調整機能、ハードウェア依存部のレイヤー化、モジュール化による移植性の向上などを 実現しました。eT-Kernelには、システム規模と用途にあわせた3つのラインアップがあります。μITRONと近い構成を 持つμITRONからの移行に最適な「eT-Kernel/Compact」、eT-Kernel/CompactをベースにT-Engine標準のデバイスドライバ が付属した「eT-Kernel/Standard」およびメモリ保護機能とプロセスモデルをサポートする大規模開発に最適な 「eT-Kernel/Extended」です。
eBinderについて eBinderは、T-Kernel、μITRONをコアとするシステム向けの開発スイートです。従来のT-Kernel/μITRON ソフトウェア開発に不足していた、優れた開発環境を提供します。リアルタイムOSを使ったシステム開発のために ゼロから設計された開発ツール・機能群を使うことで、リアルタイムシステム特有の問題を容易に解決でき、 リアルタイムOSを最大限に活用できます。eBinderは、C/C++コンパイラを含む各種開発ツール群と、 あらゆる組込みソフトウェアのベースとなるターゲットプラットフォームを構成するモジュール群があわせて提供されます。
イーソル株式会社 について イーソル株式会社は1975年の創業以来、「コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する」、という理念のもと、 組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一 貫したサービス、トータルソリューションを提供します。 イーソルはT-Engineフォーラムの幹事会員として、T-EngineおよびT-Kernel関連の技術開発、サービス提供を強力に進めています。取り扱っている組込みソフトウェア製品には、T-Kernel/μITRONベースシステム開発スイート「eBinder」のほか、T-Kernel の拡張版「eT-Kernel」、μITRON4.0仕様準拠「PrKERNELv4」のリアルタイムOSをはじめとするRTOS/ミドルウェア製品群「eParts」 のラインナップがあります。 2004年1月に米国オレゴン州に子会社 eSOL, Inc. を設立し、日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに 「eBinder」、「eParts」の販売活動を広げています。
eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectは イーソル株式会社の登録商標です。 * eT-Kernel、PrHTTPD、PrMAIL、PrSNMP、PrUSB、PrPCCARDはイーソル株式会社の商標です。 *SuperHは、株式会社ルネサス テクノロジの商標です。 * Macromedia、すべての Macromedia 製品名は、Macromedia, Inc.の商標または登録商標です。 *TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。 *ITRON は "Industrial TRON" の略称です。 *μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。 *TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、 特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。 *記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。
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