2003年11月11日
報道関係者各位
イーソル株式会社

T-Engineベースシステム向け開発スイート「eBinder for T-Engine」がオープンソース版T-Kernelに対応


~ARM版T-Engineに対応~
 

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田勉)は、T-Engineベースのシステム向け開発スイート「eBinder for T-Engine」をオープンソース版T-Kernelに対応させました。2004年1月のリリースを予定しています。対応したハードウェアは、ARM版T-Engineです。

本製品を使用することで、T-Kernelベースのアプリケーション開発が、μITRONのアプリケーション開発と同様、「eBinder」提供のRTOSの特性に着目したWindows上の開発環境で行えます。標準化されたドライバインタフェース等の特長を持ったオープンソース版T-Kernelを最大限に活かしたアプリケーション開発が可能です。

オープンソース版T-Kernelは、現在T-Engineフォーラムの特定の会員にすべてソースコードが公開されて検証が行われており、今年12月に一般公開予定になっています。

今回対応したT-Engine ボードは、「DragonBall i.MX1 T-Engine Board」(横河ディジタルコンピュータ社製)、コンパイラはARM純正 RealViewコード生成ツール、OSはオープンソース版T-Kernelに対応しています。今後、他CPU版T-Engineにも対応していく予定です。

イーソルは、T-Engine アーキテクチャの標準化・普及啓発活動を実施している T-Engine フォーラムの幹事メンバとして、T-Engine プロジェクト発足当初から深い関わりをもってきました。T-Engine プロジェクトが掲げるミドルウェアの整備・流通の促進、というコンセプトは、「eBinder」のコンセプト・機能と完全にフィットしています。「eBinder」は、OSやミドルウェアを“パーツ”として取り扱え、ソフトウェア部品登録、部品単位のコンフィギュレーション、ビルド、デバッグをサポートしています。加えて“パーツ”を流通させ、ミドルウェアの再利用性を高める機能も提供しています。共通のコンセプトを持つ「eBinder」と T-Engine を組み合わせることで、ミドルウェアの流通を円滑にし、開発期間の短縮・開発コストの低減を計れます。

尚、本製品のデモンストレーションを11月12日~11月14日にパシフィコ横浜で開催されるEmbedded Technology 2003 展、弊社ブース(ブース番号:D-8)にて行う予定です。


▽ eBinder for T-Engine詳細:http://www.esol.co.jp/embedded/ebinder_fte.html
▽ T-Engine フォーラム:http://www.t-engine.org/

イーソル株式会社
取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸のコメント

「イーソルはT-Engineフォーラムの幹事会員として、特にカーネル(T-Kernel)・開発環境の分野で協力させて頂いています。T-Engineプロジェクトが目指すミドルウェアの流通と促進、というコンセプトと、「eBinder」が目指すコンセプトが一致し、賛同したためです。「eBinder for T-Engine」は、ARM搭載T-Engine上のシステム開発にかかるコストダウン、期間短縮等の開発効率のアップを望まれる開発者の方々を大いにバックアップします。」

■補足資料

(1)eBinder について
eBinderは、RTOSベースのシステム向け開発スイートです。RTOSベース・プラットフォームと開発ツール群が合わせて提供されます。システム構築及び管理に威力を発揮するコンフィギュレーション及びビルド機能、最大8個までのタスクを全システムを停止することなく同時にデバッグできるマルチコンテキストデバッグ機能、カーネルはもちろん、ソフトウェア部品の状態遷移やプログラム実行時の状態を参照できるシステムデバッグツール、そしてターゲットのファイルシステム操作やマルチコンテキストの実行制御、任意の関数実行などのスクリプトをサポートする、強力なシェルを提供しています。また、他のリアルタイムシステム開発ツールと異なり、これらの機能はターゲットシステムを停止させることなく利用できます。特にアプリケーション開発時においては、カーネルやドライバタスクは停止させずに特定のアプリケーションタスク(群)の検証を行う事ができ、対象となるアプリケーションタスクのみに注力できます。これにより、従来アプリケーションタスクをブレークさせると割り込みもドライバも停止してしまい、実システム動作と異なってしまうという問題や、アプリケーションタスクの検証に下層ソフトの知識が要求されると言った問題を解決し、高品質なソフトウェア開発の検証コストを削減します。特に、PackageBuilder(パッケージビルダ)は、MWベンダ、あるいはユーザが自由にソフト部品パッケージを作成・追加できる機能を提供し、ユーザのソフト部品管理のプラットフォームを提供しています。
▽『eBinder』詳細:http://www.ebinder.jp/

(2)イーソル株式会社について
イーソル株式会社は1975年の創業以来、「コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する」、という理念のもと、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
取り扱っている組込みソフトウェア製品には、「eBinder」のほか、μITRON4.0準拠「PrKERNELv4」をはじめ、各種ミドルウェア製品のラインナップがあります。

■ eBinder, PrKERNEL, PrFILE, PrCONNECT, PrUSBはイーソル株式会社の登録商標です。
■ TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
■ ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
■ μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
■ TRON および ITRON は特定の商品ないしは商品群を指す名称ではありません。
■ 記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。