2003年9月17日
報道関係者各位
イーソル株式会社

pSOSからμITRONへのRTOS切換ツール『OSChangerR』をリリース


~pSOS上のアプリケーションをほとんど修正なくμITRONへ移植が可能に~
 

イーソル株式会社(本社:東京都杉並区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、アプリケーションのpSOSからμITRONへの移行を実現する『OS Changer』をリリースしたことを発表いたします。『OS Changer』は、MapuSoft Technologies LLC(本社:米国アラバマ州、代表取締役社長兼CEO:Raj Johnson、以下MapuSoft)が開発したRTOS切換ツールです。RTOSベースシステム向け開発スイート『eBinder』と統合化されているため、組み合わせて使うことで、pSOSからロイヤリティフリーのμITRONへの移行・動作確認が容易に行えます。豊富な開発ツールとターゲット側プラットフォームを備えた環境で効率的にμITRONベースのアプリケーション開発を行うことができます。

pSOSは、幅広いアプリケーションに使用されている組込み用OSですが、今後のサポートやバージョンアップが心配されています。一旦リリースされたユーザ製品のメンテナンスや次期種の開発を考えると、システムの基礎であるRTOSのサポートおよび不具合修正は重要な要素です。一方で、μITRONは、トロン協会により策定されたオープンな仕様で、日本の半導体ベンダをはじめとする様々なベンダから提供されており、μITRONに精通した技術者の多さ、および今後の万全なサポート体制が保障されています。(社)日本システムハウス協会(JASA)と(社)トロン協会が毎年実施している「組込みシステムにおけるリアルタイムOSの利用動向に関するアンケート調査」(※1)の結果によると、「今後採用予定のAPI」について、ITRON仕様が51.1%と過半数にのぼっています。また、「現ITRONユーザは次にどのOS(API)を使うか」の設問についても、ITRONが81.3%と、リピーターの多さでも突出しています。さらに、『eBinder』はμITRONシステム開発に特化した開発環境であり、他のOSと同等、もしくはそれ以上の強力な開発環境を実現できます。

『OS Changer』は、ある特定のRTOS用にカスタマイズされたアプリケーションを、別のRTOSに載せかえることを可能にするソリューションです。単なるラッパーではなく独自の抽象化技術でチューニングされているため、優れたパフォーマンスを実現します。『eBinder』と、統合化された『OS Changer』オプションを組み合わせて使用することにより、pSOS上で動作しているアプリケーション資産が、ほとんど修正の必要なく流用できるため、μITRONへの移行にかかる開発期間とコストを大幅に削減することができます。さらに、eBinder 上でアプリケーションのチューニング、機能拡張などが効率的にできます。

『eBinder』はRTOSベースのアプリケーション開発に特化した開発ツール群と、自社開発の各種RTOS/ミドルウェア製品群がターゲット側プラットフォームとして合わせて提供されますが、『OS Changer』と組み合わせることで、包括的にμITRONベースのシステムの開発が可能です。さらに熟練した技術力をもつエンジニアによるサポートも充実しており、ユーザは安心してアプリケーション開発に注力することができます。

※1:出典:Bulletin JASA 2003 August - Vol.7 pp.6-11

イーソル株式会社
取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸のコメント

「トロン協会の調査結果では、以前は「μITRONの不満点」として「開発環境が貧弱であった」点が多く指摘されていましたが、最近の調査結果によるとその比率が著しく低下しています。『eBinder』はその一翼を担っていると思います。『OS Changer』は既存のpSOSアプリケーション資産を流用し、μITRONに移行したい、といったニーズを持つエンジニアに有効なツールです。」

■補足資料

(1)OSChangerについて
OS Changer は、開発者が個々のRTOSの違いを気にせずに製品開発に注力することを可能にするツールです。あるRTOSから別のRTOSへのポーティングを容易にし、さらに将来的にポーティングにかかる開発コストも削減します。OS Changer ファミリー製品を使うことで、ユーザはどのRTOSを選択しても、既存のプログラムコードの再利用が可能であるため、低い開発コストでいち早く製品を市場に投入できます。OS Changer ファミリー製品はそれぞれ、互換APIおよび抽象APIライブラリから構成されており、これらはすべてコードサイズの調整が可能で、既にアプリケーション内で使用することができる形で提供されます。OS Changer はRTOSより下層のプログラムコードの修正を必要とせず、直接RTOS内部のカーネルオブジェクトにアクセスするため、小さいメモリフットプリントでもっとも優れたパフォーマンスを実現します。

(2)eBinder について
eBinderは、RTOSベースのシステム向け開発スイートです。RTOSベース・プラットフォームと開発ツール群が合わせて提供されます。システム構築及び管理に威力を発揮するコンフィギュレーション及びビルド機能、最大8個までのタスクを全システムを停止することなく同時にデバッグできるマルチコンテキストデバッグ機能、カーネルはもちろん、ソフトウェア部品の状態遷移やプログラム実行時の状態を参照できるシステムデバッグツール、そしてターゲットのファイルシステム操作やマルチコンテキストの実行制御、任意の関数実行などのスクリプトをサポートする、強力なシェルを提供しています。また、他のリアルタイムシステム開発ツールと異なり、これらの機能はターゲットシステムを停止させることなく利用できます。特にアプリケーション開発時においては、カーネルやドライバタスクは停止させずに特定のアプリケーションタスク(群)の検証を行う事ができ、対象となるアプリケーションタスクのみに注力できます。これにより、従来アプリケーションタスクをブレークさせると割り込みもドライバも停止してしまい、実システム動作と異なってしまうという問題や、アプリケーションタスクの検証に下層ソフトの知識が要求されると言った問題を解決し、高品質なソフトウェア開発の検証コストを削減します。特に、PackageBuilder(パッケージビルダ)は、MWベンダ、あるいはユーザが自由にソフト部品パッケージを作成・追加できる機能を提供し、ユーザのソフト部品管理のプラットフォームを提供しています。

(3)イーソル株式会社について
イーソル株式会社は1975年の創業以来、「コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する」、という理念のもと、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
取り扱っている組込みソフトウェア製品には、「eBinder」のほか、μITRON4.0準拠「PrKERNELv4」をはじめ、各種ミドルウェア製品のラインナップがあります。

(4)MapuSoft Technologies LLC について
MapuSoft Technologies は、開発者がある特定のRTOSから、別のRTOSへ即座にかつ簡単にソフトウェアをポーティングするためのロイヤリティフリーのソフトウェアツールと技術サポートを提供しています。
組み込みRTOS市場において専門的な技術を持ち合わせており、私たちが提供するソフトウェアは実用的で使いやすく、かつ経済的です。また、エンジニアリングに関する私たちの深い知識と技術が生み出したソフトウェアは非常に強力であるため、ユーザは最低限の技術メンテナンスしか必要ありません。
MapuSoft Technologies、もしくは取り扱い製品に関する詳しい情報は、e-mail: info@mapusoft.com までお問い合わせいただくか、Webサイト(www.mapusoft.com)をご覧ください。

■ OSChanger, MapuSoft は、MapuSoft Technologies LLC社の登録商標です。
■ eBinder, PrKERNELv4,PrCONNECT,PrFILEはイーソル株式会社の登録商標です。
■ pSOSはWind River Systems, Inc.の商標です。
■ TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
■ ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
■ μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
■ TRON および ITRON は特定の商品ないしは商品群を指す名称ではありません。
■ 記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。