2003年1月31日
報道関係者各位

イーソル株式会社

『eBinderR』がMulti-ICERに対応


~ARM社RDI仕様準拠のJTAGエミュレータ、シミュレータ、デバッグモニタとの連携動作が可能~
~ARMコア内蔵JTAGポートが『eBinder』のデバッグポートを実現~
 

イーソル株式会社(本社:東京都杉並区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、イーソルが開発・販売を行っている、RTOSベースのシステム向け開発スイート『eBinder』のオプション製品として『eBinder for ARM RDI Option』をリリースしたことを発表いたします。本製品は、ARM社のRDI(Remote Debug Interface)仕様に準拠する、Multi-ICE(ARM社製)などのJTAGエミュレータをはじめ、シミュレータ、デバッグモニタ等との連携動作を可能にするソフトウェアです。RDI仕様準拠の開発ツールが提供する機能を『eBinder』ホストから操作可能にする実行制御機能に加え、ARMコア内蔵のJTAGポートが『eBinder』ホストとターゲットプラットフォーム間のデバッグポートとなる通信機能を提供します。本製品はMulti-ICEとの連携動作検証が完了しています。
→[eBinder(R) の画面イメージ]

本製品は、ARMコアをベースとしたPDAや携帯電話など電池駆動型のコンシューマ製品のソフトウェア開発に最適です。これらの製品に使用されるASIC等では、シリアルなどのデバッグ専用ポートを設けられない場合があります。このため、ARMコアに内蔵されるJTAG ポートを使用してデバッグを行いたい、とのニーズが多くありました。

『eBinder for ARM RDI Option』の通信機能は、RDI仕様準拠のJTAGエミュレータと同時に使用することによってこのようなニーズを満たし、JTAGポートを通じて『eBinder』のシステムを停止しない個々のタスクのブレークなどを可能にするリアルタイムデバッグツールやシステム解析ツールを含めたマルチプログラミング支援機能が利用可能になります。一方、JTAGエミュレータの実行制御機能も同時に利用することができるため、システム全体もブレークさせることができます。また、デバイスドライバや割り込みハンドラ等のデバッグも容易です。

RDI仕様準拠JTAGエミュレータ等のユーザにとっては、これまでの資産を利用してOS やデバイスドライバ等のハードウェアに近いプログラムのデバッグ環境に加え、『eBinder』のOS指向の開発ツールとRTOSを中心としたターゲットプラットフォームを利用できるようになります。

【イーソル株式会社
取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸のコメント】

「私たちは、ARMコアをベースとする主に電池駆動型コンシューマ製品の開発プロジェクトにおいて、JTAGポート以外にデバッグ専用のポートがないが、『eBinder』のようなマルチプログラミング支援機能が豊富な開発環境が使いたい、といったケースを多くみてきました。『eBinder for ARM RDI Option』は、このような開発プロジェクトのニーズを満たすソリューションです。また、ARM社のRDI仕様という標準的な規格に準拠しているため、ユーザの選択肢の幅を広げられるのも大きなメリットです。」

『eBinder』について
eBinderは、RTOSベースのシステム向け開発スイートです。RTOSベース・プラットフォームと開発ツール群が合わせて提供されます。システム構築及び管理に威力を発揮するコンフィギュレーション及びビルド機能、最大8個までのタスクを全システムを停止することなく同時にデバッグできるマルチコンテキストデバッグ機能、カーネルはもちろん、ソフトウェア部品の状態遷移やプログラム実行時の状態を参照できるシステムデバッグツール、そしてターゲットのファイルシステム操作やマルチコンテキストの実行制御、任意の関数実行などのスクリプトをサポートする、強力なシェルを提供しています。また、他のリアルタイムシステム開発ツールと異なり、これらの機能はターゲットシステムを停止させることなく利用できます。特にアプリケーション開発時においては、カーネルやドライバタスクは停止させずに特定のアプリケーションタスク(群)の検証を行う事ができ、対象となるアプリタスクのみに注力できます。これにより、従来アプリタスクをブレークさせると割り込みもドライバも停止してしまい、実システム動作と異なってしまうという問題や、アプリタスクの検証に下層ソフトの知識が要求されると言った問題を解決し、高品質なソフトウェア開発の検証コストを削減します。特に、 PackageBuilder(パッケージビルダ)は、MWベンダ、あるいはユーザが自由にソフト部品パッケージを作成・追加できる機能を提供し、ユーザのソフト部品管理のプラットフォームを提供しています。
>>『eBinder』詳細:http://www.ebinder.jp/

イーソル株式会社について
イーソル株式会社は1975年の創業以来、コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する、という理念のもと、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
取り扱っている組込みソフトウェア製品には、「eBinder」のほか、μITRON4.0準拠「PrKERNELv4」をはじめ、各種ミドルウェア製品のラインナップがあります。

■ eBinderはイーソル株式会社の登録商標です。
■ PackageBuilderはイーソル株式会社の商標です。
■ TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
■ ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
■ μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
■ TRON および ITRON は特定の商品ないしは商品群を指す名称ではありません。
■ 記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。