イーソル株式会社(本社:東京都杉並区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、μITRON統合開発環境「eBinder」のオプション製品であるインストラクション・セット・シミュレータ(ISS)「eB-SIM」がSH-4コアに対応を完了し、リリースしたことを発表します。今回リリースした「eB-SIM/SH」は、GNU C/C++コンパイラに対応しております。eB-SIM/SH を利用すれば、ターゲットレスな開発環境を実現でき、ノートPC一台だけでプログラミング・デバッグが可能になります。
「eB-SIM/SH」には以下の特長があります。
・SH-4コア、タイマ、割り込みコントローラ、シリアルを標準でシミュレート ・上記デバイスを使用し、OS(カーネル)が実システムと同様の条件下で動作 ・高いパフォーマンスでストレスのないシミュレーション環境を実現 ・ターゲットレスなリアルタイムシステムのトレーニング環境としても最適
標準では「Solution Platform for SH4」ボードをシミュレートしますが、他のターゲットボードのシミュレーション環境もユーザの手で作成することができるようになります。 「eBinder」のオプション製品「PackageBuilder」を使用し、SH-4を使用するボードに対応したBSP(Board Support Package)を作成することを可能にします。
「eB-SIM/SH」は、PC1台だけでSH-4をコアとするターゲットボードとほぼ同等の環境を実現する高性能なISSです。”Time to Market”いかんで製品の売れ行きが左右される今、ハードウェアとソフトウェアの並行開発を可能にし、開発期間の短縮を実現します。また、ターゲットシステムを構築・検証するために必要な評価ボードやICEなど、開発にかかる機材の数を最小限に押さえることができ、開発にかかるコストの削減を実現します。このため 「eB-SIM/SH」は、モデルチェンジのサイクルが早いデジタルメディア機器や携帯情報端末機器など、コンシューマ製品の開発に最適です。
「eBinder for SH」は、GNU C/C++コンパイラ、μITRON4.0準拠「PrKERNELv4」、FATファイルシステム「PrFILE」、「Solution Platform for SH4」がバンドルして提供されるため、 「eB-SIM/SH」と合わせてお使いになれば、すぐにシステムの開発、デバッグ・テストに取り掛かることができます。(注1)
▽ 『eB-SIM』詳細:http://www.esol.co.jp/embedded/index_eb-sim.html
※注1 「eB-SIM/SH」は単体では動作しません。「eB-SIM/SH」の機能をお使いいただくためには、「eBinder for SH」が必要です。 イーソル株式会社 取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山伸幸 のコメント 「「eB-SIM/SH」のリリースにより、“どこでもプログラム/デバッグ(ユビキタス・プログラム/デバッグ)”が可能になりました。実機の購入の必要なく、PC1台で“ユビキタス・プログラム/デバッグ”の環境を実現する、時代に即した開発環境です。」「eBinder」について
μITRONは、日本で開発されたOS搭載の家電製品において最も多くのシェアを持つポピュラーなカーネルです。その一方で、現在市販されている μITRONの開発環境は、μITRONの特性を生かした十分な機能が提供されていないのが実情です。トロン協会の調査では、ITRONの短所として、 14.1パーセントの技術者が「開発環境/ツールの不足」を挙げています。(トロン協会、MST2000アンケート結果より)また、μITRONはスケジューリング機能のみを実装したコンパクトなカーネルであり、様々なソフトウェア部品と組み合わせる必要があります。μITRONおよびソフトウェア部品の、異なる会社にまたがる組み合わせは、なかなかスムーズに動作しないのが通常です。 eBinderは、これらの課題を解決するμITRON対応組込み開発環境です。システム構築及び管理に威力を発揮するコンフィギュレーション及びビルド機能、最大8個までのタスクを同時にデバッグできるマルチコンテキストデバッグ機能、カーネルはもちろん、ソフトウェア部品の状態遷移やプログラム実行時の状態を参照できるシステムデバッグツール、そしてターゲットのファイルシステム操作やマルチコンテキストの実行制御、任意の関数実行などをスクリプト動作させる、強力なシェルを提供しています。また、他のμITRON系開発ツールと異なり、これらの機能はターゲットシステムを停止させる事無く利用できます。特にアプリケーション開発時においては、カーネルやドライバタスクは停止させずにアプリケーションタスク(群)の検証を行う事ができ、対象となるアプリタスクのみに注力できます。これにより、従来アプリタスクをブレークさせると割り込みもドライバも停止してしまい、実システム動作と異なってしまうという問題や、アプリタスクの検証に下層ソフトの知識が要求されると言った問題を解決し、高品質なソフトウェアのための検証コストを削減できます。さらにはオプション製品のPackageBuilder(パッケージビルダ)を使用する事により、MWベンダ、あるいはユーザが自由にソフト部品パッケージを作成・追加でき、特にユーザのソフト部品管理のプラットフォームを提供します。 eBinderは、μITRON以外のOSへも対応できるよう設計されており、他のOSへの対応も視野に入れています。
▽ 『eBinder』詳細:http://www.esol.co.jp/embedded/index_ebinder.html イーソル株式会社について イーソル株式会社は1975年の創業以来、コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する、という理念のもと、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。 取り扱っている組込みソフトウェア製品には、「eBinder」のほか、ライセンス & ロイヤリティフリーでソースコードを公開しているμITRON「PrKERNEL」をはじめ、各種ミドルウェア製品のラインナップがあります。
*eBinder、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECTはイーソル株式会社の登録商標です。 *PackageBuilderはイーソル株式会社の商標です。 *TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。 *ITRON は "Industrial TRON" の略称です。 *μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。 *TRON および ITRON は特定の商品ないしは商品群を指す名称ではありません。 *記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。
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