2002年8月23日
報道関係者各位

イーソル株式会社

μITRON統合開発環境「eBinder(R)」が「SolutionEngine(TM)」に対応


~SuperH(TM)をコアとする情報端末機器の開発の効率化を計る~
~C++言語にも対応~
 

イーソル株式会社(本社:東京都杉並区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、イーソルが開発・販売するμITRON統合開発環境「eBinder」が、SH-3が搭載された評価ボード
「SolutionEngine」(日立超LSIシステムズ製)に対応を完了し、対応版製品をリリースすることを発表します。当該製品は、GNU Cコンパイラ、およびCNU C++コンパイラに対応しています。

「eBinder」SolutionEngine対応版は、SH-3をコアとするデジタルTVなどの情報家電、PDAなどの情報端末機器のアプリケーション開発現場をマーケットに据えています。「eBinder」が提供するソフトウェア部品のコンフィギュレーション・ビルドからデバッグ・テストまでの開発工程をサポートした豊富な機能やツールを使うことにより、効率のよい開発を実現し、高品質な製品のタイムリーな市場投入を可能にします。

このたび「eBinder」が対応したSolutionEngineボードには、SH-3コアを内蔵したSH7709Sが搭載されています。内蔵DMAによる高速データ転送や、外部メモリアクセスサポート機能で、各種メモリへの直結が可能なほか、制御可能な電力マネジメント機能を内蔵しており、電力消費を低く押さえることができます。システムバス動作速度の最大6倍の周波数で動作させることができ、高速且つ低消費電力を要求される次世代の情報端末機器に最適です。

当該製品は、SolutionEngineボードに対応したBSP(Board Support Package)、GNUコンパイラ(C, C++とも)、イーソル製μITRON4.0準拠「PrKERNELv4」およびミドルウェア群をバンドルし、ユーザに提供されます。実績のあるFATファイルシステム「PrFILE」、TCP/IPプロトコルスタック「PrCONNECT」をすぐに使用することができますので、ラピッドプロトタイピングに最適です。使用し、すぐにプログラム開発、デバッグ・テストに取り掛かることができます。

「eBinder」はSHのほか、ARM、MIPSのCPUにも対応しています。「eBinder for SH」のBSPには、「Solution Platform」(京都マイクロコンピュータ製)がありますが、今回のSolutionEngineの対応により、新たなラインナップが加わりました。

イーソル株式会社 取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山伸幸 のコメント
「SolutionEngineボードは、SuperHコアが搭載された日立殿純正の評価ボードで、開発現場で多く使用されています。今回リリースした「eBinder」SolutionEngine対応版をお使いになることにより、SolutionEngineボードを使って開発を行っている開発者の方々に開発期間の短縮とコスト削減の実現をお約束します。
今後も「eBinder」はニーズの多いボードへの対応を積極的に進め、開発者の皆様によりよい開発環境を提供していきます。」
「eBinder」について

μITRONは、いまやOSが搭載された全家電製品の多くのシェアを持つ、最もポピュラーなカーネルです。その一方で、現在市販されているμITRONの開発環境には、μITRONの特性を生かした十分な機能が提供されていない現状があります。トロン協会の調査では、ITRONの短所として、14.1パーセントの技術者が「開発環境/ツールの不足」を挙げています。(トロン協会、MST2000アンケート結果より)また、μITRONはスケジューリング機能のみを実装したコンパクトなカーネルであるため、必要なソフトウェア部品と組み合わせる必要があります。他社のμITRONやソフトウェア部品の組み合わせは、なかなかスムーズにいかないのが通常です。
eBinderは、これらの課題を解決するμITRON対応組込み開発環境です。ラピッドプロトタイピング、システム構築及び管理に威力を発揮するコンフィギュレーション及びビルド機能、最大8個までのタスクを同時にデバッグできるマルチコンテキストデバッグ機能、カーネルはもちろん、ソフトウェア部品の状態遷移やプログラム実行時の状態を参照できるシステムデバッグツール、そしてターゲットのファイルシステム操作やマルチコンテキストの実行制御、任意の関数実行などのスクリプトをサポートする、強力なシェルを提供しています。また、他のμITRON系開発ツールと異なり、これらの機能はターゲットシステムを停止させる事無く利用できます。特にアプリケーション開発時においては、カーネルやドライバタスクは停止させずにアプリケーションタスク(群)の検証を行う事ができ、対象となるアプリタスクのみに注力できます。これにより、従来アプリタスクをブレークさせると割り込みもドライバも停止してしまい、実システム動作と異なってしまうという問題や、アプリタスクの検証に下層ソフトの知識が要求されると言った問題を解決し、高品質なソフトウェアのための検証コストを削減します。そしてオプション製品のPackageBuilder(パッケージビルダ)を使用する事により、MWベンダ、あるいはユーザが自由にソフト部品パッケージを作成・追加でき、特にユーザのソフト部品管理のプラットフォームを提供します。
eBinderは、μITRON以外のOSへも対応できるよう設計されており、他のOSへの対応も視野に入れています。

▽ 『eBinder』詳細:http://www.esol.co.jp/embedded/index_ebinder.html

イーソル株式会社について

イーソル株式会社は1975年の創業以来、コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する、という理念のもと、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
取り扱っている組込みソフトウェア製品には、「eBinder」のほか、ライセンス・ロイヤリティフリーでソースコードを公開しているμITRON「PrKERNEL」をはじめ、各種ミドルウェア製品のラインナップがあります。

*eBinder、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECTはイーソル株式会社の登録商標です。
*PackageBuilderはイーソル株式会社の商標です。
*TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON および ITRON は特定の商品ないしは商品群を指す名称ではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。