イーソル、組込み機器へのROS/ROS 2適用技術を活用し、未活用領域へのロボットの導入コスト削減と市場拡大を促進
「ロボットのプラットフォーム化技術開発(ソフトウェア)」は、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下産総研)、国立大学法人 東京大学、一般社団法人 東京オープンソースロボティクス協会、一般財団法人 日本品質保証機構(以下JQA)、イーソルが共同で実施するものです。本事業では、マニピュレーションやナビゲーションといったロボット機能を実現するソフトウェアの再利用性や安全性・運用性、開発効率の向上を目指し、オープンソースソフトウェア(OSS)のロボットミドルウェア・OSの活用、アプリケーション別ソフトウェアのパッケージ化およびプラットフォーム化、ツール等の開発に加え、安全なロボットシステムの開発・運用プロセスの確立とガイドラインの策定を実施します。ロボットOSの基盤となるROSは、オープンソースのロボット制御フレームワークです。本事業においてイーソルは、従来UNIX系OSを標準環境としていたROSおよび次世代のROS 2を、イーソルのスケーラブルリアルタイムOS「eMCOS」やOSSの無償リアルタイムOSなどの組込みリアルタイムOSに実装し、運用性や信頼性・安全性の向上を担います。また産総研およびJQAと共同で、ロボットシステム開発プロセスと安全開発ガイドラインの策定に取り組みます。
イーソルは、自動車や産業用ロボットをはじめとする様々な分野において、ROS/ROS 2を利用した組込みシステム向け開発実績が多数あります。2015年11月に開催された「あいち ITSワールド 2015」でデモ走行を行った自動運転車に採用された自動運転プラットフォームは、eMCOSにROSを対応させた「ROS on eMCOS」を搭載し、その上に自動運転システム用OSS「Autoware」を組み合わせて実現しました。また省資源のマイコンを使った小規模な組込みシステムへのROS/ROS 2の実装実績があります。その他、ROSを使用したロボット制御アプリケーションの開発、ROSの主要なパッケージやツールのカスタマイズ、既存システムとのブリッジ機能など、開発実績は多岐にわたります。
イーソルは、ROS/ROS 2エンジニアリングサービスや信頼性の高いeMCOSを中心とするソフトウェアプラットフォーム技術を提供することで、品質確保や機能安全対応などの高付加価値を付与したロボットシステムの製品化を強力に支援します。
イーソル株式会社 取締役 ソリューションエンジニアリング事業部長 徳永 太 のコメント
「人手不足の解消や生産性向上などの観点から、三品産業や物流・バックヤードなどサービス分野へのロボット導入の機運が近年ますます高まっています。イーソルは、本研究開発を通して小規模・省資源な組込みシステムに、高い信頼性とリアルタイム性を確保したROS/ROS 2の適用をさらに加速させ、ロボット市場の拡大とコスト低減に貢献します。」
■補足資料
eMCOSについて
eMCOS(エムコス)は、シングルコアからマルチ・メニーコアプロセッサまでをサポートした商用では世界初の組込みシステム向けスケーラブルリアルタイムOSです。従来のリアルタイムOSとはまったく異なる「分散型マイクロカーネルアーキテクチャ」を採用することで、コア数の違いに加え、マイコンやGPU、FPGAなどアーキテクチャが異なるヘテロジニアスなハードウェア構成をサポートするスケーラビリティを実現しています。さらに、イーソルの独自技術「セミプライオリティベーススケジューリング」(特許 第5734941号、第5945617号)を搭載することで、メニーコアで期待される高いパフォーマンスとスケーラビリティに加えて、組込みシステムに不可欠なリアルタイム性を両立しています。また、シングルコアプロセッサやマルチコアプロセッサと同じプログラミングモデルとインターフェースを利用した、従来の方法でアプリケーションを開発できます。
eMCOS詳細
イーソル株式会社について
イーソルは、革新的なコンピュータテクノロジーで豊かなIoT社会を創造する、1975年創業のリーディング企業です。リアルタイムOS技術を核とするソフトウェアプラットフォーム製品とプロフェッショナルサービスは、厳しい品質基準が求められる車載システムを筆頭に、FA、人工衛星、デジタル家電を含むあらゆる分野で、世界中で採用されています。最先端の自社製品の研究・開発や、主要メーカーや大学機関との共同研究に加え、AUTOSAR、マルチ・メニーコア技術の標準化活動を積極的に進めています
イーソル会社情報へ
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。
報道関係者向けPDF形式ファイルはこちら