プレスリリース

自律系IoTアプリケーション向けに、スケーラブルRTOS「eMCOS」の拡張を加速

NEDOの委託事業として、東京大学、大阪大学、アクセル社とIoTプラットフォーム共同研究開発を実施~

報道関係者各位 
イーソル株式会社

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川 勝敏、以下イーソル)は、このたび国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下NEDO)に採択された、IoT推進のための横断技術開発プロジェクトの委託事業「ドメイン特化型IoTプラットフォームの研究開発」(以下本事業)において、シングルコアからメニーコアプロセッサまでをサポートする商用では世界初のスケーラブルリアルタイムOS(RTOS)「eMCOS」のさらなる拡張を進めます。これにより、自動運転を含む次世代モビリティ、監視・防犯、ロボット、介護、農業、ドローン、製造、防災・減災等の分野で期待されるインテリジェント化する組込み機器である自律系IoTアプリケーションの開発と発展に貢献します。

「ドメイン特化型IoTプラットフォームの研究開発」は、東京大学、大阪大学、イーソル株式会社、株式会社アクセルが共同で実施するものです。本事業では、ターゲットとなる製品サービスのドメイン毎に共通化可能な要素を抽出し、低消費電力で10TFlops相当の性能を達成可能なドメイン特化型IoTプラットフォームを用いた組込みデータ解析システム技術等の研究開発を行います。本事業においてイーソルは、東京大学並びに大阪大学と連携しつつ、自律系IoTアプリケーション向けに開発されるメニーコアやアクセラレータなどを組み合わせたヘテロジニアスSoCへのeMCOS適応化と、その他eMCOS機能および性能の強化を図ります。

eMCOSは、従来のリアルタイムOSとはまったく異なる「分散型マイクロカーネルアーキテクチャ」を採用することで、プロセッサ種別やコア数に対するスケーラビリティを実現しています。IoTアプリケーションに求められる、ヘテロジニアス/ホモジニアスマルチ・メニーコアプロセッサ、マイコン、GPU、FPGAなど異なるプロセッサを組み合わせたヘテロジニアスコンピューティングに最適です。さらに、独自のスケジューリングアルゴリズム「セミプライオリティベーススケジューリング」(特許第5734941号、5945617号 取得)を実装しています。これらの技術により、高いパフォーマンスとスケーラビリティに加えて、ミッションクリティカルな組込みシステムに不可欠なリアルタイム性を実現できます。

イーソルは、2005年に世界初のARM社ARM® MPCore™向け商用RTOSの開発、そして2012年にシングルコアからメニーコアまでをサポートした世界初の商用スケーラブルRTOSの発表を行ったマルチ・メニーコア技術のリーディング企業です。米国Multicore AssociationのSoftware-Hardware Interface for Multi-many-core(SHIM)ワーキンググループチェアに加え、組込みマルチコアコンソーシアムの副会長兼理事を務め、マルチ・メニーコア技術の普及促進に向け積極的な活動を行っています。また、国内外の主要メーカー、スタートアップ企業、大学機関等との共同研究を通じて、自動運転システムなどの知能化するIoTアプリケーション向けRTOSの技術開発にも積極的に取り組んでいます。



イーソル株式会社 取締役CTO 兼 技術本部長 権藤 正樹 のコメント

「AIやネットワーク、ハードウェア技術などの進化にともない、IoT技術の展開が急速に進んでいます。とくにインテリジェント化するIoT機器においては、高性能ハードウェアと組込みソフトウェアを統合した高速かつ省電力なプラットフォームが不可欠です。イーソルは、モビリティ、産業機器、家電機器、さらには人工衛星に至るまで、様々な横断的な市場に向けたRTOS開発を長年行ってきました。ここから得たOS技術と知見をこの共同研究で活かし、社会の様々な分野で応用が期待されるインテリジェントなIoT機器の開発・普及に寄与していきます。」


■補足資料

eMCOSについて

eMCOS(エムコス)は、シングルコアからメニーコアプロセッサまでをスケーラブルにサポートした商用では世界初の組込みシステム向けリアルタイムOSです。eMCOSは、これまでのリアルタイムOSとはまったく異なる「分散型マイクロカーネルアーキテクチャ」を採用することで、数十、数百のコアを持つメニーコアプロセッサの性能を最大限に引き出します。さらに、独自のメッセージングベースAPIに加え、POSIXとAUTOSARをサポートするOS機能のスケーラビリティを実現しています。また、イーソルの独自技術「セミプライオリティベーススケジューリング」(特許第5734941、5945617号 取得)を搭載することで、メニーコアで期待される高いパフォーマンスとスケーラビリティに加えて、組込みシステムに不可欠なリアルタイム性を両立しています。シングルコアプロセッサやマルチコアプロセッサと同じプログラミングモデルとインターフェースを利用した、従来の方法でアプリケーションを開発できます。


イーソル株式会社について

イーソルは、革新的なコンピュータテクノロジーで豊かなIoT社会を創造する、1975年創業のリーディング企業です。リアルタイムOS技術を核とするソフトウェアプラットフォーム製品とプロフェッショナルサービスは、厳しい品質基準が求められる車載システムを筆頭に、FA、人工衛星、デジタル家電を含むあらゆる分野で、世界中で採用されています。最先端の自社製品の研究・開発や、主要メーカーや大学機関との共同研究に加え、AUTOSAR、マルチ・メニーコア技術の標準化活動を積極的に進めています。

イーソルウェブサイト



*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。

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